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韓国発バッグブランド「オソイ(OSOI)」が、韓国国外初となる単独店を9月17日にルミネ新宿に、9月19日に渋谷パルコにオープンした。ヨーロッパやアメリカ、アジアなど世界約30ヶ国で展開するオソイが、日本市場を重視する理由とは? ブランドの理念を体現したという店舗空間、そして日本市場にかける期待について、「オソイ」CEO兼クリエイティブディレクターのヒージン・カン(Hee Jin Kang)氏と、2024年11月に日本国内の独占販売契約を結んだユナイテッドアローズのオソイ事業責任者 小松裕美子氏に聞いた。
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「初動は想定の3倍」 オソイが日本市場で成功したワケ
ユナイテッドアローズがオソイの日本国内独占販売権を取得してから約1年。売り上げは当初の想定を大きく上回り、2025年春夏シーズン立ち上げ時は計画の約3倍、現在も各月、各シーズンの計画の1.2〜1.5倍程度のペースで好調に推移しているという。
成功の要因について小松氏は「セレクトしているブランドの一つとしてではなく、ショップインショップ形式でオソイというブランドをしっかりとお客さまに紹介できたことが大きかった」と語る。これにより、もともとブランドを認知していた20〜30代前半のファン層に加え、ユナイテッドアローズの主要顧客層である30〜40代の顧客の獲得に成功した。
また、ベルトなどの装飾が多いデザインは20代に、丸みのあるシンプルなフォルムのバッグは30代以上に好まれやすく、世代を問わず幅広い層が手に取りやすいデザインを揃えている点も強み。ブランドを認知していない客層も、デザインや質の高さに対する手に取りやすい価格設定を魅力に感じて購入に至るケースが多いという。近頃は20代の男性客も見られることから、渋谷パルコ店では立地の特性を活かして男性客も積極的に獲得していきたい考え。客層の幅を広げることで全世代的に売り上げの底上げを図る。





日本は「ブランドの成長のために重要な市場」
日本語の「遅い」をブランド名の由来とするように、トレンドの移り変わりが速い韓国で、「ゆっくりでも自分たちのペースで上質なモノづくりをしていきたい」という理念を持つオソイ。日本での直営店は「時を重ねたディテールと現代的な目的が融合する空間」をコンセプトに設計した。ナチュラルな木の要素や網代調の壁面がヴィンテージな質感を醸し出す一方で、ステンレスを用いたシルバーの什器が建築的で構築的な印象を与える。2つの要素を融合することで、機能美とゆっくりとした時間の流れが調和した空間を演出。店舗の顔となる店舗中央にはヒージン氏が特にこだわったという曲線的な什器を設置し、新作や日本限定アイテムを打ち出す。

Image by: OSOI

Image by: OSOI
韓国国外初の単独店の出店先に日本が選ばれた背景には、オソイのモノづくりと日本市場の親和性の高さがある。韓国の店舗を訪問する日本人客の購入やホールセールを含めると、日本人客による売り上げはブランド全体の30〜40%を占めるという。ヒージン氏は日本の顧客について「(韓国よりも)トレンドに左右されにくく、自分の持っているスタイルをすごく大事にする。単に流行の商品を購入するのではなく、ブランドの背景にあるストーリーやディテール、クオリティを理解し評価してくれる客層だと捉えている」と分析。日本市場を「ブランドの成長のためにとても重要な存在」と位置付けているという。
渋谷パルコは韓国でも知られている商業施設であり、日本国内だけでなくインバウンド客にもリーチできるトレンドの発信地。同時期に出店した新宿とは少し距離が離れていることから、異なる客層にアプローチできることにも期待する。同時期に2ヶ所に出店することで、より具体的な日本のニーズを掴み、ラインナップを変化させていく。今後は、できる限り早期に路面店を出店することを目標に掲げるほか、将来的には日本の各主要都市への出店も視野に入れている。
「トレンドに左右されるのではなく、独自のシグネチャーを追求していきたい。これまではアイコニックなディテールを持つシグネチャーアイテムを起点にブランドを確立してきたが、今後はより削ぎ落としたシンプルで洗練されたデザインにも挑戦していきたい」とヒージン氏。ブランドの世界観を大々的に発信する単独店の誕生は、ブランドが次のステージへと進む重要な一歩になりそうだ。
◆日本別注アイテム
ひと足さきにオープンしたルミネ新宿店のオープンに合わせ、日本市場に向けた特別なアイテムを発売。日本人顧客の好みに合わせたペールブルーとネイビーの別注カラーのバッグをラインナップする。このほか、東京・富ヶ谷のスニーカーショップ「プレイグラウンド(PLAYGROUND)」に別注したブランド初となるスニーカーも登場。これは日本のストリートカルチャーやスニーカートレンドを意識したもので、アッパーには秋冬のトレンド素材でもあるスエードを採用。ブラウンとグレーの2色を揃える。また、バッグの購入者に贈られるエコバッグはパリやバンコクで配付したものと同シリーズで、渋谷パルコではオリーブ、ルミネ新宿ではネイビーなど、世界各店舗ごとに異なるカラーを用意している。

プレイグラウンド別注スニーカー

別注カラーバッグ

別注カラーバッグ

渋谷パルコ店ノベルティ
最終更新日:
■OSOI SHIBUYA(OSOI 渋谷)
オープン日:2025年9月19日(金)
所在地:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 4階
店舗面積:約64平方メートル
営業時間:11:00〜21:00
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