―サステナビリティの推進とビジネスを拡大の両立は難しいという意見もあります。創業から並行するサボンの考えとは?
インタビューの冒頭からお伝えしているように、創業から人にも環境にも優しい製品づくりを大切にしながらビジネスも拡大していることから、両立できていると思います。ブランドの根幹でもあるイスラエルの死海の塩や、上質な自然由来成分の使用、豊かな香りやテクスチャー、デザインなど全てにおいて五感で楽しめることを追求していますが、同時にお客さまが五感で受け取ったサボンを使うことで、地球環境に配慮できているということを理解してもらうことも重要で、今後どう発信していくかが課題だと思います。また、「やらなきゃ」ではなく、「サボンらしく楽しさや喜びに満ちあふれながら取り組むこと」を考えることもミッションだと言えます。

「『やらなきゃ』ではなく、『サボンらしく楽しさや喜びに満ちあふれながら取り組むこと』がミッション」という畠山社長

ブランド創業25周年のイベントを代官山で開催した
―ブランド創設25周年となる2022年の取り組みについて教えてください。
25周年の今年はブランドビジョンを再定義し、「サボンは、日常の喜びに満ちあふれる、きらめく感動の瞬間を大切にします」を掲げています。
先日発表させていただきましたが、25周年記念として女優の桜井日奈子さんに、ブランド初の「サボン ジャパン アンバサダー」に就任していただきました。桜井さんはサボンと同じ1997年生まれで、何事にも楽しみながらチャレンジする等身大の姿が、何気ない日常の中にも喜びや感動をもたらすサボンの想いと重なりました。桜井さんと共に、オンライン・オフラインにおいてブランドや製品の魅力を広く発信してまいります。


25周年のサボンと“同い年”の桜井日奈子さんをブランド初のアンバサダーに起用
3月、中目黒に世界初のスパ併設コンセプトストア
また、3月には中目黒のコンセプトストアをリニューアルし、「SABON l’Atelier SPA」(サボン アトリエ スパ)のオープンを予定しています。世界初のスパを備えて改装しますが、ブランドの世界観を体験できる場としての役割を強化し、よりサステナブルな取り組みも発信します。同店では、先ほどお話しした「ブルーミングライヴズ」の考えのもと、ロスフラワーを使ったギフト製品の提案なども計画しています。花々に彩られた生活を楽しみ、花を愛でる豊かな心をも育む。植物の生命力と人々の健康を共鳴させるという発想ですね。
ー新製品の発売や新店舗の予定もありますか?
今年も積極的に前進します。ボディケアカテゴリーに加えて近年人気のフェイスケアカテゴリーもさらに強化し、ボタニカルウォーターやリップケアアイテムなどの新製品も続々と発売します。デジタル化が進むほど人の温もりがより必要になると考えており、今年も新店舗を数店舗オープンさせる予定です。オンライン接客など利便性は取り入れつつも、リアル店舗での体験はサボンの強み。お客さまのニーズをキャッチしながら、短時間の滞在でも“感動体験”を提供するために、喜びに満ちあふれる、きらめく感動の瞬間が感じられる接客、異国情緒あふれる憧れのオアシスのような店舗環境はブラッシュアップしていきます。

ーサステナビリティプランは?
ミッションを含めた、サボンが大切にしているサステナビリティ コミットメントを追求し、ヴィーガン処方の製品開発などこれからも地球環境に敬意を払いながら自然に配慮した取り組みを広げ、2025年までに環境や社会に配慮した企業に与えられる国際的な認証「ビーコープ(B Corp)」の取得を目指します。
ー最後に、畠山社長自身のサステナビリティ活動について教えてください。
紙コップではなくマイカップを使う、ショッピングはマイバッグ、電球はLEDを使用、フードロスのためにミールキットを頼む、余分なものは買わない、車はハイブリッドにする、リサイクルできるものはする…など、当たり前ですが普段からアクショナブルなあらゆることに気をつけています。また、花が大好きで家にはいつも花を飾っているのですが、ブランドの取り組みを実践してドライフラワーやロスフラワーを購入して楽しんでいますね。
(文 ライター・エディター中出若菜、聞き手 福崎明子)
最終更新日:
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【トップに聞く】の過去記事
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング

Maison Margiela 2026 Spring Summer

Yohji Yamamoto 2026 Spring Summer

noir kei ninomiya 2026 Spring Summer

JUNYA WATANABE 2026 Spring Summer