Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】"名品"と呼ばれる「Scye」の服の秘密とは? デザイナー日高久代とパタンナー宮原秀晃に聞く

Scyeデザイナー日高久代とパタンナー宮原秀晃
Scyeデザイナー日高久代とパタンナー宮原秀晃
Image by: Fashionsnap.com

 「全てのデザインに意味がある」と語る、「Scye(サイ)」のデザイナー日高久代とパタンナーの宮原秀晃。2000年に制作した15点の試作品からスタートし、今年で15周年を迎えた。ファッションショーや広告といった売り込みを一切行わず、"究極"とも言える質の高いリアルクローズをひたむきに追求し続けて着実に展開を広げ、ファッション業界にも根強いファンが多い。20年目に向けて初の直営店を計画しているという2人に、"名品"と呼ばれる服作りのこだわりを聞いた。

 

―2000年にスタートして今年で15年です。振り返ってみていかがですか?

宮原:自分達にしてみたら、まだ5年くらいしか経っていない感覚です。音楽でいえば、このアルバムもう20年も経つんだみたいな。振り返れば色々な出来事もあったし、いいことも悪いこともたくさんあったけど、一言で言うと意外に早かったですね。

日高:大きくは変わらないスタンスでやってきて、気がついたら15年でした。

scye_15aw_0101.jpgScye 2015-16年秋冬コレクション Photo by: OGATA

―元々、同じアパレル会社で働いていたそうですが、ブランドを立ち上げたきっかけは?

宮原:一緒に仕事をし始めた時から数えると、20年以上になりますね。

日高:ブランドを立ち上げた2000年頃は、ちょうどファストファッションが台頭してきた時期でした。ファッションの仕事を始めてからずっともの作りを第一に考えてきたんですが、その頃は服が単なる商材に過ぎず、プロセスとかはあまり関係なくただ「売れるものを作る」という風潮で、違和感を感じていたんです。そういった思いが、独立のきっかけになりました

■原点の15着

―まず何から始めたんでしょうか。

宮原:実は、資金を貯めたりといった準備はひとつもやっていなかったんです。まずはコツコツと、当時の仕事の合間を縫って15点のコレクションを自分たちだけで作りました。それを小売店に持っていってプレゼンして。

日高:その中の何点かにオーダーがついたんです。でも、商品を生産する資金が足りなくて......。

宮原:僕らは、服を作ることにはある程度自信を持っていたんですが、売ることに関しては全くの素人だったんですよ。それでも、関係各社に協力してもらって、少量でしたがなんとか量産することができました。僕らは周りの方々に恵まれていて、そのおかげで今がありますね。

scye-interview-20150306_001.jpg

―その15点の中で、今も継続されているものはありますか?

日高:ピヴォットスリーブのアウターやアストライドパンツなどは、アップデートを重ねながら続いているモデルのひとつですね。

宮原:いずれもカッティングに特徴があって、立体的で着やすい服です。

―そういった服作りのこだわりはブランド名にも表れていますね。

宮原:ブランド名は最初に決めました。「Scye」は「袖ぐり」や「鎌(かま)」という意味のテイラー用語で、古い裁断書で見つけました。やっぱり、うちがこだわっている服作りを表すような名前が良かったんです。

日高:でも、いたってシンプルに。覚え易さとか、文字の配列、音の響きも決め手でした。

宮原:会社名の「マスターピース&コー」については、名前の通り「マスターピース(=傑作)を作ってやろう」という思いがあって、ロゴのフォントからオリジナルを作りました。2人とも一つのことにこだわる体質で、突き詰めたくなっちゃうんですよね。

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