ストライプインターナショナル 石川康晴 代表取締役社長
Image by: FASHIONSNAP

Business インタビュー・対談

スマートシティ構想への第一歩?石川康晴社長は「ストライプデパートメント」の先に何を描くか

ストライプインターナショナル 石川康晴 代表取締役社長
ストライプインターナショナル 石川康晴 代表取締役社長
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 「例のないアパレル企業を目指している」。ストライプインターナショナルの石川康晴代表取締役社長は、ソフトバンクとの合弁で開設したECモール「ストライプデパートメント(STRIPE DEPARTMENT)」の会見の席で、グループの方向性についてこう語った。これまでも製造小売とレンタルの両立など新しいビジネスモデルを模索してきたが、次の一手となるのはプラットフォーム事業。いずれもテクノロジーが成長の鍵になっていくという。今秋の上場を目指している同社が着手する「テクノロジーアパレル」と、石川社長が思い描く未来とは。

 

■SPAからプラットフォームへ

 ストライプインターナショナルが2015年に事業領域をアパレルから「ライフスタイル&テクノロジー」に拡大して以来、約3年が経った。2018年は新グローバル戦略として「グローバルSPA」「グローバルプラットフォーム」「グローバルM&A」の3つを据える。これについて石川社長は、世界企業に置き換えて、

「グローバルSPAの代名詞はZARA、グローバルプラットフォームではAmazon、そしてグローバルM&AというとGE。それらが1つになったようなイメージです。」

と説明した。実現すればストライプが目指す「例のないアパレル企業」の形に近づく。今はその転換期にあると話している。

 その肝入りとして投資するのはEC関連事業だ。重点となるのが、2月15日に立ち上げを発表したECモール「ストライプデパートメント」。合弁会社を組んだ相手は、IT業界の雄 ソフトバンク。およそ100億円の投資計画を明らかにしている。

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 目指すのは"ネット上の百貨店"。国内のアパレル市場が縮小し、百貨店の売上高が軒並み低迷するなか約2年をかけて構想したという。特に石川社長が危惧していたのは、地方百貨店の現状だ。

「地元の岡山には百貨店が2館あるんですが、新しいブランドも入らずテナント数が減っている。高感度、高品質、高単価なものを好む百貨店ユーザーからすると、地方に住んでいることがストレスになっている状況が続いているのではないか。それなら数百ブランドを集積したプラットフォームを作ってあげるべきではないかと考えたんです。」

 「百貨店ユーザーは減っていない」と捉え、ターゲットを絞ったのはF2層と呼ばれる35歳~49歳の大人の女性。F1層ほど気軽にECやデジタルを使いこなす世代ではなく、かつ買いたい服がないと悩める層でもある。潜在顧客の需要を汲みとり、百貨店アパレルのECプラットフォームという空白のゾーンに踏み込んだのが今回の事業。スタート時はキャリアファッションなど国内を中心に約600ブランドが参画しており、"百貨店ファン"を掘り起こす。

詳細:「日本一のファッションECデパートに」ストライプとソフトバンクの合弁会社がF2層向けオンラインモール開設

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 これまでもグループ内のブランドを集積した自社ECサイト「ストライプクラブ」を運営してきたが、「ストライプデパートメント」ではプラットフォームに特化した。主に他社ブランドの出店を請け負うことに意味があるとし、「時代に合っている」と捉える。

 出店企業にはクローゼットデータ等を開示し、企画の精度やプロパー消化率の向上を促すなど、ソリューションを提供することでアパレル業界が抱える課題に対して他社と一緒に取り組む構え。プラットフォーマーとしての役割を見直す意味もあるという。

「データを開示するプラットフォームは珍しいと思いますし、これからはそういう時代になるでしょう。メーカーに売るだけではない付加価値を提供することができればと考えています。百貨店が伸びない理由には、ソリューションを提示できていないという要因もあると思っています。」

■ゾゾタウンと競争?共存?

 現在国内のファッションECでは、1000以上のショップが出店する「ゾゾタウン」が先導している。運営するスタートトゥデイについて石川社長は、学ぶべきことが山ほどあると話し、競争よりも共存していく姿勢だ。

「ゾゾタウンは完成されていますからね。アルゴリズムの作り方もうまいですし、WEARとの合わせ技もとても良いと思っています。だからF1層のナンバーワンがゾゾタウンなら、F2層のナンバーワンがストライプデパートメントになれたら。」

 将来的に3000ブランドを集積するという商品規模と品質、そしてソフトバンクのリソースを活用した最新テクノロジーが強み。「パーソナルスタイリング」や「AI チャットボット」を導入することで、ファッションECが抱える接客やパーソナライズの課題をクリアしていくと同時に、差別化を図るという。

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