トミー・ヒルフィガー氏
Image by: FASHIONSNAP.COM

Fashion インタビュー・対談

低迷期を経てミレニアルが支持するブランドへ「トミー・ヒルフィガー」が今思うこと

トミー・ヒルフィガー氏
トミー・ヒルフィガー氏
Image by: FASHIONSNAP.COM

 1985年に創業し、クラシックなアメリカンスタイルで一世を風靡した「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」。2000年代初めには一時低迷したが、近年ではアイコニックなロゴを多用したカプセルコレクション「トミー ジーンズ(TOMMY JEANS)」発売日に徹夜の行列ができるなどストリートウェアに親しみを持つ若年層の支持も獲得している。10月8日に東京で開催された2018年秋コレクションのイベント「TOKYO ICONS」に合わせて来日した、ブランド創業者で現プリンシパルデザイナーを務めるトミー・ヒルフィガー氏にインタビュー。

ー 昨日来日されたとのことですが、東京で観光する時間はありましたか?

 到着したのは昨日の朝でしたが、銀座や原宿、表参道に行ったり楽しんでますよ。銀座ではドーバー ストリート マーケット ギンザ(Dover Street Market Ginza)にも行きました。今夜のイベントが終わったら、明日の朝にはもう帰国なんですけどね。

ー 9月にはsee now buy now形式で5回目のショーを上海で行っていますが、今回は「TOKYO ICONS」のために来日。消費者向けのイベントが続いているようです。

 こういったイベントでは消費者にブランドのストーリーや世界観を直接届けることができるので、トミー ヒルフィガーに非常に適した形だと実感しています。今後もこの形を継続する予定です。

ー 近年ではストリートウェア好きの若者からも支持を集めています。2000年代初めには過度な露出などが影響して人気が低迷した時期もありましたが、どのように再建したのでしょうか?

 ブランドのアーカイブに目を向けて、90年代に私たちが流行させたスタイルを振り返ってみたんです。そして現代のファッションシーンにおいていかにストリートウェアが重要かということについて考えたところ、「トミー ジーンズ」など、90年代に提案していたスタイルを復刻することに大きなビジネスチャンスがあるのではないかと気づいたのです。

ー 創業から30年以上を経ていますが、共感を得るブランドであり続けるために必要なことは?

 オーセンティックであること、そしてストーリーを持っていることがとても重要だと思っています。それと同時に、ブランドにとって正しい人を起用すること。ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)をはじめルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)ヘイリー・ボールドウィン(Hailey Baldwin)だったり、アンバサダーを務めている彼らは皆、魅力的な人物であることに加えてそれぞれのストーリーを持っているのです。

ー 成功するためのポリシーは?

 現状にとらわれるのではなく「次に来るものは何か」について常に考えています。そうしないとすぐに時代遅れになってしまいますから。私はロサンゼルス、マイアミ、ロンドン、パリ、東京…と常に世界中を旅していて、旅先での新しい人々との出会いからアイデアを得ることが多いですね。

ー これまでファッション業界に嫌気がさしたり辞めたいと思ったことはありますか?

 ないですね。新しいコレクション、新しいショー、新しいキャンペーン、新しいストア、と常に新しいことに取り組める業界なので、飽きることがないですから。

ー ストリートブランドがラグジュアリーブランドとコラボレーションしたり、数年前には予想していなかった変化が訪れています。長年この業界に身を置くデザイナーとして思うことは?

 デジタルの影響力が強くなったり、ハイ&ローのコラボレーションだったり、今起こっている変化はとても良いものだと感じています。既存のルールを破って新しいことに挑戦しやすいムードが高まっていますよね。

ー それでは逆に、恋しいことはありますか?

 業界全体ではなく個人的な話になってしまいますが、昔のようにブランドの全てに関わらなくなったのは少し寂しく感じることがあります。以前はシャツのボタン一つから私が決めていましたから。今は大きなデザインチームがいるので安心なんですけどね。

ー ブランドとしての展望は?

 メンズ・ウィメンズともに、シューズとアクセサリーのカテゴリーは大きな成長の可能性があると感じているので力を入れていきます。近々生まれ変わったシューズ&アクセサリーが披露される予定ですよ。

ー 今後のチャレンジは?

 競争の中で先頭に居続けること。そして、破壊的であること。

ー 「破壊的」とは。

 業界の流れを破壊することですね。2016年にいち早く「see now buy now」を導入したように、既存のシステムを変えるようなことに、どんどん挑戦していきたいです。

1985年に街中に掲げた「ハングマン」広告についてお聞きします。"アメリカの素晴らしい4人のデザイナー"という言葉とともに、当時すでに成功を収めていたラルフ・ローレン、ペリー・エリス、カルバン・クラインの名前に、新人デザイナーだったトミー氏の名前を自ら並べて注目を集めましたよね。今再びハングマン広告を掲げるとしたら、他3人は誰を選びますか?

 ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)、マイケル・コース(Michael Kors)、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)ですね。

ー 3人の共通点は?

 3人ともビジョンを持ったアメリカのデザイナーであるということ。そしてクリエイティブでありながら、ビジネス的な視点を持ち合わせています。

ー いま興味を抱いていることは何でしょう。

 ポップアートですね。バスキア、アンディ・ウォーホル、キース・へリングなどが好きで。パリで開催中の「バスキア」展にも、ぜひ行きたいと思っています。

>>二階堂ふみら来場「トミー ヒルフィガー」2018年秋の新作を水に投影するショーを東京で開催

(聞き手:谷 桃子)

最新の関連記事

おすすめ記事

Realtime

現在の人気記事

    次の記事を探す

    Ranking Top 10

    アクセスランキング