Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】NIGOはユニクロ「UT」をどう変えるのか?

「UT」クリエイティブディレクターNIGO
「UT」クリエイティブディレクターNIGO
Image by: Fashionsnap.com

 Tシャツのあるべきボディ、本来の良さとは――。2003年に立ち上げられたユニクロのTシャツブランド「UT(ユーティー)」が、ブランド初のクリエイティブ・ディレクターNIGO(ニゴー)によって2014年春夏シーズンより刷新される。「THE NEW MODEL T」というコンセプトを掲げ35コンテンツ、約1000アイテムの「UT」コレクションをNIGOがディレクションする。創業ブランド「A BATHING APE(R)」退任後、NIGOの新たなステージとなる「UT」は彼の手でどう変わるのか? デビューコレクションの展示会で聞いた。

 

―「UT」初のクリエイティブ・ディレクターを引き受けた理由は?

 東京のブランド・アパレルとしてここまでグローバルにやっていることはもちろん、ユニクロのTシャツブランドで自分の力が活かせると思ったので、断る理由もなく引き受けさせて頂きました。実は前の契約が終わってから関わってはいたのですが、今年の春くらいから本格的にスタートして、作業自体は10ヶ月くらい経ちますね。

―ボディから作り直したのはなぜか?

 「UT」が立ち上げられて約10年経つのですが、改めて「一から」ということでボディを原点に戻しました。Tシャツってシンプルがゆえに、すごく難しい。ボディやデザイン、グラフィックに関しても、やれることはすごく限られているのでその中で自分の経験を背景に「これぞTシャツ」と言うものを「ニューモデル」として提案したいと思ったんです。

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―デビューコレクションの満足度は?

 僕自身、海外メーカーの3枚パックを良く着るんですけど、コスト的にもUTのほうが全然安くてモノも良いんですよね。ちなみに今日も着ています。それが満足度の証拠ですね。

―「A BATHING APE(R)」と「UT」、共通点はあるか?

 違う事の方が多いですね。やっぱり「UT」は大きな船ですので、僕にとっても未知の世界。違う脳みそを使ってやっています (笑)。

―「UT」に関わって驚いた事は?

 生産の背景をはじめ、僕が今までやってきた手法とは全く違う。例えばこれまでは、Tシャツにグラフィックをのせる際にこれまでは、「丸胴のもので基本27cmがシルクのスクリーンのマックスです」みたいなルールの中でやってきたんですが、基本的にそういうルールが全くない。なんでもできてしまうので、やっていてすごく楽しいんですよね。今まで出来なかったことが出来るのはかなり良い点です。

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―「UT」のターゲットは広いですが、「みんなに受け入れられるデザイン」についてNIGOの考えは?

 一言で言うとやっぱり「難しい」です。「UT」はグローバルで、世界中にカスタマーがいるので、自分本意のマニアックなものを作ってもダメだし、みんなが良いと思えるもの、手に取ってもらえるものを作るということを意識してやっています。その中でディズニーやコカ・コーラなどのコンテンツは、先方からデザインを借りてプリントしていくものです。コンテンツによっては同じものが他社から出る可能性が高いので、他のものとは差別化したデザインを提案して行きたいと思っています。

 例えばキティのデザイナー山口裕子さんは元々すごく仲がいいので、「UT」用に書き下ろしていただきました。サンリオのルールを破るようなデザインをお願いしたんですが(マイメロをかぶったキティのグラフィック)、信頼してもらえているのかすごくいいものが送られてきました。コカ・コーラだとエクスクルーシブなグラフィックを頂いたり、ディズニーに関しては直接数万にも及ぶアーカイブを見て、そこからピックアップしてアイテムに落とすという作業をしています。デザインチームも素晴らしいんですが、一度僕自身のフィルターを通っているのでありそうでなかったグラフィックを使えているというのは多々あると思います。

―NIGOが就任して新しく導入したコンテンツは?

 僕自身もコレクターとして集めている昔からある自転車メーカー「SCHWINN(シュウィン)」ですね。デザインも良いものがいっぱいあるんですよ。プリントTシャツに加えて、60〜70年代くらいに「SCHWINN」のBMXチームが着ていたユニフォームをアレンジして、切り替えのあるデザインのものを作りました。他には「グローバル」というキーワードから「シンプソンズ」も加わります。

 一方で「UT」が日本発のブランドであるということを大事にしていきたいので、ドメスティックなコンテンツも重要です。海外の人達は日本の良いもの、かっこいいものとしてユニクロを買っていると思うので。僕自身、「芸艸堂(うんそうどう)」(京都で明治24年に創業した日本で唯一の手木版和装本出版社)のTシャツはやっていて本当に面白かったです。様々な種類がある小さな木版から選んで、ボーダーを製作したんですが、これは結構新しくてありそうでないボーダー柄に仕上がったのでイチオシです。適度な和っぽさをだすために、スラブ素材を使ったのがすごくハマったなと思っています。

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左からサンリオ、SCHWINN、芸艸堂のTシャツ

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