Fashioninterview

【インタビュー】NIGOはユニクロ「UT」をどう変えるのか?

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―グラフィックはどうやって選ぶのでしょうか?

 それは感覚ですね。やっぱり「UT」のTシャツを作らないといけないので、「僕のブランドではない」ということも意識しています。僕がやっているんだけど、僕のコレクションであってはいけないので。

―デザインチームとの連携は?

 デザインチームには、製作する枚数が多いとはいえ、規定1500円のなかでクリエイションをしてもらわなければならない。僕は限られた枠の中でなければ、良いものは生まれないと考えています。今まで、もしかしたらみんなの中で「NO」だったものを僕は「YES」って言うこともあるだろうし、もちろんその逆もあると思います。今回はお互い上手く調和して最終噛み合ったコレクションに仕上がっていると思います。

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―柳井会長との関わりは?

 柳井さんとも定期的にミーティングをしています。いつも的確な意見を言って頂けるので、すごくやりやすいんです。全体の世界観を見ていただくのはこれからなので、ファーストコレクションに対して「合格」と言ってもらえるといいですね(笑)。

―パリやニューヨーク、ロンドンでの反応は?

 良かったと思います。パリでは「colette(コレット)」のオーナーSarah Colette(サラ・コレット)やデザイナーKarl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)が来てくれたんです。サラには「買い付けてコレットに置きたい」とすごく褒めてもらいましたね。あれだけ目のこえてる、影響力のある人に「置きたい」って言われると嬉しいです。

―1シーズン作ってみて、見えた課題は?

 型数も多いのでクリエイションにおいて「"こなし"を一緒にしない」とか、コンテンツも「他とどれだけ差別化できるか」ということを自分のなかではいつも意識しています。展開規模はグローバルなんですけど、「UT」エクスクルーシブのことをやっていくことは続けていきたいですし、「UTだから買いたい」と思ってもらいたいですね。

―日本の店頭に並ぶのは1月から。店舗もディレクションするのでしょうか?

 「UT」に関わるものは全てディレクションします。売場は置くモノが変わるので必然的に雰囲気や見え方は変わってくると思っています。僕はTシャツ1枚1枚のクリエイションだけではなく、このコレクションが売場に並んだ時のことを想定しなければいけないため、いろいろなバリエーションをいろいろなお客さんに向けて発信できる「UT」を感じてもらいたい。最初のコレクションということでいろんな意味で緊張していますが、銀座のUTのフロアに商品が並ぶのがとても楽しみです。

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―NIGOが考えるベストなTシャツとは?

 ラグジュアリーブランドもTシャツを作っていますが、必ずしもすごく良い細い糸で凹凸がなくフラットなものが良いのかと言うと僕は違うと思っています。Tシャツの本来持つ良さって、ちょっと荒めの糸で皮膚とTシャツの間に隙間があって、通気性も良い。そういう所なんですよね。あとは、着ていく事によって馴染んでいくというのもTシャツのかっこよさ。もちろんそれを「あ、形がゆがんだ」と思っちゃう人もいるとは思うんですけどね。

―自分のブランドをやりたいとは思わないのでしょうか??

 僕は今、新しく自分のブランドをやることに正直全然興味がない。だから「UT」をはじめとしたプロジェクトに関わることができるのはとても面白いです。自力では絶対にここまでグローバルにはなれないですからね。海外に行くとしても「UT」のディレクターとして行くのは、気分やみんなの捉え方も違う。僕の就任をみんな喜んでくれていて、大きなサプライズになったんだなと海外に行って実感しました。力を発揮できるといいなと思っています。

―最後に、NIGOがディレクションする新しい「UT」の展望は?

 僕自身、「UT」の基本的な部分を変えていこうという気持ちはありません。「UT」のなかには僕が今まで触れたことのないような素材で作っているものもあります。素材だけではなく、形を見直したり、リブを見直したり、本当に色々とできたし、これからもできると思う。「UT」は世界中の人が見るもの・着るものだと思うので、僕はただ良いものを作っていきたいです。

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NIGO(ニゴー)
1993年に「A BATHING APE(R)」を立ち上げ。現在は「A BATHING APE(R)」のクリエーションからは離れ、自身のブランド「HUMAN MADE」のディレクションの他、カレーショップ「CURRY UP(R)」、ヒップホップグループ「TERIYAKI BOYZ(R)」のプロデューサーを務める。2014年春夏コレクションよりユニクロ「UT」ブランドとして初のクリエイティブ・ディレクターに就任。

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