リトゥンアフターワーズ「After All」フィナーレの様子
Image by: FASHIONSNAP.COM

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リトゥン2年ぶりのショーで放浪する魔女が行進 「After All」と「ノマド」 を描く

リトゥンアフターワーズ「After All」フィナーレの様子
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 「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)(以下、リトゥン)」の約2年ぶりのショーが上野恩賜公園・噴水広場で行われた。今回は、2019年春夏シーズンから新たなストーリーとして発表されていた三部作「For witches」コレクションの最終章「Anxious Witches」を落とし込んだコレクションで、ショーのメインテーマは「After All」。「自分たちのファッションを最も統合して発信できるもの」とショーに対しての考えを述べる山縣は、裏テーマに「ノマド(遊牧・放浪)」を潜ませ、ファッションで問いかけた。

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 山縣がディレクターとして参加するアートイベント「UENOYES2019 "FLOATING NOMAD"」の総合プロデューサー日比野克彦氏からの提案で実現したショーの裏テーマに設定したのは「ノマド(遊牧・放浪)」。世界が統合に躍起になる一方で、移民や差別など分裂が露呈しているのが現代だと捉え、その中で己があるべき場所を転々としながら流浪する人たちが、土地と土地、人と人を繋いでいるのではないかと考えたという。「世界の統合の結果、現在はどうなのか」の意味を込めたメインテーマのAfter Allとイメージを重ねた。

 魔女を題材にした三部作の最終章となる今回の冒頭は、歴史的に差別を受けてきた魔女が苦難の道を歩む様を連想させる演出でスタート。流れ行く者のインスピレーションをベースとしたルックをショーの前半に持ってきたことについては「移民や魔女に対する差別(=分裂)、世界の争いごとなどの社会的な側面」が滲み出た結果だという。中盤以降はダークな冒頭と一変し、魔女シリーズ以前の多幸感溢れるカラーパレットが続くところに、裏テーマである移り変わりを感じさせる構成になっている。

 特に目を引いたのは、手描きのブロックチェック柄をあしらったブラウスやスカート、ワンピースのほか、不安で涙を流す魔女の顔を刺繍したトップス、Anxious(=不安・気掛かり)から連想したという精神科医ジークムント・フロイト(Sigmund Freud)を表現したニットなど。魔女のとんがり帽子や、顔を隠すほど巨大な綿入りの帽子、フレームでリボンのモチーフを象ったヘッドピースといったコレクションピースの使い方が、よりアイテムの個性を光らせた。ショーのところどころには、綿は雲、ボロ素材は移ろいの様子をそれぞれ表現したという着ぐるみが登場。足早に進むモデルたちに追い抜かれながらも、自分のペースでランウェイを歩く様子が放浪を思わせた。

 フィナーレでは放浪民たちの大移動のように、モデル全員がギリギリで抱えられる大きな袋やバッグ、リュックを持ち、郷愁を誘う「イムジン河」の歌に乗せて噴水の中に敷いたランウェイを闊歩した。ショーを終え、昨今話題に上げられているファッションショーを開催する意義について問われると「服、会場、モデルのウォーキング、音楽、ライティングなど、全ての要素でリトゥンアフターワーズを発信できるメディアとして、これまでと同じように今後もショーを開催する」と答えた山縣。流れ変わるものを変わらないスタンスで描き出し、最終章となる今回も見る側に問いかけるショーとなった。

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