1945年、イタリアで創業したラグジュアリーメンズブランド。仕立て屋のナザレノ・フォンティコリと、彼のビジネスパートナーであるガエターノ・サヴィーニがローマで設立。厳選した最高級の生地を使い、イタリアの伝統的なテーラリングを駆使したエレガントな既製スーツが、富裕層、セレブ、ビジネスマンなどに人気。軽素材を使ったフィットの良さにも定評があり、現在のイタリアンスーツのルーツとも言われている。「プラダ（PRADA）」出身のクリスティーナ・オルティスや「ヌメロ ヴェントゥーノ（N°21）」のアレッサンドロ・デラクアなどがクリエイティブ・ディレクターを歴任。映画「007」シリーズの衣装提供で話題になり、1995年のピアース・ブロスナン、2006年のダニエル・クレイグが演じるジェームス・ボンドが「ブリオーニ」の端正なブラックスーツに身を包んだ。

「ブリオーニ（Brioni）」2021年春夏コレクション

- CHARACTERISTIC ITEM -

「ブリオーニ」を象徴するアイテムは、フォーマルスーツ

　シグネチャーアイテムは、体にぴったりと寄り添いつつ動きを妨げない、洗練された上質なテーラードスーツ。テーラーが1点ずつ丁寧にハンドメイドで仕立てている。1着のスーツを完成させるのに220人以上の職人が関わり、それぞれが特定の1つの作業を行う。見えない部分まで細部に施された、手の込んだステッチワークも特徴。既製スーツのほか、オーダーメードのビスポークスーツ、スーツやネクタイ、シューズ、アウターなどのパターンオーダーサービス「メイド・トゥ・オーダー」も行なっている。

- PERSON -

ブラッド・ピットがブランドアンバサダーに就任

　ブランド創立75周年を記念して2019年、俳優のブラッド・ピット（Brad Pitt）をブランドアンバサダーに起用。これまでにもピットはレッドカーペットイベントに幾度となくブリオーニを着用しており、ブランドとの関係を築いてきた。ピットが悲願のオスカーを初受賞した第92回アカデミー賞では、ビスポークのベルベットジャケットのタキシードに身を包んで登場。21年、初めて協業したカプセルコレクション「BP Signature」をリリース。ブラックやグレーといった落ち着いたカラーを使ったシックなスーツやニット、フォーマルウエア、イブニングウエアを提案した。

- SHOP -

「ブリオーニ」の世界観とサービスを堪能できるのは、銀座の旗艦店

　世界に48店舗を展開し、国内は東京、名古屋、大阪、福岡に8店舗を構える（2021年現在）。フラッグシップは2002年、アジア初の旗艦店として銀座にオープンした「ブリオーニ 銀座店」（2010年に銀座6丁目に移転）。2層構造の路面店で、ビジネスやフォーマル、カジュアル、ウィメンズも含めたフルコレクションを取り扱う。ビスポークサービスを受けられるテーラールームにも注目。

- COLLECTION -

2021-22年秋冬コレクションの特徴

　創立75周年を迎え、新たなチャプターに入った2021-22年秋冬コレクションは、明るく希望に満ちた装いへのアプローチを模索。「ブリオーニ」ならではの気品や威厳の漂うラグジュアリーなフォーマルウエアからウィークエンドウエアまで、カシミヤやシルク、レザーなどの柔らかくしなやかな高級素材をふんだんに使って表現。テーラード仕立てのコートにデニムジャケットを重ねたり、セットアップをキルティング素材でライトに仕立てたりと、軽やかで柔軟な解釈によって、日常の装いをよりいっそうパーソナルに楽しめる世界観に仕上げている。見た目にも軽い繊細なアイテムを重ねた洗練のレイヤードが目を引く。カラーはグレーやブラウンのグラデーションに、ティールブルーの差し色を加えてモダンな印象を強めた。

「ブリオーニ（Brioni）」2021年秋冬コレクション。