1914年に、創業者のジャン・パトゥ(Jean Patou)が立ち上げたクチュールメゾン。現在は、元「ニナ リッチ(NINA RICCI)」「カルヴェン(CARVEN)」のギョーム・アンリがアーティスティックディレクターを務める。クチュールライクでロマンチックなデザインが特徴。
PATOUのコレクション
ギョーム・アンリ
Guillaume Henry
1978年生まれ。パリの美術学校エコール・デュペレおよびインスティテュートフランセデラモード(IFM)を卒業後、「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「ポール カ(Paule Ka)」で経験を積む。2009年に30歳の若さで「カルヴェン」のアーティスティックディレクターに就任し、2010年春夏から2015年春夏までプレタ・ポルテラインを手掛ける。2015年1月に「ニナ リッチ」のクリエイティブディレクターに就任し、2015年秋冬から2018年秋冬までコレクションを手掛ける。2018年に「パトゥ」のアーティスティックディレクターに就任する。
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目次
ビッグネーム揃いの歴代デザイナー
「ジャン・パトゥ」は1914年に、創業者自らの名を配したクチュールメゾンとしてスタート。コルセットのないドレスや丈を短くしたスカートなど、“女性を解放する”シルエットと一歩先のトレンドを掴んだデザインで、主に1920年代のパリの社交界を魅了する。
1936年、ジャン・パトゥが脳卒中で死去した後は、「ディオール(DIOR)」の3代目デザイナーとしても活躍したマルク・ボアン(Marc Bohan)や若き日のカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が、ヘッドデザイナーに就任。さらにジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)は「ジャン・パトゥ」でキャリアをスタートし、1980年代にはクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)がメゾンの黄金期を作り上げるなど、名立たるデザイナーが携わる。ラクロワが自身のブランドを立ち上げた後、1987年から一時ブランドをクローズする。
ギョーム・アンリにより、ウィメンズ服が復活
PATOU 2020SSコレクション
ギョーム・アンリが手掛けた初コレクション
「ジャン・パトゥ」は、32年にわたる休止を経て、2018年にLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン グループが買収。ブランド名を「パトゥ」に改名する。ウィメンズ プレタ・ポルテラインのアーティスティックディレクターにギョーム・アンリを使命。2020年春夏から彼が手掛けるコレクションを発表している。
ロマンチック×クチュールライクなシャツやコート
PATOU 2021AW パリコレクション
新生「パトゥ」の強みは、ギョーム・アンリが得意とするロマンチック&ガーリーなムードとクチュールの要素をミックスしたデザインだ。特にラッフル使いやパフスリーブなど、生地を贅沢に使用したシャツは、ファーストシーズンから継続して打ち出しているアイコンアイテム。さたに、「PATOU」のロゴを大胆に配したアイテムも多く揃う。
ブランド再スタートのきっかけとなった名香「Joy」
「ジャン・パトゥ」は1930年に、バラやジャスミンなどの花のエキスをふんだんに使用した名香「Joy」を発表。ブランド休止中もフレグランスは販売され続ける。「ジャン・パトゥ」は2001年にプロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)の傘下に入るが、2011年にイギリスのグループ企業であるデザイナー パルファンが買収。同社が「ジャン・パトゥ」の服飾部門を立て直すために、2018年にLVMHと戦略的契約を締結。新生「パトゥ」としてリスタートさせたという背景がある。
取扱店舗は、ギンザシックスやイザなど
「パトゥ」のコレクションを販売するのは、ギンザシックスやセレクトショップのイザ(IZA)、阪急うめだ本店3階のD.エディットなど。特にギンザシックスの「パトゥ」は、国内初の常設店としてアイテムをフルラインナップする。
22年春夏は、日常で楽しむクチュール
ギョーム・アンリが手掛けて5シーズン目となる2022年春夏は、スポーツとクチュールの要素をミックス。フリルやドレープ、パフスリーブなどのアイコニックなディテールはそのままに、スウェットやハット、大振りなゴールドのアクセサリーなどと合わせることで、カジュアルダウンのミックスコーディネートを提案した。創業者ジャン・パトゥが、かつてテニスプレイヤーのスザンヌ・ランランをミューズにしたように、今季はスコートやサンバイザーをモダンにアップデートしたようなアイテムも登場。セットアップの柄やコートのバックスタイルには、クリスティアン・ベラール(Christian Berard)とギュスターヴ・モロー(Gustave Moreau)の絵画を用いた。
主要年表:
【2021年】
ギョーム・アンリが、LVMHが運営する高級ホテルメゾン「シュヴァル ブラン(Cheval Blanc)」初の都市型ホテル「シュヴァル・ブラン パリ」のチームユニフォームを手掛ける。
ギンザ シックスに国内初の常設店をオープン。
【2020年】
「ルコックスポルティフ(le coq sportif)」が「パトゥ」とのコラボシューズ第1弾を6月に、第2弾を11月に発表。
日本初のポップアップショップを伊勢丹新宿店にオープン。
インポーターのグルッポタナカが、「パトゥ」の国内販売権を取得。
【1954年】
アーティスティックディレクターにマルク・ボアンが就任。
【1936年】
ジャン・パトゥが脳卒中により死去し、姉のマドレーヌ・パトゥと夫レイモン・バルバスが経営を引き継ぐ。
【1914年】
創業者の名を冠したクチュールメゾン「ジャン パトゥ」をオープン。
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