2大都市からみるイスラエルのファッション事情【後編:テルアビブ】

シェンカー大学の校舎 Photo by: FASHIONSNAP

 中東の地中海に面するイスラエル。前半では聖地・エルサレムを起点に、イスラエルならではの観光地を巡ってきました。次に向かう都市はイスラエル第2の都市で今回の旅の目的地でもある「テルアビブ(Tel Aviv)」。後編では、今回の旅のメインイベントでもあるテルアビブで行われたファッションウィークの様子を交え、現地のファッションやカルチャーシーンなどをレポートします。

前編>>2大都市からみるイスラエルのファッション事情【前編:エルサレム】

イスラエルの世界都市「テルアビブ」

 地中海に面したテルアビブは、人口約40万人の世界都市です。イスラエルの経済の中心であり、カルチャー発信地としてファッションやアートが盛んな街でもあります。俳優の森山未來さんが、文化庁の文化交流使として現地のダンスカンパニーに2013年から1年間留学していた場所として知っている人もいるかもしれません。

 一年を通じて温暖で晴れの日が多く、ビーチではジョギングやビーチバレーを楽しむ地元民の姿が多く見られました。

islael-20170313_011.jpgislael-20170313_013.jpgislael-20170313_012.jpg 宗教色が強いエルサレムと比べると、車で約1時間の距離とは思えないほど、開放的な雰囲気を肌で感じることができます。テルアビブは、ゲイコミュニティーに寛容な都市という側面も。ボヘミアンな旧市街「ヤッファ」のほか、高層ビルが並ぶビジネス街、ショッピングモールやブティックなどが密集するエリアなど、活気が溢れています。

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israel-20170313_067.jpgislael-20170316_033.jpgislael-20170316_031.jpg エルサレムと街の人のファッションも異なり、ここでは正統派の装いやキッパを着用している人は少なく、女性も男性も自由なスタイルを楽しんでいるようです。特にこの時期はイスラエルでハロウィンに当たる「プリム」と呼ばれるユダヤ教の祭事が開催される週ということもあり、仮装した多くの若者に出くわしました。

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イスラエルファッションの最前線

 4日間に渡って行われたファッションウィークの会場となったのは、オープンを間近に控えた巨大ショッピングモールです。「ザラ(ZARA)」「H&M」「マイケルコース(MICHEAL KORS)」「ロンシャン(LONGCHAMP)」のほか、イスラエル初上陸となった「コス(COS)」など約300店舗が入居。会場にはヨーロッパを中心に海外メディア50人以上が招聘され、地元のメディアやゲストなどで賑わいます。

 


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 今回で5回目を迎えるファッションウィークでは、国内を拠点に長きに渡り活動しているベテランデザイナーや老舗ブランド、イヴニングウエアやブライダル、ジュエリーブランドなどイスラエルのマーケットで一定のニーズがあるカテゴリーのブランドのほか、新進デザイナーや学生ら若手ブランドなど約20のショーやインスタレーションが発表されました。

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 特に注目度が高かったのが、地元のファッション大学シェンカー工学芸術大学(以下、シェンカー大学)の学生によるショーです。ショーでは、2年と3年次の学生によるプロジェクトが発表されました。

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 また主催者が支援する若手デザイナーの合同ショーも開催。多くのデザイナーがシェンカー大学を卒業後に立ち上げたブランドで、学生たちの自由奔放なデザインに比べると、実際に着ることを意識し、世の中のトレンドも加味したリアリティがあります。特にバイヤーたちの関心が高かったのが、夫婦デザイナーが手掛け、ストリートの要素をデザインに落とし込んだ「HOLLYLAND」です。



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 シェンカー大卒の3人組が手掛ける「TRES」は、イスラエルの若い女性層からも人気のブランドです。エフォートレスなシルエットが特徴。

 

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 また単独でショーを行った「MASKIT」は、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズ卒で「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」で経験を積んだ後、故郷のイスラエルに戻った女性デザイナーのSharon Talが、かつて60年年代〜70年代に国内外で人気を博したアトリエをリブランディグしたブランド。アーカイブを現代的に再構築したデザインで、フィナーレでは地元のオーディエンスからひと際大きな拍手と歓声が会場を包みました。

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