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文句を言う人ほど出世する?ダブルエー社長が語る成長の秘訣

《連載 これからの幸せのかたち・ファッションビジネスが続くために ダブルエー㊦》「提案できる人」を信頼 伸び伸び挑戦できる環境作る

婦人靴市場はこの15年、アパレル企業などの新規参入が相次ぎ、厳しさも増している。その中で、社員の平均年齢が28歳を切るダブルエーが直営店を拡大、100億円企業に成長した要因は、能力ある人材が伸び伸びと挑戦できる環境にある。

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◆文句を言う人ほど

「やる気のある人にやってもらうだけ。会社のためを考えて、提案できる人を活用する」。肖俊偉社長は明快だ。入社は販売のアルバイトからが条件だが、社員登用試験を受けるか、マネジャーの推薦があれば、最短で3カ月で正社員として働くことができる。その後は意欲と能力次第。創業当時にアルバイトから入った取締役の新井康代ブランドディレクターは、21歳で店長を務め、22歳の時には企画担当として中国出張へ。「新しい発見をしてこい」と素材やパーツ選びを一任されたという。

責任ある仕事を任せる上で、年齢や勤続年数の序列はない。店舗運営のシニアマネジャーの坂本佳津江さんは20歳で入社し、試験を受けて広島の直営店で社員として勤務、1年後には副店長を飛び越して店長に起用された。同じ店には30歳前後の先輩も存在し、「年上の方に指示を出すのは抵抗もあった。でも、一生懸命に取り組んでいると周りもついてきてくれ、やれるんだと自信もついた」。

若くても自律性を持って仕事に向き合うためのサポート体制も整える。本社では年2回の全社員研修のほか、4半期ごとの店長会、年2回の副店長会を行う。同じ立場で抱える悩みを共有し、働きやすい職場環境へと改善策を見つけ出す場でもある。直営店の数は80を超えても、人材育成に投資は惜しまない。

そこで肖社長が着目するのは「文句を言う人」。社長の話の後の質問タイムは、誰もが自由に意見でき、時間内には終わらないぐらい挙手が多い。自分ならこうしたいと言える積極性を尊重し、「当社は文句を言う人ほど偉くなる」。現状に満足していては、変化の激しいファッション業界を勝ち抜けない。「日々変わる消費者の志向に対応するには、若い世代の意見に耳を傾けないと」。物作りに関しても「うちの木型が合わないという新入社員の存在が大事」という。

◆誰もが主役に

個人売りや店舗売りのインセンティブも充実させているが、数字の評価にとらわれず、誰もが主役になれるチャンスを作り、一人ひとりの可能性を見いだす。

年1回のデザイン画のコンクールでは、最優秀賞の作品を商品化している。今夏は、ファッションコーディネートアプリを使った社内コンテストを始めた。ECの販売促進も兼ねているが、自らのスタイリング写真をアップし、一般の人からの評価も加われば、接客の仕事に対するモチベーションも上がる。勤続年数に関係なく、若さを生かして活躍できるステージを作ること、そこにダブルエーの強さがある。

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今夏からコーディネートアプリを活用して社内コンテストも実施している

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年間伸び率1位の店舗には東京ディズニーリゾートの宿泊旅行をプレゼント。全員が行けるように本社スタッフが店番する