Fumitoshi Goto

ウォルマート、ネット注文した商品を店舗で受け取る自販機を500店に追加導入

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

在米28年のアメリカン流通コンサルタント

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■ウォルマートは5日、ネット注文した商品を店舗で受け取るピックアップ専用の自販機「ピックアップタワー(Pickup Tower)」を500店に追加導入することを発表した。ピックアップタワーは高さ16フィート(約5メートル)幅8フィート(2.4メートル)で、最大300箱(箱の大きさは60cmx40㎝x40㎝まで)の注文品の保有が可能。ネット注文時にピックアップタワーでの受け取りを選択すると、ピックアップ専用のバーコードが届く。操作はピックアップタワーに近づくと、操作パネルがオープンし、送られてきたバーコードをかざすと5~10秒で注文品が出てくる仕組みだ。ウォルマートは昨年からピックアップタワーの導入を開始、ウォルマート・スーパーセンターなど200ヵ所にすでに導入している。ニューヨーク・マンハッタンから近距離にあるニュージャージー州セコーカスにあるウォルマート・スーパーセンターなど、一部の店舗では需要の多さからピックアップタワーを2台導入している事例もあるほど。ウォルマートによると、ピックアップタワーの利用件数が50万件以上に上ったことで、今年末までに500店舗に追加導入することを決めたという。700店でピックアップタワーが展開されると、アメリカ人の約40%が利用可能となる。また一部にはピックアップタワーと一緒に「ピックアップ・ロッカー(Pickup Locker)」も導入する。ピックアップ・ロッカーはサイズ的にピックアップタワーが収納できない、比較的大きな注文品を扱う。

アメリカの宅配では受け手が不在の場合、玄関などドアの前に置きっぱなしとなる置き配が一般的だ。一方、保険の見積もりを行うインシュランスクォーツ(InsuranceQuotes)のレポートでは、アメリカで2,300万人が宅配盗難の被害にあった報告しており、包装メーカーのショア・パッケージング(Shorr Packaging)の調査でもオンライン買い物客の31%が置き配などで盗難被害に遭った経験があるとしている。玄関に置き配された宅配物を盗む「ポーチ・パイレーツ(Porch Pirates:ポーチとは玄関の意味で『玄関盗賊』)」の言葉まで生まれているほど深刻な問題となっているのだ。したがってネット注文した商品をリアル店舗で直接受け取るストアピックアップの需要が増している。またウォルマート・スーパーセンターは通常、24時間営業となっていることもストアピックアップの利用者が多くなる要因となる。ウォルマート側にとっても、宅配よりコストがかからず、ピックアップと同時に利用者がお店で買い物をすることもあり集客メリットにもつながっている。注文品を自動で取り出すピックアップタワーでは、人件費がかからず、待ち時間もないため、さらにウィン・ウィンなのだ。5メートル以上の高さなど、スペースさえ確保できるならピックアップタワーを全店に導入したいのだ。
ウォルマートに限らずボピスを進めるチェーンストアは、ロッカーなどの導入が加速する。

トップ画像:当社が行っているIT&オムニチャネル・ワークショップ。クライアントの参加者にネット注文した商品をピックアップタワーでピックアップしてもらった。バーコードをかざして数秒でピックアップできたことで、参加者から感動の声が漏れたほどだ。

ピックアップタワーの利用方法。ステップ1でネット注文。ステップ2でピックアップ準備OKの通知でウォルマートに行く。ステップ3で送られてきたバーコードを操作パネルにかざすと数秒程度で注文品のピックアップとなる。ウォルマートはピックアップタワーを今年末までに500店舗に追加導入する一方、一部に「ピックアップ・ロッカー(Pickup Locker)」も一緒に導入する。以下の画像にあるようにピックアップ・ロッカーはサイズ的にピックアップタワーが収納できない、比較的大きな注文品を扱う。

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ピックアップ・ロッカーは、家電品や調理家電などより大きなサイズの注文品用となる。ピックアップ・タワーと同じようにオレンジ色で目立っており、ピックアップで利用者が迷うことはない。

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こちらはピックアップ・タワーほど高さを取らない新バージョンだ。ピックアップタワーを全店に導入したいウォルマートはピックアップ・タワー&ロッカーのさらなる改良・進化版を導入する。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当社オムニチャネル・ワークショップでピックアップタワーでのピックアップ実演も行っています。参加者に女性がいる場合、女性にピックアップしてもらっています。注文品の中身は私の下着です(笑)。自分のパンツを女性にとらせてニヤニヤしたいわけではなく(そんな変態はいないでしょうが...)、下着ならいくらでもオーダーできますから。で、機械オンチな女性でさえも自動ピックアップ装置を簡単に操作できることを強調するために女性にお願いしています。ピックアップタワーに近づくと操作パネルが自動的にオープンします。スクリーンにある指示に従って、メール通知のバーコードをかざすだけですから、女性も迷うことはありません。さらに数秒で注文品が目の前に現れますから「何か手順を間違ったかな?」と不安に思うスキさえ与えないのです。ネット注文ストアピックアップのボピスで肝要なことは、利用者を迷わせないことです。派手なオレンジ色もその理由からですね。
ウォルマートは新規出店を控え、店舗改装を行う計画ですが、一部にピックアップタワー&ロッカー仕様の店舗になりますね。

後藤文俊

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