明けましておめでとうございます。2021年もファッションテックの最前線の情報を追い、ファッション×テクノロジーの可能性をお届けしていきたいと思います。2021年も最初の配信は、編集部が今年注目しているファッションテックの動向を紹介しながら、トレンドを予測してみます!
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デジタルファッションショーはさらに多様化へ。
>>リアルタイムの3DCG合成技術によるバーチャルファッションショー「Tokyo Virtual Runway Live」
2020年はコロナ禍の影響下のなか、展示会やショーのデジタル化が押し進められました。リアルな場でのイベントができない状況で何をするか?というところで進められたデジタルな取り組みも、結果的には、これまでのやり方で抱えていた課題解決の手段としての価値が見出され、新しい可能性を開拓することとなりました。
ファッションショーなどのプレゼンテーションは、引き続きデジタル化が継続される可能性も大いにあるでしょう。3DCGの技術も日々進化しているなか、デザイナーはデジタルで発表することを前提としたコレクション制作に取り組んだり、ライブコマースと掛け合わされたりなど、多様な展開が期待されます。
サステナビリティは一時的なトレンドではなく、業界全体で取り組む課題となっています。日本は2050年までにカーボンニュートラル達成を目指すことを宣言。今年も多くの企業、ブランドが様々な施策に取り組むことが期待されます。
こうしたサステナブルな取り組みとして、システム改革だけでなく、素材開発でもさらに多様なアプローチが登場しそうです。バイオファッションにも引き続き、注目していきたいと思います。
>>英国アパレルメーカーによる、植物から作られた完全再利用のTシャツ「Plant and Algae T Shirt」
>>PANGAIAの徹底的なビーガンテクノロジーによる花びらダウン「FLWRDWN™」
>>Allbirdsからアパレルラインが誕生!「ちょうど良い何も無さ」というサステナブルな思想を学ぶ
1人1体アバターを持つ時代へ?
長らくファッションテックの注目トピックであるバーチャルフィッティング。店舗で体験できる機会は増えている一方で、ECサイト上で個人ユーザーも使えるようになるのは、まだ実現していません。
しかし、3Dスキャン技術や機器も進化を続けており、パーソナルオーダーサービスのために店舗にスキャナーが導入される事例も増えてきました。そうすると期待されるのが、ECサイトやブランドの垣根を超えて使える汎用的アバターサービスの出現。
1人1対、ECでの試着用アバターを持つ日が来るかもしれません。また、バーチャルヒューマンの進化も目覚しく、有名人バーチャルヒューマンが増えることで、「分身」を作ることがより身近なものへと定着していくのかもしれません。
>>有名人の「分身」も実現、さらには人生1000年も可能に?バーチャルヒューマンの描く未来(前編)
ウェアラブルデバイスは他業種との協業で普及へ。
ウェアラブルデバイスは一般普及を目指すため、ニーズを探っていくフェーズが続いていました。防寒や熱中症対策、スマートフォンの操作などの機能を持ち、一般ユーザーが購入できるものも増えてきました。
現在の潮流は、通常のファッションアイテムの代替を目指すよりも、他業種と協業して新たな可能性を探ること。特にゲームとの掛け合わせは、VRゲームも普及するなかで大きな可能性がありそうです。
>>現実とゲームの世界をつなぐ「adidas GMR」。スポーツとテックが融合した新たな体験
衣服を介して心拍数や体温などのデータを把握したところで、一般ユーザーがそれを健康維持に活用することは難しいでしょう。そのため、取得データから健康をサポートするようなサービスと掛け合わせて展開していく必要があります。そのため、睡眠や予防医療といった方向から、様々なサービスが登場するかもしれません。
>>Xenomaが示すスマートアパレルの未来、CES 2020で一般消費者向けプロダクトを発表(前編)
また、福祉領域での活用も大きな可能性を秘めています。見守りサービスとして、高齢者や乳幼児向けのプロダクトや、マタニティサービスなどにも展開が期待できそうです。
>>世界初、事前に転倒を予測できるスマートベルト「WELT PRO」、日常に溶け込むデザインとは
ファクトリーテックの加速へ
コロナ禍の状況下では、生産拠点の見直しや効率化が課題となりました。そうした中で、新たな製造工場管理システムが登場しています。
>>小ロット多品種化と生産効率化を目指す「デジタルコンシェルジュ」の製造工場管理システム
また、縫製機器の進化も目覚しく、AIと掛け合わせて自動化や効率化が進んでいます。そうすることで、迅速に生産に対応することが可能となり、受注生産型のサービス、マイクロファクトリー併設店舗のようなものも加速していくかもしれません。
>>世界初!3Dプリントxファッションxコミュニティを掛け合わせた新サービスに注目(前編)
二次流通の増加でAI鑑定士の需要が高まる?
ライフスタイルの変化や価値観の変化に伴って、拡大している二次流通市場。そこで、買取査定へのAI導入が進んでいます。現在はブランド品の鑑定からスタートしていますが、商品情報のデータネットワークと結びついていくことで、より幅広く使われることが期待できるでしょう。
2021年のFashionTechNews
いかがでしたか?2021年はどんなサービスや製品が登場するか、楽しみですね。今年のFashionTechNewsは、こういったサービスや製品、研究を紹介していきながら、それらがファッションの未来をどう形作っていくか、考え、議論する場となることを目指し、色々な企画をお届けしていきます。ぜひ、ご期待ください。
2021年も、FashionTechNewsをよろしくお願い致します。
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