小泉智貴 Shot by Tim Walker
2021年度「第39回毎日ファッション大賞」の各受賞者が発表された。大賞は「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」のデザイナー小泉智貴、新人賞・資生堂奨励賞は「シーエフシーエル(CFCL)」のデザイナー高橋悠介、鯨岡阿美子賞は「ここのがっこう」、話題賞はスノーピーク、ファッション文化特別賞は故・高田賢三が受賞した。表彰式は10月25日にEBiS303で開催を予定している。
小泉は1988年生まれ。国内アーティストなどの衣装デザインを手掛けていたところ、大御所スタイリストのケイティ・グランド(Katie Grand)に見出されたことがきっかけで、2019年秋冬シーズンのニューヨークファッションウィークでデビュー。ニューヨークではほぼ無名デザイナーだったが、カラフルでボリュームのあるドレスに加えて、ショーをサポートしたモデルやスタッフの豪華さも注目を集め、SNSなどで大きな反響を呼んだ。2020年にはファッションコンテスト「LVMH Young Fashion Designers Prize(以下、LVMHプライズ)」のファイナリストに選出。これまでに「サカイ(sacai)」や「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」、「フレッド(FRED)」などのブランドとコラボレーションアイテムを展開してきたほか、「ヴォーグ(VOGUE)」の企画において「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」のクリエイティブディレクター ジョン・ガリアーノ(John Galliano)とアップサイクル作品を作り上げた。また、今年7月に開催された東京オリンピックの開会式では、国歌独唱を担当した歌手 MISIAがトモ コイズミのドレスを着用。ラッフルをふんだんに使用した色鮮やかな装いに注目が集まった。
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シーエフシーエルを手掛ける高橋は、2013年に当時27歳で「イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)」のデザイナーに抜擢。約6年半にわたり同職を務め、昨年2月には約10年間在籍した三宅デザイン事務所を退社。2021年春夏シーズンにシーエフシーエルを立ち上げた。
「ここのがっこう」はファッションの本質を学ぶ学校として、2008年に「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」デザイナーの山縣良和によって設立。受講者数は計1000人以上にのぼり、これまでに「コトハヨコザワ(kotohayokozawa)」のデザイナー横澤琴葉や「ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)」のデザイナー吉田圭佑など多くのファッションデザイナーを輩出している。
スノーピークは、創業家3代目の山井梨沙氏がアパレル事業を再興し、5年で年間売上高がおよそ20億円にまで成長。昨年3月には同氏が32歳の若さで社長に就任した。コロナ禍での3密を避けたレジャーとしてのキャンプ需要の拡大などを受けて、業績は好調に推移しており、8月16日には時価総額が初めて1000億円を突破した。
「ケンゾー(KENZO)」ブランドの創始者である高田氏は、1970年にパリでファッションショーを開き、最初に成功を収めた日本人デザイナーとして知られる。モード界に影響を与え続けた人物で、新型コロナウイルスに伴う合併症により昨年10月に死去した。
小泉智貴 Shot by Tim Walker
高橋悠介 ©️Yosuke Suzuki
スノーピーク「ライフバリューフィールド」
「ここのがっこう」授業風景 Photograph by yurika kono
高田賢三 ©MASARU MIZUSHIMA
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