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ワークマンが靴の専門店で攻勢 10年後に200店舗体制、売上高300億円目指す

靴が並ぶ店内の様子

WORKMAN Shoes なんばCITY店の内部

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WORKMAN Shoes なんばCITY店の内部

ワークマンが靴の専門店で攻勢 10年後に200店舗体制、売上高300億円目指す

靴が並ぶ店内の様子

WORKMAN Shoes なんばCITY店の内部

 ワークマンは4月1日、大阪の「なんばシティ」に靴専門店「ワークマンシューズ(WORKMAN Shoes)」1号店をオープンした。6月には東京都心の池袋サンシャインシティに2号店の出店を計画しており、新業態の店舗網拡大を進める。

◇一般靴が新たな成長の柱に

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 ワークマンは作業用の安全靴とスポーツ、カジュアル、アウトドアなどの一般靴の両方を販売しており、年間の売上高は作業靴が150億円、一般靴が100億円で合計250億円となっている。作業靴の売れ行きは比較的安定しているのに対して、後発の一般靴は2021年3月期までの3年間で毎年倍増ペースで伸び続け、2022年3月期ではさらに伸び、前年比40%増となった。

 これまで靴売り場は、「ワークマン」「ワークマンプラス(WORKMAN Plus)」「#ワークマン女子」の店内にコーナー展開されていたが、面積が狭すぎるため、新たな売り方を模索して靴専門店の出店に踏み切った。2023年3月期には一般靴の売上高を140~150億円にまで拡大し、靴業界6位の売上高に到達させたい考えだ。

◇ワークマンシューズ1号店はウィメンズ新作が充実

 なんばシティの#ワークマン女子店舗の向かいにオープンしたワークマンシューズの面積は122平方メートルで、既存の#ワークマン女子と合わせると518平方メートルの広さとなる。靴単体では初年度売上高2億5000万円を見込む。

 現在、靴は62アイテムを展開しており、土屋哲雄専務によると3年間ほどは東京、大阪の2店舗とプラスアルファの数店舗体制を維持し、靴を150アイテムまで増やした段階でワークマンシューズの路面出店を積極的に開始する考え。土屋専務は「アイテム数を拡大するためには商品開発が必要となる。売れ筋を見つけるためにも新型、新色などを数多く実験的に投入しなくてはならず、既存店内の靴コーナー展開では売り場面積が狭すぎるため、東京・大阪に広い単独店を出すことで、それを実現させたい。単独店で見つけた売れ筋情報を既存店の靴コーナーにフィードバックさせてより効率的な売り方を目指したい」と説明する。

 今回の出店にあたっての新商品は、ウィメンズのパンプス、バレエシューズ、グルカサンダル、レースアップシューズで、オフィスワークやスーツスタイルでの仕事にも活用できる自社開発商品。価格はパンプスが2480円、グルカサンダルやバレエシューズ、レースアップシューズが1680円で、フォーマルな見た目に反してソールとインソールのクッション性が高くなっており、足が疲れにくくなっている。

パンプスの売り場
レースアップシューズ

 また、本格的なランニングに向けて反発力のあるソール「バウンステック」にカーボン配合プレート「DRIVEN PLATE」を内蔵したランニングシューズ「アスレシューズ ハイバウンス オーバードライブ」(2900円)を新投入するともに、防水スニーカー(1900円)や妊婦向けの滑りにくいスニーカー「ファイングリップレディース」(1900円)も新製品として投入する。

ワークマンシューズの新作
ワークマンシューズの新作
ワークマンシューズの新作

カーボンプレート入り本格ランニングスニーカー

◇10年後に200店舗体制、売上高300億円を計画 国内第4位の売上規模達成目指す

 土屋哲雄専務は「ワークマン女子は現在12店舗だが、これを来年3月末までに27店舗にまで増やす」と意気込む。さらに「3年後に100店舗体制を実現するとともに、ワークマンシューズを年間10~20店舗のペースで出店したい」という。10年後にはワークマンシューズは200店舗で売上高300億円を計画するとともに、ワークマン、ワークマンプラス、#ワークマン女子の各店内の一般靴コーナーの売上高を300億円にまで高め、合計で600億円の売上高を目指す。土屋専務は「この600億円が達成できれば、ABCマート、チヨダ、ジーフットに次ぐ国内第4位の売上規模になる」と話す。

 この「国内第4位、600億円構想」の実現はワークマン製品の「低価格・高機能」というコンセプトを崩さなければ可能ではないかと思う。今回のウィメンズのパンプス類のようなジャンルやメンズのビジカジ兼用靴などの新分野を開発し、それを「低価格・高機能」というコンセプトに落とし込むことができれば、大手3社も含めた靴専門店のパイを奪う可能性は低くないだろう。

 また、土屋専務は「私がもうこの世にいないと思われる(笑)、20~30年後には、ワークマンという企業は女性アパレルの売上高2500億円、男性アパレルと作業服を合わせた売上高2000億円、靴の売上高600億円で合計5100億円規模の会社にすることを目指している」と壮大な計画を語った。

笑顔で取材に応じた土屋哲雄専務

土屋哲雄専務

ファッションライター

南 充浩

Mitsuhiro Minami

繊維業界新聞記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下までを担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

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