イル ビゾンテの定番商品
Image by: FASHIONSNAP
イタリア・フィレンツェ発の革製品ブランド「イル ビゾンテ(IL BISONTE)」が、若年層の獲得に成功している。その背景には、ルックホールディングス(以下、ルックHD)が親会社ビゾンテ イタリア ホールディングス(Bisonte Italia Holding S.r.l./以下、ビゾンテHD)の全株式を取得したことが要因の一つにある。ルックHD買収後の変化を探った。
イル ビゾンテは1970年に誕生。タンニン鞣しを施した良質なレザーを使った製品を展開し、ヨーロッパのほかにニューヨークやパリ、日本などにオンリーショップを出店している。
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ルックHDは1999年にイル ビゾンテの日本国内独占輸入販売を開始し、後に韓国での独占販売権も取得。2ヶ国で直営店やフランチャイズ契約店での小売事業、大手セレクトショップなどへの卸売り事業、EC事業を展開している。
ルックHDがビゾンテHDを完全子会社化したのは2019年6月。同グループ最大規模の収益事業に成長したイル ビゾンテを傘下に収めることで、安定的な運営を実現させる狙いがあった。
傘下に収めてから4年。経営体制が変わるとものづくりにも影響が及びがちだが、ルックとビゾンテHDの関係性は変わらず、生産体制もこれまでと同様に職人が手作業で一点ずつ手掛けている。狙い通り、イル ビゾンテの売上はコロナ禍も前年実績を割ることなく安定的に推移。「本国が生産をしっかり動かしてくれていたので、コロナ禍の推移においても伸ばすことができた」(ルック D.C.事業部 イル ビゾンテ企画課 宣伝・広報担当)。
商品企画でルック側のリクエストが通りやすくなったことも好調の要因の一つ。日本市場では小物や小型のバッグのニーズが伸びており、ラインナップを充実させた結果、ルミネなどの都心立地の出店戦略も相まって20代の顧客層の獲得に成功しているという。店舗によって客層が異なるため具体的な年代構成比は非開示としているが、イル ビゾンテ企画課 宣伝・広報担当はその手応えを語っている。
小型のバッグは3万円台で購入できるという価格帯もイル ビゾンテの強みだ。近年は原料高などの影響で値上げを避けられない状況が続くが、ルックは徹底したコスト管理で「手に取りやすいブランド」のポジションを確保。2023年秋冬コレクションでは、スマートフォンサイズのバッグや、スモールレザーグッズからキーケース2型などを新たに展開する。
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2022年には「イル ビゾンテ ジュエリー(IL BISONTE JEWELRY)」がデビュー。レザーグッズと同様にクラフトマンシップを重視し、味わい深い経年変化が楽しめるジュエリーブランドと位置付けている。男女問わず購入される傾向にあるが、認知に課題感が残るとし、今後は露出増を目指す。
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