2022年秋冬コレクションの新作が各ショップに続々と入荷しています。高感度なショップが今季注目しているブランドは? 伊勢丹新宿店メンズ館など8ショップに調査しました。
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目次
メンズコンテンポラリー(伊勢丹新宿店メンズ館)
伊勢丹新宿店メンズ館6階に構える自主編集売り場。独自のスタイルを究めたデザイナーやブランドによる等身大のライフスタイルやファッションを表現したゾーンと、「ミニマル&トラッド」「ワイルド&スポーツ」のスタイルをベースに最新最旬のファッションを編集したゾーンの2つで構成し、新たなトレンドファッションやライフスタイルを発信している。
注目ブランド:オマールアフリディ(Omar Afridi)
ロンドンを拠点に活動する日本人デザイナー市森天颯と菊田潤によるブランド。ブランドの前身となる「レオン・バラ(LEON BARA)」をリブランディングする形で2019年秋冬シーズンに始動した。ブランドコンセプトは「Inspired by Human Striving and Achievements」。2人のデザイナーの異なる視点を組み合わせ、原始的な創造性と近代の洗練された美意識をミックスした「プリミティブ・モード」の概念によって昇華したスタイルを提案している。
<担当者コメント>
2人の日本人ディレクターが率いるロンドンブランド「オマールアフリディ」は上質な素材を使用したイギリス製のアイテムが揃い、主張のある原色を使ったアイテムなど、同調圧力に負けないパワーを感じさせます。(伊勢丹新宿店 メンズ館 メンズコンテンポラリー バイヤー 國友崇裕)
ガラージュ D.エディット(阪急メンズ大阪)
阪急メンズ東京2階の自主編集売り場。「アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)」や「オールモストブラック(ALMOSTBLACK)」「コモリ(COMOLI)」「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(Children of the discordance)」など個性の際立つアイテムを国内外からセレクトしている。
注目ブランド:タム(Tamme)
「サカイ(sacai)」のメンズ部門でパタンナーを経験した玉田達也が2021年秋冬シーズンに設立。ブランド名「Tamme」は、性別を表す「homme」「femme」の共通文字とデザイナー自身の名前を掛け合わせた造語で、「ニュートラルな概念による創造と既存の更新」を根幹に据えている。
<担当者コメント>
ガラージュ D.エディットでは2022年春夏シーズンから展開。昨今のリラックスシルエットに物足りなさを感じる世代へご提案したいブランドで、「クラシックとモダンが融解する、気品ある現代ストリートの具現を目指す」というコンセプトのもと、特殊なカッティングと、洗練されたテーラリングの成せる技が絶妙なフィット感が魅力です。ミリタリー要素も織り交ぜられたカーゴパンツなどミニマルな印象で、ブランドミックスでも取り入れやすく、幅広い年代に◎。(阪急メンズ大阪 ガラージュ D.エディット 坂東圭祐)
アディッション アデライデ
「アデライデ」の姉妹店で、2002年に東京・表参道にオープン。「希少価値の追求、アートとの融合、ユニセックスとユーティリティ」をキーワードに、新しいムーブメントを作る独創的なブランドを提案し続けている。今年でオープン20周年を迎えた。
注目ブランド:ルー・ダン(LỰU ĐẠN)
「カイダン エディションズ(KWAIDAN EDITIONS)」の共同設立者であるベトナム系アメリカ人デザイナー、フン・ラー(Hung La)が今年立ち上げたばかりの新ブランド。ブランド名はベトナム語で「危険な男」を意味する。デザイナー自身が経験してきたアジア人としてのアイデンティティを模索した体験から、西洋の影響に対抗するアジア人の姿を描くことで、着る者のアイデンティティに誇りを見出し、新しい種類の男性像を形成していくことを目指している。
<担当者コメント>
暴走族のボンタンやギャングスターからインスピレーションを得たジャケットなど攻撃的なラインナップが揃っていますが、その背景に「バレンシアガ」や「セリーヌ」で経験を積み、そして自身の「カイダン エディションズ」で培ってきた確かなテーラリング技術が備わることで、怪しくも美しいアジアの男性像を描き出しています。この秋冬は国内の取り扱いが2店舗のみ。ジャケット10万円台~、パンツ3万円台~など、プライスレンジも魅力的です。(アディッション アデライデ店長 沼本博史)
リステア
2007年にフラッグシップストアを六本木・東京ミッドタウンにオープン。ブラックの巨大なコンテナをイメージしたミステリアスな外観デザインが特徴で、3フロア構成の店内ではメンズからウィメンズ、コスメ、アートまでエッジの効いたコレクションを幅広くラインナップ。近年はライフスタイル領域にも力を入れている。
注目ブランド:シーキングス(SEEKINGS)
「シーキングス」2ndコレクションより
Ye(カニエ・ウェスト)が率いるクリエイティブエージェンシー「DONDA」出身のクリエイター、マーク・シーキングス(Mark Seekings)が「パーフェクトなデニム」を求めてスタートしたニューレーベル。1年半かけて新しいフィット感を追求した素材を開発し、メイドインジャパンで生産している。デニムのほかにジャケットやTシャツ、フーディーも展開。
<担当者コメント>
マーク・シーキングスは、ヴァージル・アブローやマシュー・ウィリアムズをはじめ、数多くのスターを輩出してきたDONDA出身で、「イージー(YEEZY)」のアートディレクターなどを務めていたことでも知られていますが、実はそれ以前にはエディ・スリマンによる「ディオール オム(DIOR HOMME)」で働いていた経験もあります。メンズウェアを語る上で絶対に外せない2人、カニエ・ウエストとエディ・スリマンというある意味最強のバックグラウンドを持つ彼が手掛けるデニムは、程よいリラックス感がありつつミニマルな仕上がりで、ラグジュアリーデニムの系譜をおさえつつ、現代的なアップデートが施されています。弊社ではディオール オムやサンローラン、バルマン、アミリなど数々のラグジュアリーデニムを販売してきましたが、シーキングスは“NEXTデニム”になる可能性を秘めたレーベルではないかと注目しています。(リステア メンズウェアバイヤー 浅野康行)
ミッドウエスト
1976年創業。東京、名古屋、大阪の3つのエリアに店舗を出店し、世界的コレクションブランドからデザイナーズブランドまで幅広くラインナップしている。
注目ブランド:ダイリク(DAIRIKU)
1994年生まれの若手デザイナー、岡本大陸がバンタンデザイン研究所ファッションデザイン学科在籍中に立ち上げたブランド。2016年の「アジア ファッション コレクション」でグランプリを受賞したことがきっかけとなり、2017年2月にはニューヨークファッションウィークでランウェイデビューを果たした。ルーツやストーリーを感じさせるテーマ性のあるコレクションを発表している。
<担当者コメント>
27歳にして、現在のファッションシーンで既に地位を確立し始めています。象徴的だった初のショーでは、同世代からベテランまでを虜にするスター性も兼ね備えており、海外での活躍も期待です。またデザイナーがこだわるルック製作からブランドの有り様まで、世界観を創り出してファンを作るセンスが素晴らしいです。イチオシは、新型のKOREAN JACKETです。1950年頃の韓国のミリタリーウェアにアレンジを加えてモダンに仕上げたダイリクの強みが体感できる一着です。(ミッドウエスト プレス 大澤錬)
スーパー エー マーケット
トゥモローランドが運営するセレクトショップ。独自の価値観と美意識、時代感をもって、デザインや品質にこだわった商品を世界中から幅広く選定し提案している。2011年2月に1号店としてオープンした青山店のほか、ニュウマン新宿にも店舗を出店。
注目ブランド:マリナ イー(MARINA YEE)
アントワープ王立芸術アカデミー卒業生で、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)やアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)と並んで1980年代のファッションシーンの最前線で活躍した「アントワープ・シックス」の一人として知られるマリナ・イー(Marina Yee)。1988年の脱退以降はファッション以外の領域で活動し、ファッションの表舞台からは遠ざかっていたが、2018年に独自のプロジェクト「エムワイ・プロジェクト(M.Y. project)」を始動した。
<担当者コメント>
2020年秋冬シーズンに展開を始めて以来、ロングインタビューやスーパー エー マーケットの別注などを通じて深い関係性を築いてきたマリナ イー。その魅力は「普遍」と「アート」をツイストさせた、彼女にしかできない独特なバランスだと思います。インタビュー中でマリナ氏が語っていた「インディペンデント・デザイナーであることの美徳と魅力」に共感して頂き、シーズンを追うごとにファンが増えています。2022年秋冬は「M.Y. IMPER COAT」を含む別注第2弾のリリースも予定。ご期待ください。(スーパー エー マーケット メンズバイヤー 田辺雄一郎)
エイチ ビューティ&ユース
ユナイテッドアローズが展開する「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS)」のコンセプトストアで、2016年4月に南青山にオープン。コンセプトは「City Man and Woman」。「東京大人のクールな服」をテーマに掲げ、ハイエンドなスポーツ・カジュアルを軸にアイテムを提案している。
注目ブランド:カミエル フォートへンス(CAMIEL FORTGENS)
※投稿は2022年春夏コレクションのもの
オランダ・アムステルダム出身のデザイナー、カミエル・フォートヘンスがデザインアカデミーアイントホーフェン(Design Academy Eindhoven)卒業後に立ち上げたファッションブランド。社会規範や社会情勢にも目を向け、長く着られる素材を多用するなど、多様な視点から得たインスピレーションを落とし込んだ包括的なコレクションを発表している。
<担当者コメント>
オリジナリティのある型や素材を用いてユーモアのあるカッティングや色使いを取り入れながら、メンズウェアの伝統をしっかり持ち備えているため着やすいデザイン。一過性の服ではない唯一無二の存在であり、圧倒的な才能を感じさせます。(エイチ ビューティ&ユース 担当者)
インターナショナル ギャラリー ビームス
1981年に「ビームス(BEAMS)」からデビュー。好奇心を持ち続けるすべての大人に向けて、インターナショナルな感覚でよりトレンドを意識したインポート商品を中心にセレクトしている。
注目ブランド:セッチュウ(SETCHU)
2021年春夏シーズンにデビュー。デザイナーはミラノ在住の日本人 桑田サトシ。「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「ガレス・ピュー(Gareth Pugh)」、サヴィル・ロウの老舗テーラー「ハンツマン(Huntsman)」を渡り歩いたほか、Ye(カニエ・ウエスト)のもとで仕事をしてきた経験を持つ。
ブランドでは文字通り「折衷」を信条とし、ハンツマンのスタイルをベースにデザイナー流に解釈してアレンジしたテーラードベースのコレクションを展開。折り紙を着想源としたドレスやジャケットは折り目がデザインのアクセントになっており、幾通りにも着られる仕掛けになっている。
<担当者コメント>
2022年秋冬シーズンから、国内ではインターナショナル ギャラリー ビームスのエクスクルーシブのみで展開します。ユニセックスでミニマル、機能的なデザインのテーラードベースの服作りが新鮮です。日本では京都、そしてニューヨーク、パリ、ロンドンにも住んだことがあるデザイナーの国際的なバックグラウンドに根付いた、和洋折衷の新解釈に共感しました。シンプルながらパーフェクトなプロポーション、長く着られる最高級の素材と熟練の職人によるこだわりのある仕立てで、着てみて初めて良さがわかる服です。(インターナショナル ギャラリー ビームス メンズディレクター 服部隆)
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