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コールドプレイのベーシスト ガイ・ベリーマン

「アプライド アート フォームズ」クリエイティブディレクターのガイ・ベリーマン

Image by: FASHIONSNAP

ヴィンテージ収集家 コールドプレイのガイ・ベリーマンが服作りにかける情熱

FASHIONインタビュー・対談

「アプライド アート フォームズ」クリエイティブディレクターのガイ・ベリーマン

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ヴィンテージ収集家 コールドプレイのガイ・ベリーマンが服作りにかける情熱

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「アプライド アート フォームズ」クリエイティブディレクターのガイ・ベリーマン

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 20年以上にわたり音楽シーンを先導してきたモンスターバンド、コールドプレイ(Coldplay)。世界各都市のスタジアムで行われる一公演の動員数は5万人を優に超え、会場は観客の大合唱に包まれる。何万人をも熱狂させるステージパフォーマンスからは想像がつかないほど、ベーシスト ガイ・ベリーマン(Guy Berryman)の語り口はとても穏やかだ。

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 音楽活動の傍ら、ヴィンテージ収集家としても知られ、自身で修復した世界でも希少なクラシックカーを自宅に何台も所有し、趣味が高じてカーマガジンを創刊するほど熱心なコレクターでもある。その収集対象は車だけにとどまらず、時計や服にも及ぶ。今回、ベリーマンはファッションレーベル「アプライド アート フォームズ(APPLIED ART FORMS)」(以下A/A/F)のクリエティブディレクターとしてドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)のローンチイベントのため来日。ブランドの成り立ちや、ヴィンテージへの偏愛、日本製の素材も多く使ったアイテムのこだわりなど話を聞いた。

―日本はいつぶりですか?印象は?
 ジャパンツアーで来日した2017年ぶりだよ。デビュー前の18歳のころにバックパッカーで、日本各地を訪れたことがあるから思い入れがあるんだ。いつもカルチャーはもちろん、ファッションにも魅せられてきた。ブランドにも日本製の素材をたくさん使ってるしね。今回の滞在でもヴィンテージショップ巡りを楽しんだよ。

コールドプレイのベーシスト ガイ・ベリーマン

―今回はブランドのプロモーションで来日とのことですが、「A/A/F」を立ち上げた経緯は?

 大学では工学や建築を専攻していて、当時はプロダクトデザインや手を使ってモノを作ることを仕事にしようと思っていた。コールドプレイとしてデビューしてからは、アルバム制作やツアーで忙しくて、その時の情熱を忘れかけていた時期もあった。少しずつ自分の時間を持てるようになってから車の収集や修復をするようになって、ヴィンテージのミリタリーウェアも集めていたから自分の着たい服を作ろうと思い2年前にレーベルをスタートしたんだ。僕は音楽も独学だし、ファッションに関しても独学だけど、関心のあることや情熱を傾けていることに関しては、割とすぐ習得できるタイプの人間なんだよ。

コールドプレイのベーシスト ガイ・ベリーマン

―ブランドのコンセプトは?

 僕が好きで集めてきた米軍や英国軍の1940年代〜60年代のヴィンテージのミリタリーウェアがデザインソースになっている。オランダのデザインスタジオで、それらのアーカイヴピースを研究し、自分たちなりに解釈してモノ作りをしているんだ。ヴィンテージのミリタリーウェアは何十年も前のデザインなのに、機能的に設計されていながら実用的かつ美しいシルエットで、既に完成されているのが素晴らしいよね。

―車をはじめ、沢山のヴィンテージアイテムを収集されています。魅力は?

 コンピューターがない時代に、人の手でオーガニックに生み出されたデザインに魅力を感じる。手で描いたデッサンを、その時代に持ち得る技術を結集させて完成させていくという工程にロマンを感じるんだ。現代に生み出されたデザインの中にも素晴らしいものはたくさんあるけど、僕はそういった全てコンピューターで算出するモノづくりにはあまり面白味を感じないんだよね。

コールドプレイのベーシスト ガイ・ベリーマン

―ブランドで提案しているものは?

 ブランドのシグネチャーアイテムとして、パーカ/ライナーコート/ライナーベスト/フードといった単体でもレイヤードしても使えるマルチスタイルのアウターの組み合わせ方を提案している。これを「モジュラーパーカシステム」と呼んでいるんだけど、用途や天候に応じて、レイヤーを足したり差し引いたり調節できるんだ。個々での販売だけど、全部揃えてもいいし、買い足すこともできる。

 あとこのシェルパーカ「AM2-1A」の素材は、空軍パイロットのために開発された耐久性のあるベンタイルを使っている。着れば着るほどに味わいが出て、特有のくたり感と美しい光沢が出てくるんだ。

 ボタンは全てパラシュートボタンで作りも頑丈に仕上げている。フードや襟を取り外しできたり、裾を折り返してボタンで留めることで丈を調整できたり、ストラップを肩にかけたり...計算したんだけど、ライナーやベストと合わせるとフルで50通りの着方ができるんだよ。色はエクリュとブラックの2色があるよ。

全 5 点

―15通りでなく50通り!その他に思い入れのあるアイテムを選ぶとしたら?

 このフード付きジャケット「CM1-4」は、イングランド製の高級シルクにウォッシュをかけたジャケットで素材感が気に入ってる。シルクをウォッシュにかけると生地が縮むんだけど、それを計算してデザインしないといけないからすごく作るのが大変で。だけどウォッシュをかけると、鈍い光沢感が出て柔らかく絶妙な風合いに仕上がるんだ。

全 3 点

 オーバーサイズのビックフードで、裏地は日本製の柔らかいコットンとウールのパイル地。着てみるとわかるんだけど、本当に包まれているような着心地なんだ。肌触りも良くてこのまま寝ちゃいそうなくらいな気持ち良さだよ。

全 2 点

―一つ一つのアイテムのこだわりを感じます。作り手にしか知り得ない隠れたディテールを教えてもらえますか?

 例えばこのパンツのバックタグのジグザグの縫い目は、ニール・アームストロングがアポロ11号で月面に立った時の宇宙服のスティッチから着想している。宇宙服って最も頑丈に作らないといけない特殊服の一つだけど、そういったディテールやストーリーが好きなんだ。飾り縫いではあるけど、隠れたディテールかな。作り手としてはアイテムの細かいところを伝えたいからテキストで説明するんだけど、すごく長くなっちゃって「誰が読むの?」って突っ込まれるんだよね。聞いてくれてありがとう(笑)。

ブランドのホームページにはベリーマン本人による製品説明が記載されている。

全 2 点

―ベーシックでタイムレスなデザインのコレクションですが、シーズンはどのように展開していく?

 成り立ちからも、既存のファッションスケジュールに沿って新作を次々に出していくようなブランドではないんだ。今はオランダのスタジオを拠点に少人数でブランドを運営していて、作れる数量も限られている。一度買ったら何十年も着られるように丁寧に仕立てているからね。まだスタートしたばかりだから、僕の目の見える範囲で調達から、デザイン、製造、卸、マーケティング、販売までの全ての工程を見渡したいと思っているんだ。

 ベースとなるアイテムはどれもタイムレスなスタイルだから、定番としてずっと展開していく。色展開や新作のアイテムを加えていくけど、基本的にはここに並んでいるラインナップがコアになっているよ。

―ミュージシャンとクリエイティブディレクター。2つの活動をどう両立しているのでしょう?

 どんなに忙しくても、情熱のあることへの時間はいつでも作れる。もちろん今年も、来年もツアーで世界の都市をあちこち移動するスケジュールだけど、コンサートの本番でも夜の公演だったら午前中に時間を見つけてヴィンテージストアに行ったりもできるし。音楽と音楽以外のクリエイティブも互いに良いように相互作用しながら、バランス良くできているかな。

―ステージでもブランドの服を着用するんですか?メンバーのブランドへの反応は?

 ボトムスはよくステージでも履いたりしている。メンバーも気に入ってくれていて、ジョニーはTシャツを着てくれたりしている。勝手に変なスローガンを入れてて、問い合わせがあった時に困ったんだけど(笑)。

全 2 点

―今回、ドーバーストリートマーケットでのローンチイベントでしたが、出会いのきっかけは?
 
パリの展示会で声をかけてもらったんだ。ドーバーはもちろん知っていたし、扱っているブランドもクールだから、このような機会を作ってくれてとても感謝している。ドーバーで扱っているブランドはチェックしているし、日本にも素晴らしいブランドがたくさんあるよね。「ビズビム(visvim)」とかは、ブランドの成り立ちや考え方が近いように感じている。

―今後のブランドの展望は?

 コレクションを見てもらってわかるように、素材やデザイン、製造までこだわりを持って一つ一つオランダで作っているから大量生産向けの服ではないし、それゆえに価格も手頃とはいえない。僕たちが提案しているのは“一生モノ“として着られるデザインと品質の服。ビジネスの規模をすぐに大きくしようとは考えていなくて、僕らのモノ作りの哲学に共感してくれて、「コールドプレイ」というフィルターなしに純粋に服の価値を理解してくれる人に袖を通してもらえる機会が増えると嬉しいな。

コールドプレイのベーシスト ガイ・ベリーマン
「A/A/F」チームのデザイン担当 マルセル・ヴァーヘイイェンとセールス担当フランク・ブレーカーと来日。

Interview & text by Yuui Imai

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