
FASHIONSNAPによる業界の職業図鑑。ビューティ業界にはどんな職業があるのか。名前は聞いたことがあっても、実際にはどんな仕事をしているのか。そんな疑問を解消すべく立ち上がった連載企画です。業界の最前線で活躍する人を招き、リアルな職務内容や必要なスキルをファイリングしていきます。ビューティ業界への理解を深めるとともに、将来この分野を志す人にとって、進路や就職活動を考える際の手がかりとなることも目指しています。
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第7弾はメイクアップアーティスト編。国内外のファッション誌やコレクション、ビューティ広告、テレビCMなどの分野でメイクアップを手がけるほか、講師としても活動するTamayo Yamamoto氏の協力を得て、この職業の魅力に迫ります。
目次
メイクアップアーティストってどんな仕事?
メイクアップアーティストは、雑誌やウェブなどメディアのコンテンツのメイクアップ、モデルやタレント、アーティストのメイクアップを担当する仕事。イベントに出演する国内外セレブリティのメイクをホテルのプライベート空間で担当することや、ファッションショーの際にはアシスタントを集め、チームでメイクを手がけることもある。

媒体や分野は多岐にわたりますが、基本的にはフォトグラファー、スタイリスト、ヘアなどのクリエイターと意見交換を重ね、協力して一つの作品を作り上げていきます。

コレクションでメイクを担当する際は、事前にヘアメイクテストを行うのが一般的。デザイナーが思い描くコンセプトを深く理解したうえで、それをどのようにヘアメイクに落とし込み、ショー全体をより魅力的に見せるかをチームで議論しながら、ゼロからルックを作り上げていきます。

作業はメイクのイメージを確認しながら
メイクアップアーティストになるには?
ルートは人それぞれだが、専門学校を卒業後、アシスタントとして経験を積み、独立するのが一般的。修行の場も日本に限らず、ロンドンやパリ、ニューヨークなど、さまざまな都市が選ばれている。

私はバンタンデザイン研究所大阪校のヘアメイク学科を卒業後、ロンドンへ渡り、メイクアップアーティストのNami Yoshida氏に2年間師事しました。その後、独立し現在に至ります。アシスタント時代には、技術や知識だけでなく、現場での立ち居振る舞いや仕事への向き合い方など、多くのことを学びました。ロンドンでの経験は、現在の自分のベースを形作っている大きな要素だと感じています。
Tamayoさんはなぜロンドンを選んだのですか?

FASHIONSNAP

リスペクトしているクリエイターたちが、ロンドンでゼロからキャリアを積み上げてきたことが大きな理由です。また好きなファッション誌やアートブックもロンドン発のものが多く、自然と「その現場に身を置きたい」と思うようになりました。特に、コレクションのバックステージなど最前線のファッションの現場で経験を積める環境に魅力を感じて、ロンドンを選びました。
必要な資格や勉強しておいた方が良いこと
専門学校で学ぶ人が多いが、特別な資格は必須ではない。美容に関する基礎知識や色彩感覚、トレンドへの理解、衛生管理の知識、ネイルスキルなどは現場で役立つ。

メイク以外のスキル面ではコミュニケーション能力が欠かせません。自分の意見を分かりやすく伝える力や、相手の意図を汲み取る力は、現場で重要になります。

また、英語力は身につけておくと役立つスキルです。特にファッションの現場では、国内であっても海外モデルが多く、メイクの意図や撮影の流れを説明する場面が少なくありません。安心して仕事に臨んでもらうためのコミュニケーション手段としても、英語力は大きな助けになります。
メイクアップアーティストのある1日のスケジュール

やりがいは?

自分の手で生み出した表現が作品として世に出て多くの人の目に触れたり、誰かの感性を刺激する瞬間に立ち会えることが、この仕事の大きなやりがいです。
ゼロから何かを創り出す面白さや、日々新しい人や価値観に出会えることは、大きなモチベーションになっています。変化の多い毎日は、自分の感性が滞ることなく循環していくようで、飽きることがありません。
大変だと感じる時は?

収入が不安定で、仕事の量に波があることです。時間も不規則で、深夜1時や2時にピックアップされ、そのまま早朝から撮影が始まり、解散が翌日の深夜になることもあります。毎日違う環境や時間の中で働くため、フレキシブルに対応できる体力がなければ続けるのは難しい仕事だと思います。
体力的にも大変なお仕事ですよね。精神面ではどうでしょうか?


毎回違う環境で違うチームと働くこと、シーズンによっては撮影本数や内容全てが流動的であるので、常に柔軟な精神力が必要です。さまざまな理由で突然スケージュールが白紙になることも当たり前。いちいち落ち込まず、前向きに考えるポジティブなマインドが良い物作りに繋がると思います。
メイクアップアーティストの収入はいくら?
アシスタント時代は200万円に満たないことが一般的。独立後、経験や仕事の幅が広がると3000万以上の収入を得る人も。

独り立ちする前のアシスタント時代は、アルバイトと合わせて年収100万円ほどでした。高収入にたどり着くには、実力だけでなく運やタイミングも必要ですが、夢のある仕事だと思います。ただ、一つの分野に固執するのではなく、ファッション、ビューティ、広告など、さまざまな分野で活動の幅を広げておくことが、メイクアップアーティストとして安定して仕事を続けていく上で大切だと感じています。
メイクアップアーティストからの発展性、転職などは?
ブランドのビューティディレクションやコスメの商品開発、教育分野などへ活動領域を広げていくことが可能だ。

私自身も講師として、メイクアップアーティストを目指す学生に技術や経験を伝える活動を行っています。現場で培った知識を次の世代に共有できることも、この仕事の一つの広がり方だと感じています。
メイクアップアーティストに向いている人や大切なこと

自分から情報を探しに行き、行動できる人が向いていると思います。自分にとって有益な情報は、待っているだけではなかなか得られません。日頃から興味のあることを調べたり、実際に足を運んで学んだりする姿勢が大切だと思います。撮影現場は時間や環境が日によって大きく変わることも多く、体力や柔軟性も必要です。そうした変化を前向きに受け止めながら、新しい出会いや経験を楽しめる人が、この仕事に向いているのではないでしょうか。
Tamayoさんは、学生時代に何かされていましたか?


私は学生時代、放課後に自主練習を重ねたり、本屋さんに通ってインスピレーションの源を探したりしていました。ロールモデルとなるアーティストを見つけて、その人がどんな道を歩んできたのかを調べてみるのも、将来を考えるうえで参考になると思います。

Image by: FASHIONSNAP
メイクアップアーティストを志す人に向けて

好きなことを叶えるまでは諦めず、貪欲に向き合う姿勢が道を開いていくのではないかと思います。この仕事は煌びやかに見えるかもしれませんが、技術だけでなく、自分の精神力を磨いていくこともとても大切です。

そしてメイクアップアーティストをやりたいと思うなら、まずは一度挑戦してみることをおすすめします。自分の「好き」という気持ちを大切にして、その思いを追求していくことが、結果的に自分らしい道を切り開いていくと思います。意味のある毎日を積み重ねながら、ぜひ自分の可能性に挑戦してほしいです。
メイクアップアーティストの年間スケジュールの一例


1月
・広告ヴィジュアル撮影
・ブランドヴィジュアル制作
・雑誌エディトリアル撮影
・ビューティ撮影
2月・広告ヴィジュアル撮影・ブランドヴィジュアル制作
・国内外エディトリアル撮影
・ビューティ撮影
3月
・ビューティ撮影
・ブランドキャンペーン撮影
・イベント出演アーティストメイク
・雑誌撮影
4月
・夏ヴィジュアル撮影
・広告キャンペーン制作
・雑誌ビューティ企画
5月
・夏ファッション撮影
・ブランドキャンペーン
・MV・広告撮影
6月
・秋冬ヴィジュアル撮影開始
・ブランドシーズンヴィジュアル制作
7月
・秋冬ファッション撮影(雑誌・広告)開始
・海外誌エディトリアル撮影
・ブランドコレクション準備
8月
・秋冬ヴィジュアル撮影ピーク
・広告・キャンペーンヴィジュアル制作
・ファッション誌エディトリアル撮影
9月(繁忙期)
・ファッションウィーク関連(ショー・バックステージ)
・ブランドルックブック撮影
・海外アーティスト来日イベント対応
10月
・ホリデー広告
・ビューティヴィジュアル撮影
・雑誌ビューティ特集
・アーティストMV撮影
11月(繁忙期)
・年末広告キャンペーン撮影
・雑誌ビューティ企画
・海外セレブイベントメイク対応
12月
・年末特集撮影
・テレビ・イベント出演メイク
・新年号雑誌撮影
最終更新日:
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