ディオール 2023年フォールコレクションのフィナーレ
Image by: DIOR
「ディオール(DIOR)」が、インド・ムンバイの歴史的な建造物「インド門(Gateway of India)」で2023年フォールコレクションのショーを開催した。ウィメンズ クリエイティブ ディレクターのマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)は、長年にわたり深い関係性を築いてきたインドの地でサヴォワールフェールを讃え、現地のテキスタイルや職人による刺繍をふんだんに用いて歴史と文化を織り交ぜた。
壮麗なインド門がショー会場に
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ショーの舞台となったインド門はムンバイの港に面し、インドの玄関口を象徴する建造物。ディオールは、インドのチャーナキヤ工房およびチャーナキヤ工芸学校とともに、インド門を飾る特別なトーラン(=刺繍が施された窓や入り口の飾り)を制作した。300人を超える職人が技巧を凝らし、数ヶ月をかけて制作。高さ8メートル近くのアーチ型のインスタレーションが壮大なランウェイを演出した。
Image by: Niveditaa Gupta
鮮やかなシルクと繊細な刺繍
コレクションはモノトーンからスタートし、手仕事によるビーズやスパンコールの刺繍が、徐々に繊細な輝きを添えていく。エキゾチックなスタイルに、キルティングジャケットなど現代的なワードローブも差し込まれた。
テキスタイルで注目は、南インドのタミル・ナードゥ州に伝わる技法で織られたシルク素材。イエロー、ピンク、パープルといった鮮やかな色彩は、ディオールの3代目デザイナーとして活躍し、61年前の1962年4月にインドを訪れたマルク・ボアン(Marc Bohan)にオマージュを捧げた。またドレープを寄せながら布を巻き付けるシルエットは、インドの伝統衣装であるサリーから着想を得ている。
インドの風景を落とし込んだ「トワル ドゥ ジュイ」、また手縫いのアップリケを施したパッチワークなども今回ならではのモチーフ。動植物が繊細なタッチで表現されている。
キウリは本コレクションを通じて成し遂げたかったこととして「私たちとひとつの国やその文化を結びつける感情や感性を語るための、新しく独創的な方法を見つけること」とコレクションノートに綴っている。現地の職人らと対話しながら、両者の絆を再構築。その地に息づくサヴォワールフェールとモダンな視点により、多元的な美しさが表現された。
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