「ディオール(DIOR)」から、 パフューム クリエイション ディレクター フランシス・クルジャン(Francis Kurkdjian)氏による、ゴールドに輝くジャドールの真髄「ジャドール ロー」(50mL 税込2万3320円)が8月25日に登場する(ディオール公式オンライン ブティック、一部店舗では8月23日から先行販売)。この新フレグランスの発売を前に、クルジャン氏が来日。ジャドールへの想いと、ディオールとの深い絆を語った。
「ジャドール」は1999年に誕生した。最高品質の花々を用いて緻密に計算された香りは、柔らかくも華やかで、フェミニニティを体現するフレグランスとして多くの人を魅了し続けている。
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新フレグランス、ジャドール ローについてクルジャン氏はこう語る。「ジャドールと、ジャドール ローの共通点はフローラルフレグランスでありながら、一体、どの花が主役なのか分からないという点です。一般的にフローラルフレグランスといえば、 たとえばローズやジャスミン、オレンジフラワーといった主役の花が目立ちますよね。でもオリジナルのジャドールも、私が考えた進化したジャドールも、非常にすばらしい花の香りがするけれど、どの花かは分からない。このミステリアスで謎めいているところが特徴なのです」。新たなジャドールを創る上で、そういった伝統、DNAを継承したというのだ。
では何が進化したのか?「新しくもたらしたのは、光です。光の持つ輝きをさらに加えたと言えるのではないでしょうか」とクルジャン氏。その輝きとは「太陽の輝きではあるけれど、海岸にいるときの照らされて熱く焼けるような日差しではなく、肌に当たると、肌が黄金に輝いて見えるような、そんな輝きです」。ゴールドのオーラをまとったフローラルフレグランスは、温かみがあってポジティブ。これがクルジャン氏がもたらした新たなヴィジョンだ。花々はよりシンプルに際立ち、洗練されたミニマリズムと本来のセンシュアリティ、これまでにない濃密さで新たな香りのシルエットを描く。豊かに咲き誇る花々から、削ぎ落とされ、洗練された美しさをまとった香りへと変化を遂げた。それをクルジャン氏は、「まるで印象派の点描画からコンテンポラリーアートへの転換のように」とも表現した。
印象派の点描画からコンテンポラリーアートーー。クルジャン氏は「私はアーティスト ダミアン・ハースト(Damien Hirst)に非常に影響を受けました。桜を題材としたシリーズ『チェリーブロッサム』を観たとき、まばらなドットで描かれた桜は、印象派の点描画と同じありながら、近くで観ると何が書かれているか分からず、距離を置いて鑑賞しなければならない。そのハーストの描き方に大変影響を受け、私も同じようなことをやってみたくなったのです」という。さらにはクリスチャン・ディオールが言った「私の夢は、女性をより美しく、より幸せにすることだ」、その想いを同じく、クルジャン氏はフレグランスを通して大きな喜びを与えたいと、ジャドール ローを調香。「ジャドール ローはもっと個性的で、実際は見えないけれども、見えるような視覚に分かるような香りに。選択肢が広がったことが私の貢献ではないでしょうか」。
ジャスミン、ローズ、イランイランがなめらかで印象的な存在感を放ち、スズランとスミレは輝きで満ち喜びで包む。新たなブーケが奏でるフローラルは、より瞬間的でダイレクトな印象へとクルジャン氏は香りのシルエットを再構築した。
その香りを包むボトルも生まれ変わった。新たなデザインとなったボトルの首元を彩るネックレスはガラスに沿ってゴールドが波打ち、より丸みを帯びたガラスボトルと調和する。明るく透き通ったガラスパールのトップが輝き、温かみのある香りと呼応する。
Image by: DIOR
クルジャン氏は昔話として、「実は私の母の親友がディオールメゾンで仕事をしていた人です。その彼女や母から、ディオールの話をずっと聞いて育ちました。成長とともにディオールは私のそばにいたのです」と懐かしむ。さらに調香師として“相棒”でもある花について、「クリスチャン・ディオールと、ディオールのメゾン、そして花の関係は、他のメゾンとは全く違いとても強い。ディオール自身が花が大好きで育て、そしてパフューマーでもありました。彼が作ったファッションにコロール(花冠)のドレスやチューリップスカートがありますが、花の形自体が彼にインスピレーションを与えていたのです。彼にとって花は崇敬の対象に近いものがあったのではないかと。そういったヘリテージを継承し守っていきたいと思います」。彼のDNAにも刻み込まれているディオールのDNAを受け継ぎ、そして進化する香りが誕生した。
■ディオール:公式オンラインストア
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