ディオールの2023年春夏メンズコレクション
Image by: Adrien Dirand
メンズ アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズ(Kim Jones)が手掛ける「ディオール(DIOR)」2023年サマーコレクションが6月24日、パリ・ファッション・ウィーク期間中に発表された。
今回のコレクションは、メゾンの創業者であるムッシュ ディオールと、20世紀のイギリス人画家ダンカン・グラント(Duncan Grant)の誕生日(1月21日)が同じということに由来する。そして両者とも、美しい庭のある場所に住んでいたことから、フラワーガーデンのアイデアが引用された。
フランスとイギリス、2つの美しい庭
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ムッシュ ディオールの故郷は、フランス北西部にあるグランヴィル。ノルマンディ沿岸の水平線に囲まれた庭で幼少期を過ごした。ダンカンが住んでいたのは、イギリスのイースト・サセックスにあるチャールストン ファームハウス。ここでは、芸術家集団「ブルームズベリー・グループ」の一員であった彼が、仲間と共同生活しながら活動を行っていたという。
コレクションに先駆けて公開されたティーザーでは、The 1975(ザ・ナインティーンセヴンティファイヴ)のメンバーであるミュージシャンのマシュー・ヒーリー(Matthew Healy)がそれぞれの地を訪ねる様子が紹介されている。
フラワーガーデンをショー会場に再現
ショーの会場はパリ5区、リュクサンブール公園の近くに位置するヴァル・ド・グラース王立修道院。特設の会場内にはフラワーガーデンのセットが設置され、奥には海のイメージが広がっている。モデルたちは舞台上にある2つの家を行き来し、グランヴィルとチャールストン ファームハウスとの時空を超えた繋がりを表現した。
ガーデニングの要素を取り入れて
創設75周年に際し、メゾンが今月発売したカプセルコレクション「CD 1947」はムッシュ ディオールのガーデニングへの情熱を讃えた内容だったが、その流れは今回のコレクションにも継承されている。サングラスやラバーブーツ、水筒付きのバッグなどは、屋外で活躍する実用的なアイテムに。
アウトドアブランドとのコラボレーションも
細かく仕切られた「サドル」バッグやベルトバッグなどは、アウトドアブランド「ミステリーランチ(MYSTERY RANCH)」との協業で作られたもの。スーツともコーディネートできるリュックサックには、取り外し可能な撥水カバーとフードが備えられた。また、新作スニーカーはトレッキングシューズを思わせるシルエットで、蜘蛛の巣状に張り巡らせたディテールが印象的だ。
ベースボールキャップとガーデニングハットが合体
3Dプリントのハイテク構造を採用した「パーゴラ」ガーデニングハットは、スティーブン・ジョーンズ(Stephen Jones)による斬新なデザイン。ベースボールキャップの上からレイヤーされ、ムッシュ ディオールの庭園にあったパーゴラの格子細工の要素を取り込みつつも、ダンカンが製作活動の際に生涯を通して着用したガーデニングハットを着想源としたそう。
半透明になったディオールの「バー」ジャケット
さらに、テーラードスーツやダスターコートなど、フォーマルで都会的なスタイルも取り入れられた。メゾンのアイコンのひとつである「カナージュ」はコートのキルティングとして大胆に落とし込まれ、「バー」ジャケットは半透明のシルクオーガンザを採用することで、内部の構造を露わにし、仕立ての美しさを際立たせている。
ダンカン・グラントの絵画をモチーフに
全体的に「ディオール グレー」、ピンク、パステルのグラデーションが上品なムードを演出し、ダンカンの作品やスケッチをあしらったハンドニットなどが効果的なアクセントに。随所にキムらしい反抗心とストリートスタイルが反映され、現代的なルックに仕上がっていた。
横浜流星など豪華セレブが集結
会場には、ジャスティン・ティンバーレイク(Justin Timberlake)、デビッド・ベッカム(David Beckham)と三男のクルス・ベッカム(Cruz Beckham)、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、ロモン(Lomon)らの姿も。ジャパン アンバサダーを務める横浜流星も、ディオールのショーに初めて出席した。
横浜流星
Image by: Getty
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