宮永えいと
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Beautyインタビュー・対談

「男性メイクは仕事道具のひとつ」——メンズ美容系YouTuber 宮永えいとが目指す"身だしなみ文化"

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 「目標は男性の身だしなみ文化を作ること」——フリーランスの美容師として活動するとともに、男性向けにスキンケアやメイクについて発信するYouTuberの宮永えいとが、自身初のブランド「レタッチ(RETØUCH)」を立ち上げた。自身のYouTube「大人男子LABO」は、清潔感のある見た目に整えるハウツーがアラサーのビジネスマンから支持され、チャンネル登録者数は10万人を超える。「男性のメイクやスキンケアがビジネスマンの仕事道具のひとつになるくらい広めたい」と話す宮永が、発信者として軸にしていることや新ブランドに込めた思いとは。

宮永えいと
1990年生まれ。原宿のヘアサロンで店長を経験した後2018年に独立。現在はシェアサロン「ゴウトゥデイシェアサロン(GO TODAY SHAiRE SALON)」に所属し、フリーランス美容師として活動している。2019年4月に「大人男子の身だしなみ」をテーマにしたYouTubeチャンネル「オトナ男子LABO」を開設し、ヘアスタイリングやスキンケアなどについて発信。12月には初の書籍「大人男子の『超』清潔感ハック」を発売した。

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メンズメイクとの出会いは客から言われた「疲れてますか?」

ー宮永さんがメイクに興味を持ったきっかけは何でしょう。

 美容室で接客中にお客さんから「今日疲れてますか?」と言われて、鏡を見たら確かに疲労感が顔に出ていてどんよりしていたんです。とにかく明日から見た目を改善しなければという思いでその日のうちにBBクリームを購入したのがメンズメイクとの出会い。当時は忙しさから自分の身だしなみに気が回っておらず、ちゃんと鏡を見るのは久しぶりだったと思います。

ーそれからメイクやスキンケアにハマったんですか?

 BBクリームを塗ったら健康的に見えるようになって、「これなら人前で仕事ができるぞ」と安堵したのを覚えています。当時僕は26歳で、20代前半の頃と違って疲れが表情に出ることも実感しました。何もしなければマイナスに向かうのみだと分かったので、日頃のスキンケアの見直しやメイクを取り入れてマイナスをゼロにする方法を探そうと思ったんです。

ー男性がスキンケアやメイクを取り入れるメリットについて、どのように考えますか?

 これは僕の持論ですが、男性がスキンケアやメイクも用いて身だしなみを整えるのは自分のためでもあり人のためでもあります。極端な例ですが、髪がベタついて疲労感が見た目に出ている人とそうではない人のどちらと商談したいかと言えば、身だしなみが整っていて清潔感のある人ですよね。自分にとっても相手にとっても円滑なコミュニケーションのためという観点では、ビジネスマンにこそスキンケアやメイクで身だしなみを整えることは有意義だと思います。ここでの身だしなみの目的は「モテるため」よりも「清潔感がありきちんとしている人という印象を与える」なんです。

ーモテるためとの違いとは何でしょうか。

 簡単に言うとすると、見た目を「盛る」のではなく「フラットにする」のがポイントになる点でしょうか。僕が提案しているスキンケアやメイクが目指しているのは、肌荒れやシミなどでマイナスになった状態を、健康的な本来の姿にすること。男性誌にも身だしなみに関する記事はありますが、モテるためのハウツーが多く、アラサー男性に「最強モテヘアスタイル!」とか「モテるメンズメイク」は響かないなと感じていたので。

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「見た目PDCA」で身だしなみ文化を作る

ー宮永さんはメンズスキンケア・コスメのことを「身だしなみ」と表現しますね。これには何か意図があるんですか?

 「メンズスキンケア」「メンズコスメ」と言うと、男性としてはなかなか手が伸びづらいんですよね。"メイクは女性がするもの"というイメージの問題なだけではあるのですが、自分が発信する側になってみるとその壁が厄介なものだと分かりました。スキンケアもメイクも自分の身だしなみに気を遣うという意味では、男性の習慣として馴染み深いヘアスタイリングやシェービングと感覚的には同じなんですけどね。それから、僕がターゲットにしているのは20代後半〜40代のビジネスマンなので、メイクといってもK-POPアイドルのようにアイメイクまで作り込むものではなく、イメージは日々の生活の中で清潔感のある見た目のためのメイク。視聴者の拒否反応を減らすためにも極力「身だしなみ」という言葉を使っています。

ー「身だしなみ文化を作る」とは、具体的にどういうことなのでしょう。

 簡潔に言うと「見た目PDCA」の普及です。具体的には、どういう印象になりたいのか計画(Plan)し、スキンケアやメイクを取り入れ(Do)、結果がどうなったのか(どう仕上がったのか)を自己評価(Check)した上で、さらにどうするか考える(Action)。ビジネスの基本的な考えに、スキンケアとメイクを当てはめました。これを習慣化すれば自分の見た目のコンプレックスとも向き合えるようになると思いますし、自信を持ってコミュニケーションできる。物理的に見た目を整えることに加え、精神的にも良い影響があると考えています。

ー男性向けのチャンネルですが、コメント欄を見ると女性からの反響もありますね。

 登録者の割合は9割5分が男性で女性は少ないのですが、女性が「男性の身だしなみ10選」や「スキンケアルーティーン」を見て動画で紹介しているアイテムをパートナーに贈ったり、「こんな動画があるからやってみたら?」と勧めてくれたりすることがよくあります。

ーなるほど。パートナーのために見ている方もいるんですね。

 美容室でもパートナーに連れられて来る男性って結構いるんですよ。最初は乗り気じゃなくてもヘアスタイルが完成すると最終的には本人が一番喜んでいる姿を現場で見てきたので、女性が勧めたくなるようなコンテンツは意識して作るようにしています。僕は男性の身だしなみ文化を作るために発信していますが、男が化粧するの?とか、男のスキンケアって何を目指しているの?といった反応がまだまだあるんです。男性がより気軽にスキンケアやメイクを取り入れるためには世間の理解を促すことも必要なんですよね。

▶︎次のページ メンズメイクは"マイナスをゼロに修正するもの"、新ブランドに込めた思いとは?

大人男子の「超」清潔感ハック
著: 宮永 えいと
ブランド: KADOKAWA
メーカー: KADOKAWA
発売日: 2020/12/10
価格: ¥1,540(2021/01/06現在)

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