Image by: FASHIONSNAP

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藤原ヒロシによる架空の大学プログラム「フラグメント ユニバーシティ(FRAGMENT UNIVERSITY)」が9月18日、東京大学伊藤国際学術研究センターで、第2期の開講を前に“オープンキャンパス”を開催した。藤原が「記録と記憶」をテーマに特別講義を行い、ゲストとしてラッパー/クリエイティブディレクターのTaiTanも登壇。一般公開で行われ、約300人が来場した。
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◾️What's FRAGMENT UNIVERSITY?
藤原が主宰する「フラグメントデザイン(FRAGMENT DESIGN)」と、集英社のメンズファッション誌『UOMO』、博報堂の3者によるプロジェクト。2023年10月〜24年3月に実施した第1期では、「非言語マーケティング」をテーマに全8回の対面講義を実施した。600人を超える応募者から60人を選び、藤原が自身の経験を通じて培った感性のインプットとアウトプット、コミュニケーションなどについて講義。その内容は2025年に「藤原ヒロシの特殊講義⎯⎯非言語マーケティング」(集英社)として書籍化された。
受講生の声:「学生のロールプレーをやり切れ!」
特別講義に先立ち、“受講生の声”として、第1期を受講した動画クリエイターの明石ガクトとコピーライターの小西利行がトークセッションを行った。「ヒロシさんがどうやって流行りを作り出しているのかに興味があった」と話す小西が、藤原の話の中で最も印象深かったキーワードとして挙げたのが「違和感と奥行き」。以来、「その言葉は僕のテーマにもなっている」と振り返った。
明石は受講をきっかけに、自身の会社で藤原が出演するポッドキャスト番組を手掛ける縁も手にしたという。「受講の価値を最大化できるかどうかは、どこまで本気で学生をロールプレーできるかがカギ。僕はどんなに忙しくても毎回30分前には来て、講義中は真剣にメモを取り、質問をして、受講生同士の飲み会の仕切りまでやった!」と話し、会場を笑わせた。

明石ガクト
僕は中学生の頃からヒロシさんのフォロワー。講義にどうしても出たくて、申し訳ないけれど知人の結婚式への参加を泣く泣く見送ったこともあった。講義内容は軽そうなものをイメージするかもしれないが、実際に受講してみると全然軽くない。

小西利行
講義を休んでも、後から映像などで内容を確かめることはできないから、毎回現場でリアルな言葉を聞いて、いかに消化するか。常に自分の課題を頭に思い浮かべて、講義にのめりこんでいくのがいいと思う。
残念ながら、第1期の一番の優等生がこの2人。受講成果の最高レベルが彼らです(笑)。

藤原ヒロシ
特別講義:「人がどう話しているかは改ざんできない」
“受講生の声”を経て、いよいよ藤原による特別講義へ。起点となったのは、藤原がプロデュースし、渋谷・宇田川町でレコード店「フェイスレコード(FACE RECORDS)」を運営するFTFの武井進一が出版した書籍「The History of Record Stores in Shibuya ~& Beyond 渋谷、レコード店の歴史、そして、それ以上の何か」の制作過程の話だった。

東京大学伊藤国際学術研究センターで行われた特別講義
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藤原はファッションにまつわる渋谷の歴史を調べる中で、戦後に進駐軍関係者が暮らしたワシントンハイツ、アートディレクターの堀内誠一らが立ち上げた制作会社のアド・センター、そのすぐそばにあった若者のコミューンのアップルハウス、1968年に開業した渋谷西武で倉俣史朗らが立ち上げたインキュベーションショップ「カプセル(CAPSULE)」などを掘り下げたという。インターネットで検索しても当時の記録がなかなか見つからず、80歳を超えた関係者を訪ねて話を聞き、その記憶をたどっていった。
しかし、携帯電話やスマートフォンのカメラが普及し、日常を記録することが当たり前になった2000年代以降は、検索すれば写真や映像が大量に見つかる。「記録が残っているから、もう人に記憶を尋ねる必要はないと思っていた。それに対して、『記録は全く信用できませんよ』と投げかけてくれたのがTaiTanだった」と藤原は話し、TaiTanを呼び込んだ。

特別講義を行った藤原ヒロシ
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ゲストとして登壇したTaiTan
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話はそこから、第二次世界大戦中のプロパガンダ写真や、O.J.シンプソン事件を報じた米週刊誌の写真による印象操作、画像加工ソフトの普及などを例に、写真や記録の加工の歴史へ。「昔から記録は改ざんされてきたが、権力者のみが行ってきたものが民主化していった」と藤原。さらに生成AIの登場によって、存在する記録を加工するだけでなく、存在しなかった写真や映像までゼロから作り出せるようになったのが現代だ。「今は、改ざんの規模と拡散速度がかつてとは比べ物にならないほどになっている」とTaiTan。





特別講義から
写真や映像も信じられなくなりつつある時代に、何を信じればいいのかという問いに対し、講義が提示したのが、改めて“人の声”に耳を傾けること。「情報環境が劇的に変化する中で、何が信じられるか、価値の揺り戻しが進んでいくと思っている。大学での講義のような物理空間で、人がどう話しているか。声やその態度から受け取るものは改ざんできない」とTaiTanが話すと、藤原も「もちろん人の話も思い違いなどで変化する部分はある。でも、対面で話すと、うそをついていることは何となく感じられる。渋谷の歴史を掘り下げるために、さまざまな人に話を聞いたことで、その思いを強めた」と続けた。
「では、いま誰に話を聞きたいか?」というのが最後の問い。第2期で“教授”を務める予定の7人を紹介し、オープンキャンパスを締めくくった。第2期は「一般教養(非一般教養)」をテーマに、11月13日から2027年5月14日まで全9回の講義を実施予定。藤原が毎回登壇するほか、7人の“教授”を迎える。受講希望者は、9月28日までFRAGMENT UNIVERSITYの公式サイトで受け付けている。応募者多数の場合は、選考により70人を決定する。受講料は全9回で22万円。
本格的な有識者の話はあまり面白くないから、自分の言葉で噛み砕いて話してもらえる人に“教授”をお願いした。第1期は僕自身も学ぶことが多かった。生徒の皆さんにも感謝して、第2期を進めていきたい。

藤原ヒロシ
最終更新日:
◾️FRAGMENT UNIVERSITY 第2期 概要
第1回 2026 年 11 月 13 日(金)19:00〜20:30:一般教養論/藤原ヒロシ
第2回 2026 年 12 月 11 日(金)19:00〜20:30:部外者論/上出遼平(ディレクター/作家)
第3回 2027 年 1 月 22 日(金)19:00〜20:30:反体制論/中川悠介(アソビシステム代表取締役)
第4回 2027 年 2 月 5 日(金)19:00〜20:30:占有論/中村圭佑(DAIKEI MILLS 代表)
第5回 2027 年 2 月 26 日(金)19:00〜20:30:人間論/古市憲寿(社会学者)
第 6 回 2027 年 3 月 19 日(金)19:00〜20:30:現代音楽論/Bose(スチャダラパー/ラッパーなど)
第 7 回 2027 年 4 月 9 日(金)19:00〜20:30:言語化「異」論/ジェーン・スー(コラムニスト/ラジオパーソナリティー)
第 8 回 2027 年 4 月 23 日(金)19:00〜20:30:共創論/松沼礼(HUMAN MADE 代表取締役 CEO)
最終講義 2027 年 5 月 14 日(金)19:00〜20:30:藤原ヒロシ
◾️FRAGMENT UNIVERSITY:公式サイト
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