シンプルモダンなシングルトリートメントルーム
Image by: 東京エディション虎ノ門
フレグランスの魅力とは、単に“匂い”だけじゃない。どんな思いがどのような香料やボトルに託されているのか…そんな奥深さを解き明かすフレグランス連載。
第6回は、「ル ラボ(LE LABO)」によるオリジナルの香りを用いた東京エディション虎ノ門のシグネチャートリートメントをピックアップ。
東京エディション虎ノ門のドアが開いた瞬間に漂う、鼻腔をとろかす芳香…ホテルに行ったことがある人なら誰もが知るこの香りは、“ブラックティー(紅茶)”という名の、ル ラボが開発したエディションのシグニチャーセント。だから世界のどの国のエディションに行っても、まずこの香りがゲストを出迎えてくれる。
「エディション」といえば、70年代の伝説のクラブ「スタジオ54」の共同設立者であり、“ブティックホテル”というジャンルを確立したイアン・シュレーガー(Ian Schrager)が手がけた「ビスポークによる新世代のラグジュアリーライフスタイルホテル」。
一方、日本でもファンの多いル ラボといえば、英国のファッション&カルチャー誌「アナザーマガジン(AnOther Magazine)」とのコラボレーションによる「アナザー 13(ANOTHER 13)」や、NYメトロポリタン美術館との特別版クラシック キャンドル「ローリエ 62(LAURIER 62)× MET」(日本未発売)など、実はコラボレーションを得意とするファイン・パフューマリー。この2つが組めば、クリエイティブな香りに仕上がらないわけがない。
ル ラボがエディションのブランドビジョン“home away from home”を香りで描き出すべく選んだ香りのテーマは「紅茶」。シトラス、スモーク、フルーツ、フラワー、麦芽、チョコレート、胡椒のアロマを巧みにブレンドした奥行きのあるスモーキーフローラルノートは、ウェルビーイング(幸福感)、コンフォート(心地良さ)、エキゾチシズム(異国情緒)へと穏やかに誘う。
そんなブラックティーのエッセンシャルオイルを使用しているのが、5月からスタートした「TOKYO EDITION SIGNATURE TREATMENT」(90分 税・サ込4万1000円)。このトリートメントは都市ごとにローカルエッセンスを加えて変化をつけていて、日本では「黒」をテーマにデザインされているのも魅力だ。
トリートメントの始まりは、チャコールウォーターに生姜やハチミツ、レモンに8種のハーブを漬け込んだ黒のウェルカムドリンクをいただきながらのカウンセリング。ここでのカウンセリング内容に合わせて、熟練のセラピストがトリートメント内容を微調整してくれるのが頼もしい。
トリートメントルームに入り、まずはフットリチュアル。日本酒とブラックシリカソルトでスクラブをしながら足元から温めて、全身のケアへ。ウェルカムリチュアルとしてクリスタルヒーリング、つまりクリスタルで音叉を鳴らし、気の流れをチューニングしてからトリートメントがスタート。
トリートメントでは、バイオプログラミングの最上位ライン「ティアラリーン ボディ タイムセス 107D Plus」のオイルに、ブラックティーのエッセンシャルオイルを重ねて使用。そうすることでブラックティーの豊かな香りに包まれながら、パイオプログラミングのオイルが肌にしっかりと浸透し、ロングストロークによるオイルトリートメントで全身の滞りが一掃され、巡りの良いうるおいボディによみがえる。
最後に再びクリスタルヒーリングで気を整えて、トリートメントは終了。心身ともにしっかりとほぐされた体に、特製ブレンドティーが染み渡る。緑茶にベルガモットなどを加えた風味豊かなお茶に、老舗榮太樓の胡麻板黒の香ばしさの取り合わせが心憎い。
なおこの秋から、ホテルアメニティに使用されているブラックティーの香りのヘア&ボディアイテムがフルボトルで発売開始。ラインナップはシャンプー、コンディショナー、シャワージェル、ハンドソープ、ボディローションの5品だ。
そろそろ2023年も終わりに近づいてきた。この1年頑張った自分へのご褒美に、東京エディション虎ノ門でトリートメントを受けるもよし、あるいはヘア&ボディアイテムを揃えて自宅でブラックティーの香りに包まれながらくつろぐもよし。温かみのあるブラックティーの香りは、年末のリカバリーにぴったりだから、新たな年を穏やかに迎えるサポートをしてくれるはずだ。
ビューティ・ジャーナリスト
大学卒業後、航空会社、化粧品会社AD/PR勤務を経て編集者に転身。VOGUE、marie claire、Harper’s BAZAARにてビューティを担当し、2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。専門職学位論文のテーマは「化粧品ビジネスにおけるラグジュアリーブランド戦略の考察—プロダクトにみるラグジュアリー構成因子—」。
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■問い合わせ先
スパ アット 東京エディション虎ノ門:公式サイト
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