FUTURA
Image by: Co:Labs

Art インタビュー・対談

「作品に対する価値は市場が決めるもの」フューチュラがデジタルアートに込めた想い

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 グラフィティアーティストのフューチュラ(FUTURA)によるブランド「フューチュラ ラボラトリーズ(FUTURA LABORATORIES)」が、クリエイティブプラットフォーム「Co:Labs」とコラボレーションイベントを開催した。2日間限定のシークレットイベントで、会場にはフューチュラ ラボラトリーズ初のデジタルアートを展示。最新テクノロジーにより没入的な体験ができる空間を演出したという。ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が手掛ける「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の2019年秋冬コレクションのショーでライブインスタレーションを行うなど、グラフィティアートの第一線で活躍するフューチュラがデジタルアートに込めた想いとは?

—今回のCo:Labsとのコラボレーション作品はどのような想いで制作されたんでしょうか?

 これはフューチュラ ラボラトリーズとCo:Labsが提供するシークレット体験なんですが、今までとは違う形で私の作品を皆さんに届けたいという想いがありました。私のキャリアのほとんどが、色々なアーティストとコラボして、ヴィジュアルアートに違う要素を組み合わせた作品を提供するというもの。今回のCo:Labsとのコラボでは、デジタルという新しい素材を私の従来のアートに融合させることでエキサイティングで新鮮な作品ができると考えました。

—初のデジタル作品ですが、制作過程での違いは何か感じましたか?

 まずデジタルには動きがあるということ。一人のクリエイターとしてアクションが好きで、私のコア作品でもあるアトミックアイコン、クレーン、ドリップにしても動きを意識したものですが、全て平面の二次元で表現してきました。今回はテクノロジーを活用してアニメーションになっているので、奥行きも表現できていますし、それこそパラパラ漫画のような創作物です。デジタルは、今までに取り組んできた中でも非常に興味深い分野ですし、今後さらに追求していきたいと思っています。

—興味深いとはどういった点で?

 実物だけでなく、スマートフォンやパソコンの画面など各個人のデバイスで見ることができるということですね。アプリを使ってアプリ上で楽しめるような未来も想像できるし、追求すればアートの新しい可能性が広がる。今回はシークレット体験ということで、来場できなかった人もたくさんいると思います。今後は、会場で見ることができなかった人たちにもデバイスを通して披露することができるかもしれない。未来を切り開く勇気をくれるもので、深く関わっていきたい領域です。

—アートには美的な価値のほかにも希少性も価値を決める一つの要素だと思います。各個人のデバイスで会場に来なくても見れるようになれば特別感や希少性が薄くなると感じますが、どのように考えていますか?

 作品に対する価値は、私が決めるものではなく市場が決めるものですし、私は作品に対しての対価を求めはしません。例えば作品には原画があって、プリントがある。さらに模倣品もあって、模倣品は作者のサインもなく転売されているということがいくらでもあります。私の作品もコピーをとって勝手に販売されていますが、私は彼らを非難する気持ちにはなれず、むしろ頑張ってビジネスにして欲しいと思うのです。私がコントロールできるのは、私が提供するアウトプットだけですから。

 私は、若者に無料で体験して、感動してもらいたいという想いで作品を制作しています。そのため、個人のコレクションとして作品を保有したり、会員制のクラブで会員しか見られないというような世界を作るのではなく、みんなに公開して楽しんでもらえるようにしたい。それがインターネットが生まれた当初の意図だと思うんです。インターネットがオープンソースとしてあって、例えばお気に入りの音楽をそれぞれ共有しようとか、ライブラリの共有に繋がったわけですよね。今後何をやっていくべきなのかはまだわかりませんが、デジタルを追求していく中に経済の市場原理を持ち込んで、対価を求めると複雑でややこしいことになってしまう。私はシンプルが好きなんです。

—では、最後に。フューチュラ ラボラトリーズはファッションアイテムの製作をしばらくしていませんでしたが、今年の5月に「ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)」のシンガポール店限定でアイテムを発売しました。今後、服作りの予定は?

 シンガポール店で発売したものはフューチュラ ラボラトリーズのブランドとしての再デビューを知ってもらうということと、復活を祝うものでした。「今後もやるか?」と問われればやるかもしれないですよ。東京で、近々。Gで始まってAで終わるところ。これ以上は言えません。ここはシークレット体験を楽しんでもらう場所ですから。

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