ヴェロニク・ニシャニアン(Veronique Nichanian)が手掛ける「エルメス(HERMÈS)」が、パリメンズファッションウィークの公式スケジュールで2023年春夏コレクションを発表した。フランス人アーティストのシリル・テスト(Cyril Teste)を舞台演出に迎えた、シンプルかつ先鋭的なアプローチのショーとなった。
会場となったのは、18世紀に建てられた国立ゴブラン織工房の中庭。開け放たれた窓からトワル(仮縫い用の生地)が飛び出したかのように、ペールグリーンのカーペットが窓から石畳へと敷かれていた。コレクションのキーワードとなったのは、夏の太陽や水の動き、そして海辺の生き物たち。サンセット(日没)モチーフのプルオーバーや、波や波紋を表現したシャツなどが登場した。
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また、ザリガニやタツノオトシゴを大胆にあしらったシャツなどが、意外性のあるアクセントに。都会を離れた青年たちが海辺でバカンス楽しむような、自由でイージーゴーイングなムードを醸し出す。
パステルカラーで彩ったバケットハットやウィンドブレーカーも、光沢ある素材感が水のテクスチャーを思わせる。また、ウエストがゴム仕様のパンツやキュロットパンツは、リラックス感のある装いを演出。足元にはネオプレンサンダルやカラフルなスニーカーを取り入れ、スポーティな要素をさりげなくミックスさせた。
カレのアイコンたちをあしらったワッペンやペガサスの刺しゅうなどは、エルメスらしい遊び心を感じさせる。モデルたちが着用していたジュエリーも「アルファケリー」のシルバーネックレスや「コリエ・ド・シアン」のシルバーリングとブレスレットなど、アイコニックなアイテムが多く見られた。
また、矢が刺さったハートをあしらったレモンイエローのバッグは、女性も使えそうなキュートなデザイン。
浜辺のイラストがプリントされたコットンキャンバスのビーチバッグや、カーフスキンとプリントシルクツイルの手編みベルトなども、カラフルで軽快。洗練されたスタイルの中に、キャッチーな小物使いが目を引いた。フィナーレで石畳の坂道を降りてきたモデルたちは、今からバカンスへと旅立つような、明るく開放されたムードを放っていた。
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