インサイド

砂漠を旅する6人の戦士　「カシミール」は、レッド・ツェッペリンのロバート・プラントがサハラ砂漠を車で移動している時に構想したという楽曲。砂埃のようなスモークが焚かれたショー会場に設置された黄土色の細長いランウェイは、砂漠の中の一本道を想像させた。 　オープニングは、オールブラックの6人のモデルが登場。全身をプロテクトするロングコートをまとい、まるで鎧を身につけた戦士のような佇まい。頭部をベールやゴールドチェーンで覆った姿は、どこかエキゾチックなムードを漂わせる。　今年1月に発表された「ジュンヤ ワタナベ マン（JUNYA WATANABE MAN）」2023年秋冬コレクションと連動し、マスクはベルリンを拠点とするブランド「インナーラウム（Innerraum）」が制作。メンズはテーラードがベースとなっていたが、ウィメンズではジュンヤ ワタナベが得意とする解体と再構築、異素材をドッキングする手法を駆使し、複雑なパターンのドレスやアウターがラインナップした。 ロックなディテールと迫力のシルエット　前半はテクニカルな素材をアシンメトリーのパターンで構築し、ドローコードやテープでディテールを飾るなど、スポーツやアウトドアの要素を注入。ブラックをベースに鮮やかなブルーやオレンジを差し込んだ。　中盤は、ライダースジャケットをリメイクしたような作り。フェイクレザーを複雑に繋ぎ合わせ立体的なシルエットに仕立てた。ファスナーを多用しバッグやウォレットが融合したディテール、スタッズやフリンジといった装飾がパンク・ロックのテイストでまとめられた。　終盤に登場したボリュームのあるムートンやダウンのドレスコートは迫力のシルエット。足元はタフなブーツで仕上げ、辺境の地を行く旅人の力強い装いがインパクトを与えた。 　ラストは再び6人の戦士たちが登場し、儀式のようにランウェイに並ぶ。大音量の楽曲が強烈な余韻を残しつつ、ショーが幕を下ろした。

Fashion

レッド・ツェッペリンの名曲が着想源に 「ジュンヤ ワタナベ」23年秋冬パリコレ

ジュンヤ ワタナベ マンの真骨頂　真のコラボレーションは、単なるプロダクトのエクスチェンジにとどまらない。ジュンヤ ワタナベ マンは、コラボレーターの創造力や知見を先導的に汲み上げ、ブランドらしい解釈を加え、“ウェアラブル”という地平の上で最も現代的なワードローブに結実させていく。18ものレーベルやアーティストとのコラボレーションで構成されたランウェイでは、異なる背景と歴史を持ち、個性さまざまなブランドとの取り組みを内包しているのに、シームレスにデザイナーのビジョンが投影され、どれもがコレクションにおいて外しがたいピースとなっている。この類まれな調和によって、長年コレクションの中軸となっているコラボレーションの真価を改めて示したのだ。インナーラウムのロジックを取り入れて　中でも、ベルリンを拠点とするブランド「インナーラウム（Innerraum）」のクリエーションが、渡辺淳弥の興味を誘引したのだという。インナーラウムは、モータースポーツに使われるプロテクターやハーネスといったギアを主体の素材に、背景のまったく異なる材料を、分解や再構築、再配置といったアプローチで組み合わせてリュクスなアクセサリーを生み出していく。そうした創造的なリプロダクションを指し、「我々の過去の服にも同じ様なロジックでデザインされた服がある。今回はそれらのアーカイブをリプロダクトしたコレクション」なのだとコレクションノートには記されていた。　真っ白なギャラリースペースに、クラシックなメンズウェアの典型ともいえるテーラードスーツが現れる。ただ、肘と膝の関節部分に伸縮性のファブリックが切り替えられ、ダブルカフスジャケットの品のある佇まいの一方、やや前方向に曲線的なシェイプがきいたクロップドパンツやパンキッシュなムードも匂うジップアップのパンツが合わせられていた。　そして、インナーラウムのギア特有の硬質なディテールを取り入れた、多様なストラップポーチやウエストバッグなどを携えている。ルックを重ねるごとに、アクセサリーは服とますます融合していく。同コラボレーションは、バッグにとどまらず、ハットのブリムが合体した特異なエレガンスから、さまざまなタイプのアウターやバンドにまで展開していく。予期せぬシェイプのゲームチェンジ　ブランドのアイデンティティを反芻し、貫くように、アウトドアやハイキング、あるいはモトクロスなどのエクストリームスポーツのエッセンスとテーラリングの巧妙な融和がランウェイを率いていた。ファブリックの違いをものともしない、よどみなくキリリとした美しいテーラードシルエットや、予期しないシェイプのゲームチェンジ——ダウンを含めたテックウェアやアウターウェアの数々、マルチファブリックのパッチワーク、キルティングジャケット、ゆとりのあるトラウザーズ、マルチポケットの仕様と、デザイン、機能、実用が整合したブランドらしいスタイルが、もっとも豊潤なカラートーンの一つとさえ思えるブラックの中で広がっていく。グラフィックデザイナー・シメク（Simek）のジオメトリックなモチーフは、カンフル剤のような役割を果たしていた。リーバイスからニューバランスまで　中でも長年のリレーションシップは、ブランドのアイデンティティとも結びついている。「リーバイス®（Levi's）」のカスタムジャケットと、白いステッチがアイキャッチなデニムコート、オリジナルのパンツ、そして「カーハート（Carhartt）」のスモールバッグをポケットとしてドッキングしたアウタージャケットなども登場した。　コラボは足先からウェアまで全てを網羅する。フットウェアは、「オークリー（Oakley）」や「ニューバランス（New Balance）」それぞれのモデルをベースにオリジナルで作られたスニーカー、「ティンバーランド（Timberland）」とのオリジナルブーツ、ランウェイには出ていないが「ステップニー ワーカーズ クラブ（Stepney Workers Club）のスリッポンまで多彩だ。　機能素材のコーデュラを用いてカスタマイズされたダウンジャケットの胸元には、スケートブランド「パレス（PALACE）」のトライファーグロゴ（不可能図形「ペンローズの三角形」を模したデザイン）があった。　「チャンピオン（Champion）」のスウェットパーカーはテーラードジャケットに。「ザ・ノース・フェイス（THE NORTH FACE）」はパフベストとジャケットが、「ホグロフス（Haglöfs）」とのコラボレーションはテーラードジャケットにダウンコートがハイブリッドされた。ミリタリーバックパックで知られる「ミステリーランチ（MYSTERY RANCH）」はマルチポケットのジャケットに昇華された。　他にも、「アルファ インダストリーズ（ALPHA INDUSTRIES）」、アウトドアブランドの「カリマー（karrimor）」に加え、ランウェイには登場していないが「ブルックスブラザーズ（Brooks Brothers）」のブレザーとシャツ、リバイバルされた「ベイツ（BATES）」のモーターサイクルジャケット、「ナンガ（NANGA）」のダウンスリーピングバッグジャケットも、コラボレーションリストに名を連ねている。 山口達也 （Tatsuya Yamaguchi） エディター 大学在学中から活動を開始し、東京を拠点に国内外のデザイナーやアーティスト、クリエイターのインタビュー・執筆などを行う。近年はメディアコントリビューティングのほか、撮影のディレクションやブランドのコンセプトディレクターを手掛けている。 

コラボレーションの真価はここに極まる「ジュンヤ ワタナベ マン」2023年秋冬

【2022年ベストバイ】サカナクション 山口一郎が今年買って良かったモノ

nori enomoto  バッグFASHIONSNAP（以下、F）：一品目は「ノリ エノモト（nori enomoto）」のアイコニックな「マルディマタン（mardi matin）」のバッグですね。あさぎーにょ：私のファッションブランド「ポピー」のパタンナーであるノリちゃん（榎本紀子）が作っています。今年のはじめに2つをゲットして、この1年使い続けました。F：お気に入りのポイントは？あさぎーにょ：このウェーブのシルエットが優雅でポップな可愛らしいんです。私は普段温かみのある色やレースなどのディテールの入った服を着ることが多いので、レザーを入れることでコーディネートが締まる感じがあります。華奢なシルバーのチェーンが使われているのも気に入っています。F：どこかで身につけたときの思い出はありますか？あさぎーにょ：祖母がこのバッグを持っている私を見て羨ましがっていて。旅行中にサプライズで色違いのアイボリーを誕生日プレゼントとして渡したんです。とても喜んでくれて、一緒にお出かけしたのがいい記念になりました。TOKYO BOPPER 厚底シューズF：お次は「トーキョー ボッパー（TOKYO BOPPER）」のフラワーモチーフが特徴的な厚底シューズですね。あさぎーにょ：今年ずっと履き続けたシューズです。トーキョー ボッパーさんのシューズを購入するのは初めてだったんですが、インスタグラムで拝見して一目惚れでした。このボリューミーでころんとした形が気に入って。F：デザイン性と歩きやすさも両立していますね。あさぎーにょ：そうなんです。しっかりデザインが入っているのに、どんな洋服に合わせやすくて。お揃いのお花のモチーフが施されたバッグも購入しました。F：こちらを履いて、どんな場所へ行きましたか？あさぎーにょ：今年は海外へ行く機会も増えたので、韓国やコペンハーゲンなどでも着用しましたね。特に凸凹した石畳の道でも歩きやすくて重宝しました。少し汚れてきてしまったので、2足目の購入を考えています。MM6 Maison Margiela & Maison Margiela シューズF：シューズが続きますが、「エムエム6 メゾン マルジェラ（MM6 Maison Margiela）」のアナトミックシリーズと、「 メゾン マルジェラ（Maison Margiela）」のタビですね。バレエシューズがたくさん！あさぎーにょ：ころんとしたシルエットがかわいくって、今年集めました。特に今、水色とこの茶色が気に入っていて、着用頻度が高かったです。F：マルジェラはタビブーツで有名ですが、エムエム6のアナトミックのシューズとどちらを先に購入したのですか？あさぎーにょ：私はエムエム6から入りました。このウェーブの形が私の足にぴったりで。F：着用したときの思い出はありますか？あさぎーにょ：いろんなところへ履いていきましたが、今年発表したVlog映画「グッバイ、コスモス」の発表会でも白いブーツを合わせていきました。F：靴を選ぶポイントはありますか？あさぎーにょ：先の尖っていない丸みのある形が多いですね。ヒールは普段、履くことが少なくて、フラットのものを選びがち。横幅がある方が私のコーディネートには合わせやすいかなと思っています。MM6 Maison Margielaの「フラットシューズ」をFARFETCHで探すSimone Rocha ジャケット&スカートF：こちらはロンドンを拠点にする「シモーン・ロシャ（Simone Rocha）」のジャケットとスカートですね。あさぎーにょ：10月にロンドンへ行った際にシモーン・ロシャの店舗に行くことができました。ずっと憧れのブランドだったので、実際にロンドンのお店で買い物ができてとても嬉しかったです。F：それぞれ購入の決め手は？あさぎーにょ：ハートのモチーフが特徴的なコレクションだったのですが、この白いジャケットも胸元のギャザーの部分がハートの形になっているのに惹かれました。スカートに関しては、私はあまりチュールスカートを持っていないんですが、これは一目惚れで。ベージュなので大人っぽく、赤い刺繍がガーリーなのに甘すぎないのもポイントです。F：海外の現地で出合ったモノは買ってしまう？あさぎーにょ：はい。円高で価格は決して安いわけではないのですが…悔いなしです。それと今年は赤をたくさん着用しようと心に決めていたので、つい選んじゃいましたね。F：まさに今日も赤をお召しですね。あさぎーにょ：そうなんです。以前までペールトーンの色を好んで選んできたんですが、今はちょっと暗めの赤と水色がブームで。毎年変わるんですよね。茶色もじわじわと自分のなかで気になり始めています。Simone Rochaの「スカート」をFarfetchで探すJUNYA WATANABE コートF：続いて、「ジュンヤ ワタナベ（JUNYA WATANABE）」のロングコートですね。あさぎーにょ：こちらもロンドンでの購入品で、ドーバー ストリート マーケットで見つけました。F：変形のMA-1アウターですが、シルエットがドレスのようですね。あさぎーにょ：袖もバルーンスリーブになっているのが可愛くて。買ってすぐに現地で着用していたのですが、たくさんの方に褒めていただいてうれしかったんです。ロンドンの有名なチョコレート屋さんで、80歳くらいのおじいちゃまに「素敵な服を着ているね」と声をかけられて、一緒に写真撮影もお願いされて（笑）。この服を通じてたくさんの方とコミュニケーションを取ることができました。F：ジュンヤ ワタナベの洋服は他にもお持ちですか？あさぎーにょ： ずっとコレクションを拝見していて憧れていましたが、購入したのは今回がはじめてです。世界に数着しかないとお店で聞いて、「買わなければ！」とロンドンで買ってしまいました（笑）。JUNYA WATANABEをFarfetchで探すMACKINTOSH × CECILIE BAHNSEN コートF：「マッキントッシュ（MACKINTOSH）」と「セシリー バンセン（CECILIE BAHNSEN）」のコラボレーションによるコートですね。あさぎーにょ： シモーン ロシャに続いて、セシリー バンセンも憧れのブランドでした。ちょっと背伸びをして、銀座のドーバー ストリート マーケット ギンザで購入しました。F：生地にキルティングとレースが合わさっていて、形は普遍的なマッキントッシュのコートの形なんですね。どんなオケージョンで着用していますか？あさぎーにょ：気軽に着る服ではなく……ここぞというときに。9月にパリコレへ行ったときも着用しました！MackintoshをSSENSEで探すYOHEI OHNO スカートF：7品目は「ヨウヘイ オオノ（YOHEI OHNO）」のスカートですね。あさぎーにょ：今年一番はいたスカートだと思います。夏頃にエイチ ビューティ＆ユース（H BEAUTY＆YOUTH）で購入しました。F：ヨウヘイ オオノらしい独特なシルエットが特徴的ですね。あさぎーにょ：立体的なパターンが激かわで、しっかりとインパクトがあるのにいろんな服に合わせやすいのが気に入っています。F：ヨウヘイ オオノは今年5年ぶりのファッションショーを上野の国立科学博物館で発表していましたね。あさぎーにょ：ショーへご招待いただき、とても感動しました。その日もこのスカートを穿いて観に伺いました。KIJUN トップスF：続いて韓国のブランド「キジュン（KIJUN）」のトップスですね。あさぎーにょ： 馬や食卓の絵が描かれていて、こんなに可愛い柄のシースルートップス見たことない！と思って。大阪のセレクトショップのリトマス（LITMUS）でゲットしました。F：シースルートップは今年、大人気アイテムでしたね。あさぎーにょ：はい。私も今年はたくさんのシースルートップを集めていて、他のブランドなども合わせて10着くらいは持っていると思います。レイヤードするのに便利なんですよね。でもこちらが中でもお気に入りです。KIJUNをSSENSEで探すMolton Brown ディフューザーF：こちらはロンドン発のフレグランスブランド「モルトンブラウン（Molton Brown）」のリードディフューザーですね。あさぎーにょ：オレンジ＆ベルガモットの香りなのですが、実は先にプレゼントで同じ香りの香水をいただいて、とても気に入りまして。この香りを部屋中に充満させたいと思い、こちらを買い足しました。F：この香りを表現すると？あさぎーにょ：私はウッディな香りが好みなのですが、こちらは森の中のような深みがありながらクールすぎず、すっきりとしています。F：お家のどちらに置いていますか？あさぎーにょ：玄関に置いていますが、来客があるときにこちらの香水を追加でシュシュっとプラスで空気にかけています。D'ORSAY 香水F：フレグランスが続きます。フランスのフレグランスブランド「ドルセー（D'ORSAY）」の「心を込めて（À coeur perdu）」というメッセージが入ったL.B.という香りですね。あさぎーにょ：もともと香水をつけることが得意ではなかったんですが、この香りはすっきりしていてずっとまとっていたい！と思うくらい好みでした。つけていると人から褒められることも多いので、毎日つけています。F：購入のきっかけは？あさぎーにょ：ドルセーのキャンドルを購入したことをきっかけにブランドを知って、香水も店舗で見るようになって。ドルセーのキャンドルも集めています。F：こちらはクリスマスの限定キャンドルですね。あさぎーにょ：この容器のデザインもめちゃくちゃかわいくて気に入っています。Astier de Villatte 陶器F：ラストは、フランスの陶器ブランド「アスティエ ド ヴィラット（Astier de Villatte）」の食器ですね。1年でこれだけ集められたんですか？あさぎーにょ：そうなんです。まずは「エイチピーデコ（H.P.DECO）」で購入して、それからパリでも買って、割れないように持って帰ってきました。F：どのようにブランドを知りましたか？あさぎーにょ：昨年友人のお宅へお伺いしたときに、アスティエのお皿を見て、「素敵！」と思って。あたたかみがあるのに無機質さもあって、使っていると優雅な気持ちにさせてくれます。一つひとつ微妙に焼き目の色味なども異なっているのも味があって、軽いのもいいですね。F：どんなときに使用していますか？あさぎーにょ：今年は引っ越しをして友人を家に招くことも多かったので、ホームパーティをするときに。サラダやケーキを載せるのに使っています。実は大きなお皿を使用中に一つ割ってしまったのですが…。今後も自分へのご褒美に集めていきたいと思っています。今年を振り返ってF：今年の購入品を振り返ってみていがかでしたか？あさぎーにょ：“洗練”がキーワードだったなと思いました。これまでは鮮やかであたたかみのあるものが多かったんですが、白でもオフホワイトではなく、真っ白を選ぶなど、クリアなものが増えたなと気付きましたね。F：今年を振り返っていかがですか？ご結婚も発表されたり、お引っ越しをされたりと、プライベート面でも変化が多かったようですね。あさぎーにょ：はい。私の世界が広がった一年でした。結婚も大きかったのですが、ずっと続けてきた金髪のヘアスタイルを、暗くしたのも個人的な自分にとっては大ニュースでした。F：あさぎーにょさんのトレードマークは金髪でしたからね。きっかけは何でしたか？あさぎーにょ：Vlog映画「グッバイ、コスモス」に出演していた子役の子とお揃いにしたのがきっかけだったのですが、そこから気に入って、定着させましたね。「こうしなきゃいけない！」という自分の中の固定観念がいい意味で崩すことができました。F：髪色を変えたことで、似合う服も変わってきたのでしょうか？あさぎーにょ：これまで金髪のときに似合わなかった服が着られるようになりましたね。濃い色は今まで色に負けちゃう感じがあったんですが、今はしっくりくるようになりました。また免許も取って、運転もできるようになって、一人でドライブする時間も楽しむようになったのも自分の世界が広がった感覚になりましたね。来年の抱負F：次狙っているものは何ですか？あさぎーにょ：まだ結婚式を挙げていないので、まずリングを選びたいと思っています。普段アクセサリーは光り物をつけることがないので悩んでいて。来年に素敵なものに巡り合えたらと願っていますね。F：来年はどんな一年にしたいですか？あさぎーにょ：来年は音楽活動に力を注ぐ一年にしたいと思っています。ポピーの「ワクワクを抱きしめよう」という世界観をオリジナル楽曲に落とし込んで、多くの人へ伝えていきたいですね。またSNSも原点に立ち返って、自分の本当の声をしっかり出せるようにしていきたい。F：あさぎーにょさんはSNSで、ご自身のことをオープンにアップされているイメージがありますが。あさぎーにょ：でも、この1年を振り返ると恐れがあったと思うんです。応援してくださる方が増えていくなかで、「皆さんの思い描く“あさぎーにょ像”を守らないと」とか「これを言ったら、みんなの期待を裏切るかな」とか自分軸ではない考え方になってしまうことがありました。もっと悩みや迷いなどのネガティブな一面も見せたり、「何やってんの？」と笑われてしまうよう無邪気な自分も見せていきたいなと思っています。■あさぎーにょクリエイティブアーティスト/アートディレクター/YouTuber。  「ワクワクを抱きしめよう」をテーマに、ポップで温かい世界観を表現している。2021年に自身のファッションブランド「ポピー（POPPY）」の店舗を原宿にオープン。アートディレクションや音楽活動も行い、現在のSNS総フォロワーは300万人を超える。POPPY公式サイトあさぎーにょInstagramあさぎーにょYouTubeチャンネル

【2022年ベストバイ】あさぎーにょが今年買って良かったモノ

インパクトのあるショーの幕開け　ピンク色のライトで染まった会場でデュラン・デュラン（Duran Duran）の「Girls on film」のBGMと曲中の効果音であるシャッター音に合わせ、モデルがカメラ席に勢いよく向かってくる。肩を強調するショルダーパッド入りのケープドレスは、一枚の布を頭から被ったような作りで、ウエストのみ絞られている。そこにスパングルのレギンスを合わせ、足元はパールとチェーンで装飾されたショートブーツ。モデルは肩を前後に揺らしながらパワフルにウォーキングし、たっぷりの布が動きに合わせてなびき躍動感を演出する。　まさしく、デュラン・デュランなどに代表される80年代初頭に人気が火がついたニューウェーブの音楽ジャンル「ニューロマンティック」のムードがベースに流れていた。モデルのヘアメイクは中性的で髪は重力に逆行し、ビビッドなカラーでとにかく派手。インパクト大のショーの幕開けだった。パンクなアクセント　布を無駄に断ち切らないケープ仕立ての手法は、ミニ丈やプリーツ、ジャケットやシャツドレスとして応用された。フィッシュネットのインナーやレースアップブーツ、レザージャケット、ダメージジーンズ、黒のチュールを組み合わせたスタイリングは「ニューロマンティック」の"前身"でもあるパンクの要素が色濃く反映されている。多様なパール＆チェーン使い　特にパールとチェーンは首回りを装飾する以外にも存在感を放ち、様々なトップスやドレスとドッキング。パールはスモッキングの手法でひだの間に施したり、アーム周りやウエストにベルトのように複雑な構造でデザインされたほか、ランダムに施されたアイレットを貫通してパールとチェーンを垂らしたアイテムも。パールが持つフェミニンなイメージが、ハードコアに偏ったスタイルを中和する役割を果たしているようだ。バイク用品メーカーとのコラボ　中盤に登場したのは、日本のバイク用品メーカー「コミネ（KOMINE）」のバイカースーツをジュンヤワタナベらしい"解体し再構築する"というアプローチで仕立てたミニドレス。バイカースーツ特有のパネルの切り替えや配色を、異素材の組み合わせによって立体的にデザインし、男性的なユニフォームをドレスに変えて見せた。　ニューロマンティックという80年代のムードを現代にトランスフォームさせ、ここ数年の世界的な閉塞感から抜け出すような疾走感溢れるランウェイとなった。

「ジュンヤ ワタナベ」ニューロマンティックを現代で表現、閉塞感を打ち破るパワフルなショー

サーがお目見え　デヴィッド・ボウイ（David Bowie）の「チェンジズ（Changes）」のBGMが朝のポンピドゥー・センターに響き渡る中、「ステラ マッカートニー（STELLA McCARTNEY）」のショーには「サー（Sir）」の称号を持つポール・マッカートニー（Paul McCartney）の姿が。今年80歳を迎えたとは到底思えない若々しさです。フロントローの最年少ゲスト　「ロク（ROKH）」のショーのフロントローにちょこんと座っている男の子。スマートフォンを手に、手慣れた様子でコレクションルックを撮影していました。辛口ファッション批評家で知られる「ファッションネットワーク（Fashion Network）」の編集長ジェフリー・デニー（Godfrey Deeny）さんの息子さんだそう（最初お孫さんだと思ったのは内緒）。フロントローに座るのも初めてではないんだとか。 望遠鏡でエルメスのバッグ探し　「エルメス（HERMÈS）」の小物の展示会は、会場演出がユニークでした。ジュエリーをルーペで覗いたり、天井近くの見えない場所に置いてあるバッグや、中庭の向こう側に展示してあるバッグを望遠鏡で見つけたり。物の見方を変える、ウィットの効いた面白さがありました。　また会場内では、エルメスのアイテムを身につけて似顔絵を描いてもらえるコーナーや、ネイルやメイクのコーナーも。今回のパリコレで最長記録のショー　「トム ブラウン（THOM BROWNE）」のショー会場はオペラ座（オペラ・ガルニエ）。ランウェイには巨大なシンデレラの靴が展示されていました。ファンタジックなショーでしたが、私たちの席は回廊部分だったので、メインのランウェイで"何か"が行われている間は、音楽を聴きながら待っている時間。ショーは40分以上（！）で、今回のパリコレで最長記録となりました。コラボシューズが豊作のギャルソン　ギャルソン3ブランド合同の展示会で、コラボシューズをチェック。「コム デ ギャルソン（COMME des GARÇONS）」×「サロモン（SALOMON）」は先シーズンに引き続きのコラボで、今回は素材や色が新しくなりました。  　「ジュンヤ ワタナベ（JUNYA WATANABE）」×「アッシュ（ASH）」は、デコラティブなパールやチェーンが印象的。  　「ノワール ケイ ニノミヤ（noir kei ninomiya）」×「ハンター（Hunter）」は、ベースのブーツはそのままに、ハーネスやフラワーモチーフでアレンジ。ガラリと表情が変わりました。  カルティエの宝石の輝きにうっとり　「カルティエ（Cartier）」の展示会にはジュエリー、ウォッチ、アクセサリー、フレグランスの新作がラインナップ。気になった新作リングは、パンテールの毛並みを表したぷっくりシルエットが特徴の大ぶりリング。オニキスなどのストーンで表した斑点模様の淵には細かい線の細工が施されており、より毛皮の質感を表現しているのだそう。今回、日本PRの渡航がないブランドがいくつかあったものの、カルティエは現地のスタッフが丁寧にアテンドしてくれてとても好印象。広瀬すずさんのファッションスタイル　「ルイ・ヴィトン（LOUIS VUITTON）」は、今回もルーヴル美術館の敷地内にある、特設テントがショー会場。入場して席を探していると、日本からのゲストとして招かれていたブランドアンバサダーの広瀬すずさんに遭遇しました。今日のファッションのお気に入りのポイントについて聞いた動画をチェック！香りを探しにドーバーへ　今日は取材終わりに、ずっと行きたかった「ドーバー ストリート パルファム マーケット（Dover Street Parfums Market）」へ。マレ区に位置するこちらのお店は2019年にオープン。その名の通り、香水にフォーカスしたお店です。フレグランス以外にもボディケアやコスメなども取り扱っており、「コム デ ギャルソン」のフレグランスシリーズをはじめ、あまり見たことのないニッチな香水もあり、"香りを探しにいく"といった場所です。　色々な香りを試すと鼻が利かなくなりがちですが、こちらで扱っている香りはどれも個性的。香りについて色々と教えてくれるフレンドリーな店員さんたちも好印象でした。ようやくみんなが帰ってきたパリ　パリコレ9日間の日程が無事に終了！ 2年半ぶりに日本から参加したデザイナーや、久しぶりに取材に訪れたジャーナリストなど、皆がパリに再び来れたことを喜んでいました。なかなかホテルが予約できなかったり、円安の洗礼なども受けましたが、街は以前に増して活気に溢れています。　紙の招待状が減ったり、サステナブルな素材の増加、ショー会場に用いた資材のリユースなど、地球環境に配慮した取り組みも進んでいるようです。世界中からファッション関係者が集ったパリからのレポートは、この後も順次公開していきます。Merci beaucoup, Paris. À bientôt!最新コレクション情報はこちらからtext & photo: Chiemi Kominato、Yuui Imai

巨大なシンデレラ靴、エルメスの望遠鏡【パリコレ日記 vol.6】

2年半ぶりにパリコレのランウェイに復帰　パンデミック以降、パリでのショー開催を見送っていた「ジュンヤ ワタナベ マン」が2年半ぶりにパリコレに戻ってきた。明るい光が差し込むコンクリート剥き出しのショー空間で、トーキング・ヘッズ（Talking Heads）の音楽にあわせてショーがスタート。 まるでポップアートのミュージアム　ベースとなるのは、ジュンヤ ワタナベが長く支持を得ているメンズウェアのユニフォーム。そこに、今回の主役としてアンディ・ウォーホル（Andy Warhol）、ジャン＝ミシェル・バスキア（Jean-Michel Basquiat）、キース・ヘリング（Keith Haring）、ロイ・リキテンシュタイン（Roy Lichtenstein）といった代表的なアーティストたちの作品を取り入れた。　マリリン・モンローやキャンベルスープをモチーフにしたウォーホル作品を筆頭に、バスキアやヘリングの特徴的なグラフィティ、漫画のコマを拡大したヘリングの作品などを大胆に引用。ライセンスのほとんどは、クリエイターの作品を提供するエージェンシー「アーテスター（Artestar）」の提供によるものだ。多彩な作品が揃い、まるでアートミュージアムのよう。「ポップで楽しい、でも価値のある服」　さらに「コカ・コーラ（Coca-Cola）」「ネットフリックス（Netflix）」「ホンダ（Honda）」の見慣れたロゴが、プリントやアップリケになって、デニムやベースボールキャップを飾る。　渡辺は今回のコレクションについて「ポップで楽しい、でも価値のある服を作りたいと思った。ユニフォームをベースに、昔のポップアートをリバイバルして（ブランドの）トレードマークとコーディネイトするのは楽しい」とコレクションノートに記している。世界中のブランドとコラボレーション　コラボレーションブランドは「リーバイス（Levi’s®）」「ブルックス ブラザーズ（Brooks Brothers）」「ニューバランス（New Balance）」「イル ビゾンテ（IL BISONTE）」のほか、イギリスのアウトドアブランド「カリマー（karrimor）」、カナダのアスレティックウェアブランド「レイニングチャンプ（Reigning Champ）、ドイツのアウトドアメーカー「サイルマーシャル（Seil Marschall）」が名を連ねる。  原宿の老舗ヴィンテージショップも参加　そのほか、原宿の老舗ヴィンテージショップ「ベルベルジン（BerBerJin）」がクレジットされているのも興味深い。ヴィンテージアイテムを転写プリントで再現しているシリーズの新作で、今回は「ベイツ（BATES）」のレザーブルゾン、「リーバイス（Levi's®）」のジーンズや「カーハート（Carhartt）」のワークパンツを題材に、トロンプルイユのような本物と見紛う仕上がりとなっている。 　アクセサリーは日本のメンズアクセサリーブランド「SWC」とのコラボレーション。ベースボールキャップは、オーストリアの帽子ブランド「ミュールバウアー（MUEHLBAUER）」、フランスの帽子ブランド「ベトン シレ（Beton Cire）」との協業によるものだ。 プレイフルで高揚感あふれるムード　また、ジュンヤ ワタナベのアイコニックなパッチワークデニムやブレザーなどは、今シーズンも健在。トゥーマッチとも思える装飾で彩られたルックは、いずれもプレイフルで若々しさに溢れていた。　ポップアートといえば、大衆文化や大量消費社会のイメージを主題にしたアイロニカルなアプローチでも知られるが、今回のコレクションは自由にポップカルチャーを楽しむ、アップリフティングなムードに包まれていた。

ポップアートやロゴを大胆にミックス　「ジュンヤ ワタナベ マン」2023年春夏コレクション

パコ ラバンヌ（Paco Rabanne）　ディスクを重ねメタルディスクスタイルで仕上げた職人技の光るハンドメイドプロダクト。シャイニールックといえば最初に名前の上がる「パコ ラバンヌ（Paco Rabanne）」。今年一着は手に入れたいマストハブのアイテムです。SSENSE で購入するジュンヤ ワタナベ（JUNYA WATANABE）　スパンコールで艶感がありつつもシースルーで抜け感をプラス。今私たちが欲しい白シャツがこちら。品行方正、でも遊び心のあるスマートなシャツはデニムや黒いスラックスなどにさらりと合わせたくなるようなエフォートレスなアイテムです。Farfetch で購入するアンダマン（THE ANDAMANE）　90'sムードが爆発するこちらのアイテムは「アンダマン（THE ANDAMANE）」から。極限まで細いスパゲッティストラップにグリーンのスパンコールが配されたブラトップは、シースルーや深いV字のトップスとスタイリングすればその日のコーデのポイントに。Farfetch で購入するプラダ（PRADA）　「プラダ（PRADA）」が打ち出すベビーピンクのスパンコールミニバッグはこってりと甘いからこそ尖ったスタイルに合わせたい。例えばレザーのミニスカートやエナメルブラックのジャケットとスタイリングしてみたらいかがでしょう。Farfetch で購入するステラ・マッカートニー（STELLA McCARTNEY）　顔周りにも輝きを。おすすめなのはラメがぎっしりと詰まったルックのアクセサリー。例えばこちら「ステラ・マッカートニー（STELLA McCARTNEY）」のフープピアス。ブルーグレーの輝きが顔周りをパッと明るく照らし出します。SSENSE で購入するプラダ（PRADA）　90'sリバイバルの今、バケットハットはマストハブ。であればこちらのゴージャスなアイテムはいかが？表面にびっしりと配されたビジューとフロント部分に輝く「プラダ（PRADA）」のロゴパッチが、いつものコーデをアイコニックなスタイルへと瞬時にチェンジ。Farfetch で購入する

お買いモノ

スパンコールやメタリック...煌めくシャイニーアイテムで日常を彩ろう

【2021年ベストバイ】サカナクション山口一郎が今年買って良かったモノ

　「コム デ ギャルソン ジュンヤワタナベ マン」の2022年春夏コレクションは、ジェイミー・ホークスワース（Jamie Hawkesworth）から送られてきたブータンの写真にインスピレーションを源に製作した。ブランド名を「ジュンヤワタナベ・コム デ ギャルソン」から「ジュンヤ ワタナベ」に変更して臨んだ今回は同氏のブータンの写真に加え、インド、カシミールの旅の写真から郷愁と人々の清い心を感じたという渡辺淳弥の中にある「Nostalgic for Asia」をアイテムで表現。前回のメンズと同様、坂本龍一の楽曲がBGMに採用されたが、今回は同氏の楽曲「TONG POO」を特別にアレンジしたものを使用した。　3部構成で行われたショーでは、仏像を連想させるゴールドなどメタリックなテクスチャーを随所に散りばめ、民族衣装風のファブリックと組み合わせた。また、ドレープやチュールを重ねた立体的なワンピースに、スカートやライダースジャケットの前立てやアームを平面的に縫い付けることで、平面と立体を共存させている。同ブランドでは初めてであろうファン付きウェアは、空気を含ませることでダウンジャケットのようなシルエットになっている。　また、「ジュンヤ ワタナベ」が毎シーズン取り組んでいるコラボレーションについても2022年春夏のメンズを踏襲。田名網敬一をはじめ、バンコクを拠点に活動するイラストレーターで、「グッチ（GUCCI）」とのコラボでも知られるファナパスト・タイチャメールコール（Phannapast Taychamaythakool）や、中国のアーティストJacky Tsai、ポーランドのイラストレーターMarta Olga Klaraといったメンズでも用いた作家の作品をグラフィックに落とし込んだ。

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