ジュンヤ ワタナベ 2023年秋冬ウィメンズコレクション
Image by: Koji Hirano(FASHIONSNAP)
デザイナー渡辺淳弥が手掛ける「ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)」2023年秋冬コレクションの着想源となったのは、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の楽曲「カシミール」。1975年に発表され、ロック史に残る名曲のひとつとして知られている。パリで開催されたジュンヤ ワタナベのショーでは、ミシェル・ゴベール(Michel Gaubert)が編曲した「カシミール」が流れ、荒野の旅を想起させる力強いスタイルが提案された。
砂漠を旅する6人の戦士
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「カシミール」は、レッド・ツェッペリンのロバート・プラントがサハラ砂漠を車で移動している時に構想したという楽曲。砂埃のようなスモークが焚かれたショー会場に設置された黄土色の細長いランウェイは、砂漠の中の一本道を想像させた。
オープニングは、オールブラックの6人のモデルが登場。全身をプロテクトするロングコートをまとい、まるで鎧を身につけた戦士のような佇まい。頭部をベールやゴールドチェーンで覆った姿は、どこかエキゾチックなムードを漂わせる。
今年1月に発表された「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」2023年秋冬コレクションと連動し、マスクはベルリンを拠点とするブランド「インナーラウム(Innerraum)」が制作。メンズはテーラードがベースとなっていたが、ウィメンズではジュンヤ ワタナベが得意とする解体と再構築、異素材をドッキングする手法を駆使し、複雑なパターンのドレスやアウターがラインナップした。
ロックなディテールと迫力のシルエット
前半はテクニカルな素材をアシンメトリーのパターンで構築し、ドローコードやテープでディテールを飾るなど、スポーツやアウトドアの要素を注入。ブラックをベースに鮮やかなブルーやオレンジを差し込んだ。
中盤は、ライダースジャケットをリメイクしたような作り。フェイクレザーを複雑に繋ぎ合わせ立体的なシルエットに仕立てた。ファスナーを多用しバッグやウォレットが融合したディテール、スタッズやフリンジといった装飾がパンク・ロックのテイストでまとめられた。
終盤に登場したボリュームのあるムートンやダウンのドレスコートは迫力のシルエット。足元はタフなブーツで仕上げ、辺境の地を行く旅人の力強い装いがインパクトを与えた。
ラストは再び6人の戦士たちが登場し、儀式のようにランウェイに並ぶ。大音量の楽曲が強烈な余韻を残しつつ、ショーが幕を下ろした。
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