コム デ ギャルソン ジュンヤワタナベ マン 2021-22年秋冬コレクション
コム デ ギャルソン ジュンヤワタナベ マン 2021-22年秋冬コレクション
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Fashion注目コレクション

「コム デ ギャルソン ジュンヤワタナベ マン」が提案する古くて新しいトラッド 21-22年秋冬

 2021-22年秋冬の「COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN(コム デ ギャルソン ジュンヤワタナベ マン)」が描いたのは、「古いけど新しいトラディショナルスタイル」。食に例えるなら「野山で楽しむブリティッシュ・アフタヌーンティー」といったところだろうか。コロナ禍で疲れた心を癒してくれる、シンプルで滋味あふれるハイブリッドを召し上がれ~!

(文:ファッションジャーナリスト 増田海治郎

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コム デ ギャルソン ジュンヤワタナベ マン 2021-22年秋冬コレクション
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 ハイブリッドはジュンヤの代名詞のひとつだが、近年ではこのテクニック自体に目新しさはなくなった気がする。ジュンヤとともにこの流れを牽引してきた「kolor(カラー)」や「Y/PROJECT(Y/プロジェクト)」が、より複雑な方向に進化しているのと比べると、今シーズンのジュンヤは清々しいくらいシンプルだ。

 代表的なのは、牧歌的なノルディックセーターやアランセーターを貼り付けたキルティングコート。言わば北欧、英国、米国のトラッドの融合で、前後にニットベストを貼り付けたようなアレンジの仕方も整然としている。ミリタリー調のノーカラーのキルティングコートには、ベージュがかったアランニットを合体。大柄のキルティングのダッフルコートには、おじいちゃんが着ていそうなフェアアイルニットを。ニット以外では、ショート丈のキルティングブルゾンに赤黒のブロックチェックのマッキーノコートを......。永遠の定番アイテム好きには堪らない、逸品同士のハイブリッドだ。

 中盤に入ると、キルティング以外のベースが登場。マッキントッシュ風のステンカラーコートとコーデュロイのブルゾン、チェックのチェスターコートとミリタリーベスト、といった具合にバリエーションを広げていく。キルティングコート×ノルディックセーター×スタジャンの袖の3つのコンビネーションも、違和感なくまとまっている。

 コラボレーションは、カーハートなどの長年のパートナーに加え、新たに"3人の友達"が加わった。イタリアのバッグ・革製品ブランド「Il Bisonte(イル・ビゾンテ)」、オーストリアのウィーン発の帽子ブランド「Muhlbauer(ミュルバウアー)」、イギリスのスニーカーブランド「Stepney Workers Club(ステップニー ワーカーズ クラブ)」で、とくにステップニーのスリッポン型のスニーカーは、ほぼ全てのルックで使われるほど重要な役割を担っている。イースト・ロンドンに拠点を構える2018年設立の新進シューズブランドにとって、飛躍のキッカケになるのではないだろうか。

 パンツは裾にかけて細くなるキャロットシルエットのクロップド丈が中心。ウール、コットン、デニムなど様々な素材、色柄で提案していて、そこにニットと連動したノルディック柄のソックス、厚底のスリッポンタイプのスニーカーを合わせる。数ルックのみ提案したストレートの5ポケットパンツ、トラウザーを含め、とにかく軽快でリラックスした雰囲気だ。

 そんなムードを助演しているのが、イギリスのラップミュージシャン、「Loyle Carner(ロイル・カーナー)」の楽曲。ロイルの歌詞がグラフィックとしてプリントもしくは刺繍されたアイテムが、フィナーレを飾った。

 ジャーナリスト視点では変化に乏しいコレクションかもしれない。でも、ファンなら必ずや欲しくなるジュンヤらしい王道のアイテムが、これでもかというくらいに揃っている。長年のお気に入りになるアイテムは、得てしてこういうシーズンに隠れているのかもしれない。

COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN 2021年秋冬

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COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN 2021-22年秋冬コレクション

文・増田海治郎
雑誌編集者、繊維業界紙の記者を経て、フリーランスのファッションジャーナリスト/クリエイティブディレクターとして独立。自他ともに認める"デフィレ中毒"で、年間のファッションショーの取材本数は約250本。初の書籍「渋カジが、わたしを作った。」(講談社)が好評発売中。>>増田海治郎の記事一覧

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