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かじえりプロデュースの"底見えアイシャドウ"ができるまで

美容系YouTuberのかじえりさん

かじえり

Image by: FASHIONSNAP

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かじえりプロデュースの"底見えアイシャドウ"ができるまで

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 "かじえり"こと梶恵理子さんは、真似メイクや分析メイクなどを皮切りに、親しみやすく取り入れやすいメイクで人気を集める美容インフルエンサー。YouTubeのチャンネル登録者数は27万人を超え、InstagramやTwitterなどを含めると総フォロワー数は42万人以上を抱えています。2020年に立ち上げたブランド「エナモル(Enamor)」では、熊野筆のメイクブラシセットの初回分が即完売し話題に。今月には第2弾アイテムとして、アイシャドウパレットを発売。「自分が欲しいかどうか」をベースに、フォロワーの要望も参考にして、こだわりを詰め込んだアイシャドウの製作舞台裏やおすすめの使い方、今後の目標を聞きました。

かじえり:メイクアップの知識や経験を活かし、自身のYouTubeやInstagramなどのSNSを通じて、わかりやすく真似しやすい美容情報を発信。メイクアップに関する幅広い レッスン・情報発信を行うほか、美容国家資格保有のメイクアップアーティスト兼美容系YouTuberとしての一面も持つ。2020年からはプロデュースブランド「エナモル」プロデューサーとして製品開発も行う。

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ーかじえりさんは高校生の時からSNSで美容を発信していますよね。

 私は大阪出身なのですが、16歳の時に当時関西で爆発的に流行っていた「デコログ(Decolog)」というブログを始めたので、もう14年経ちます。振り返ると自分でもよく続いたなって(笑)。同じ時期に関東では「クルーズブログ(CROOZ blog)」が流行っていました。

ー10年以上経って、自分自身とフォロワーについて変わったと感じることは?

 発信内容の軸は、私自身のメイクの悩みを解決するメイク、挑戦してみたいメイクがほとんどで、それは昔から変わっていないですね。年齢によって悩みが変わってきたり、時代ごとのトレンドによって試したいメイクも変わるので、変化があったとするとその部分ですね。私は同世代の人たちやファンの方々と一緒に歳を重ねていっているなと思っていて。例えば、昔「おフェロメイク」が流行ったときは関連動画の反響が高かったですが、今は大人っぽいメイクのハウツーが参考になると言っていただきます。

ー最近の悩みはありますか?

 やっぱりコロナ禍が大きくて、メイクがマスクに付いてしまうのが悩みですね。発信においても、マスクに付かないリップやベースメイクの動画が人気でした。以前ほどフルメイクをしなくなったからか、時短でメイクしてしまいたいっていうニーズもあるみたいで、「時短メイクも知りたいです」って意見は多かったです。

ーかじえりさんは普段からファンとのコミュニケーションも盛んですよね。YouTubeは週2ペースで更新していますが、ぶっちゃけネタ切れはしませんか?

 全然ネタ切れします(笑)。ライフスタイル全般を発信してる方も多いですが、私のYouTubeはほぼメイクコンテンツだけなので、正直、厳しくなる時もあります。そういう時はフォロワーさんに知りたいことを募ってみます。面白いのが、皆さんの悩みが結構被るんですよね。フォロワーさんからのコメントを見ていると、自分でも「確かにな」と思うことが多くて、いつも助けられています。

ー撮影や編集もご自身でされているんですよね。

 そうですね。動画だと色味の調整が細かくできないので、撮影時に実物の色とズレていないか何度も確認します。ライトの色調も見やすい色をフォロワーさんに質問して、より分かりやすく、参考になるように心がけているんです。テキストだけで太陽光とライトのどっちがいいか質問すると、太陽光が多いんですが、実物を見せながら質問するとライトの方がいいって意見が多数派になるんですよ。太陽光での撮影はお洒落な雰囲気になるし私も好きなんですが、リアルを追求した結果、今のライトを使ったセットに落ち着きました。

ーエナモルがデビューしてから2年ですね。美容を発信する人のブランドの多くはリップやアイシャドウなどのカラーアイテムや、もしくは自身のメソッドを活かしたスキンケアが多いですよね。どうしてブラシから始めようと思ったんですか?

 私はメイクをする上で一番大事なのがツールだと思っているんです。だから、自分がブランドを出すとしたら、絶対にブラシからって決めていました。最初にブラシを出さないと、その後にアイシャドウやファンデーションを発売しても「何で塗るのがいいですか?」となってしまうと思ったからです。

エナモルのアイテム第一弾で発売したブラシセット

「エナモル」デビューコレクションのブラシセット

Image by: エナモル

ーかじえりさんの動画でもよくブラシは登場していましたよね。

 学生の時から「タウハウス(TAUHAUS)」さんの熊野筆のブラシを愛用しているのですが、問屋さんでしか扱っていないので、いつも「どこのですか?」と聞かれても紹介できなくて…。そしたら、偶然タウハウスの方がその動画を見てくださったみたいで、ブラシを作りませんかとお声がけいただいたんです。

ーエナモルの立ち上げよりも、アイテム制作が先行していたんですね。

 ブランドの立ち上げは、実はタウハウスの方からのご提案なんです。今後ブラシ以外もアイテムを作っていけるように、コラボ販売ではなくて自分のブランドを作って、そこからブラシを発売するのはどうですか?と言っていただきました。ブラシ製作とあわせてブランドのベースもサポートしていただいて、本当に人と運に恵まれたなと思います。現在エナモルは私の会社が運営しています。

ーそういった経緯があったんですね。今回発売したアイシャドウのOEMさんとはご自身で商談されたんですか?

 はい、そうです。エナモルのアイテムは絶対に日本製にしたというこだわりもあったので、自分で調べながら商談を重ねていきました。

ー日本製にこだわる理由は?

 最近だと韓国や中国のコスメの勢いがめちゃくちゃあるじゃないですか。可愛くてクオリティも高いので私も好きですし、全く否定するわけじゃないですが、同時に悔しさもあって。日本にも素晴らしい製品がたくさんあり、高度な技術があるのも知っているからこそ、改めて日本のコスメの力を広めたいって思うんです。韓国コスメはマットな質感が上手で、日本はパールが繊細なのが特徴。エナモルのアイシャドウでも、上品な発色とパール入りの粉質にはとてもこだわりました。壮大な夢ではありますが、日本のコスメの魅力をもっと発信するのが私がエナモルで目指したいことのひとつですね。

ーかじえりさんのコスメに対する愛情を改めて感じました。アイシャドウはどんなところにこだわりましたか?

 粉質は、しっとり肌になじむけど、仕上がりはさらっとするようになっています。特に右下の締め色のカラーは、さらっと感を重視していて。締め色ってしっとりしすぎるとぼかしにくいデメリットがあるんです。かといってさらさらすぎるとまぶたに乗らなくて、本当に絶妙なバランスに仕上げるのに苦労しました...。

エナモルのアイシャドウを説明するかじえり
かじえりがプロデュースするアイシャドウ

ー色についてはどうですか?

 全色にブラウンのニュアンスを組み合わせていて、これによってまぶたの抜け感が出るのが特徴ですね。重ねた時も濁らずに肌になじむので、透け感を残しつつ奥行きを演出できます。フォロワーさんたちから、カラーメイクが鮮やかすぎて浮いてしまうって悩みもよくいただいていて。それを解決するのが右上のベースカラー。これをアイホール全体に乗せることで、左下のポイントカラーが浮かずになじむんです。左上のグリッターカラーもパレットごとに輝き度合いが違っていて。「01 ウォルナットブラウン」と「02 サンセットブラウン」のグリッターカラーはハイライトとしても使えるので、夕方のメイク直しで使うと目元の明るさが復活します。

ーポイントカラーで遊びを入れつつも、使いやすさを重視したんですね。

 アイシャドウパレットってものすごくたくさんありますが、いろいろ試したくなるが故に「底見えしない(使わなくなってしまう)」のが私自身も悩みだったんです。だから今回は初心者からメイク好きまで使えて、なおかつシチュエーションのバリエーションも出せるよう、ちゃんとお気に入りで最後まで使いたくなるアイテムにしたくて。

ーおすすめの塗り方を教えてください!

 全種類に共通したノーマルな使い方は、右上をアイホール、左下をアイホールの半分、右下の締め色を目の際から塗る。最後に左上をアイホールの中央や涙袋にポイントで乗せると、アイライン無しで輪郭がくっきりして、立体感も出るんです。私も最近動画で紹介するのに連日このアイシャドウを使っていて、ニュアンスカラーを重ねることで奥行きが出るのが、カメラを通してより実感できました。

ーフォロワーの方々の意見も参考にしましたか?

 細かいところでアンケートをとって、参考にさせていただいたいのでフォロワーさんがいなかったら完成していないです。例えば、当初はハイライトカラーはいらないかも?と思っていたのですが、「パレットに涙袋に塗るカラーは絶対に必要」という意見が多かったので、元々考えていたパール感をハイライトにも使えるように調整しました。そのほか多かったのは、先ほども少し話しましたが、「アイシャドウパレットが使い切れない」という悩み。だから、ポーチに入れても邪魔にならないコンパクトなサイズ感で、使い切れる容量を考えました。逆に要望に答えきれなかった部分もあって、締め色だけサイズを小さくするとか、色ごとに大きさを変えて欲しいという声も多かったのですが、色によって粉質が異なるのもあって、大きさを変えるとプレスできなくなってしまうとか、コストも一気に上がってしまって。私も「確かにな」と思っていた部分だったので反映できなかったのが本当にもどかしい部分でした。次は実現できるようにしたいです。

ー手を抜かないからこその悔しさですよね。今後新色も追加する予定ですか?

 新色・限定色は検討中なんですが、何かしら新しい種類は発売したいですね。

ーアイシャドウの次はどんなものを考え中ですか?

 今後もマスク生活はある程度継続する気がしているので、マスクがあってもメイクが楽しめるようなアイテムを出したいなと思ってますね。リップなのか、チークなのか、具体的なところまでは固まっていないのですが。

ーマスクありきでメイクする生活は続きそうですよね。新作も楽しみにしています!ちなみに、かじえりさんは普段メイクとファッションはどちらから決めますか?

 どっちもありますね。着たい服、使いたいコスメのどちらかにあわせていく感じです。今日は「03 マホガニー」を使いたかったので、全体をピンクでまとめました。著書でも書いたのですが、メイクとファッションの彩度と質感をあわせると全体でひとつのスタイリングとして統一感が出るのでおすすめですね。

ーエナモルの今後の目標は?

 今はオンラインでしか購入できないので、将来的には実店舗での展開ができたらなと思っています。商品に関しては、やっぱりコロナとの兼ね合いがあるので、どのタイミングで何を出すか、イレギュラーが多い中で精査しないとなと。エナモルは商品力をしっかり磨きたいと思っていて、極端に言うと私が作っていると言わなくても知ってもらえるようなブランドを目指しています。

ーかじえりさんご自身の活動ではどんなことを目指していきますか?

 自分のコスメばかり紹介するようにはなりたくなくて。そうなっちゃうと自分としても比較する力が衰えてしまって、結果的に良いものを発信したり作れなくなってしまうんじゃないかなと思っていて。フォロワーさんたちにとっても、他のコスメで知りたいことはたくさんあるでしょうし、悩みや知りたいことには答えてきたいので。エナモルが私の会社がやっているブランドなので、紹介するアイテムの縛りがないのが良いところ。そこを活かして今後も組み合わせの提案だったり、使い方のテクニックを発信していきたいです。

かじえりチャンネルでは各色の使い方を紹介中!
・01 ウォルナットブラウン
・02 サンセットブラウン
・03 マホガニーピンクブラウン
・101 オリーブマロンブラウン (限定色)

(聞き手:平原麻菜実、福崎明子)

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