Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】山本寛斎の"第2ステージ" ブランドを再開する理由は

山本寛斎(Fashion in Motion: Kansai Yamamotoにて)
山本寛斎(Fashion in Motion: Kansai Yamamotoにて)
Image by: Victoria and Albert Museum, London

 デザイナー山本寛斎氏のブランドが復活する。1971年にロンドンでデビューし、40年以上の時を経て再びロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開催したショーを皮切りに、「KANSAI FASHION PROJECT」を始動するという。近年では自身がプロデュースする大型イベント「KANSAI SUPER SHOW」に力を入れていた同氏だが、今なぜ原点の「服」に戻るのか。「山本寛斎の第2ステージ」だという2014年とこれからの展望について聞いた。

 

 山本寛斎氏はロンドンでデビューした後、74年にパリコレクション、79年にニューヨークコレクションに参加し、デザイナーとしての地位を確立した。1993年にロシアで大規模イベント「ハロー! ロシア」を実施してから約20年間は、世界各地で「KANSAI SUPER SHOW」を開催し、イベントという新たな表現形態で挑戦。2013年には、数々の著名デザイナーが迎えられてきたヴィクトリア・アンド・アルバート博物館でファッションショー「Fashion in Motion: Kansai Yamamoto」を催し、新作コレクションを発表した。2014年1月2日からは伊勢丹新宿店にポップアップストア「Kansai Yamamoto POP UP STORE@TOKYO 解放区」がオープンする。「Kansai Yamamoto」ブランドの最新コレクションや同氏がデザインした1点ものが販売されるほか、デザイナー串野真也や「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」の山縣良和といった、次世代クリエイターによる山本寛斎へのトリビュートアイテムの展開も予定されている。


―1971年のデビューショーと、11月にヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開催されたショー。いずれもロンドンという地を選んだ理由は?

 人は年齢が足し算されていきますが、イギリスが持つ感性や価値観は変わらないと思っています。40年以上前の私は、自分でデザインしたものを自分で作って着ていました。言わば自作自演のファッションショーで、観客は街ですれ違う全ての人。365日真剣勝負なんですが、日本人にとっては過剰のようで、おおかた冷ややかな目線で見られていたんです。私は「人にうける」とか、人が好意的に見てくれることを「モテる」という言い方をするんですが、日本では本当にモテなかったんですよね。

kansai_yamamoto_13va-02.jpg

 それがイギリスに行ったら大違いで、私の出で立ちに驚嘆の褒め言葉をかけられ「モテ狂い」でした。根底に「Individual=個性」を大事にするイギリスの国民性と、なるべく調和をとろうとする日本の国民性は、生きることにおける価値観の違いがあるなと感じましたね。それで、自分のファッションが理解されるロンドンでデビューし、今回また原点に戻ることにしたんです。


―40年以上の時を経て開催されたショー「Fashion in Motion: Kansai Yamamoto」についてどのような思いで取り組んだのですか?

 最初のショーの会場も小さな場所だったんですが、今回も博物館という限られた空間でした。私は普通のデザイナーと違うやり方をしてやろうと思っていて、オーケストラで言ったら指揮者のような感じです。私の間合いと読みで全てショーの進行がなされていくんですが、西洋人のデザイナーではありえないことだと思います。最後には、観客も自分も溜まった感情が一気に吹き出しました。会場の中を歩いて皆に手を降ったんですが、片手にはハンカチを握りしめていて、自分で演出しながら自分で涙を流していたんですね。それだけ熱いものを感じました。


―演出については、モデルが笑顔で自由に動いていたのが印象的でした。

 例えば武器でいうと、日本は刀で斬る、西洋は剣で突くという違いがありますね。そういう人や地域の差があるので、大切にしているのは個性です。私は、ショーの前のモデルに「私の服を見せると思うな。あなたを見せて欲しい」と言いました。「あなたは私が選んだ個性ある人だから、あなたの個性をみたら、あなたが着ている服がついていく」という考え方なので、モデルはのびのびとできたんじゃないかと思います。


 次のページは>>今、ブランドを再開する理由は

最新の関連記事

おすすめ記事

見逃し記事

Realtime

現在の人気記事

    Ranking Top 10

    アクセスランキング