2024年秋冬シーズンのミラノ・ファッション・ウィーク(Milan Fashion Week)が1月12~16日(現地時間)に開催された。新進ブランドの「ジョーダンルカ(JORDANLUCA)」やイタリアの伝統やワードローブを見直した「ニール バレット(Neil Barrett)」など、ミラノで注目を集めた新作コレクションを振り返る。
イギリスとイタリアの伝統と感性を融合「ジョーダンルカ」
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イタリア出身のルカ・マルケット(Luca Marchetto)と、イギリス出身のジョーダン・ボーウェン(Jordan Bowen)が2019年に設立した「ジョーダンルカ(JORDANLUCA)」は、現代の文化的アイデンティティを探求するために、伝統的なサルトリアルクラフトを覆すことを目指している。アーティストのドミニク・マイアット(Dominic Myatt)がデザインした1500個のパーティーバルーンが飾られた会場で行われた2024年秋冬コレクションショーでは、英国のサヴィル・ロウとイタリアの伝統的なテーラリングという2つの文化の融合により生み出したというダブルカラーシャツや縫い目をあらわにし、バイアスカットで仕立てたドレスなどを披露した。
Image by: JORDANLUCA
ハリスツイードの"テクノツイード"を使用「ニール バレット」
「ニール バレット(Neil Barrett)」は、ワードローブの定番を見直し、過去と未来の融合を提案。レイヤードを加えたVネックの首周りが印象的なコレクションで、ハンティングウェアやワークウェアから取り入れたディテールや素材をブルゾンやコートに落とし込んだほか、「ハリスツイード(HARRIS TWEED)」の素材をテクノツイードとして生まれ変わらせ、ダウンジャケットなどに採用。フォーマルとカジュアルの融合を目指した。
Image by: Neil Barrett
フェミニンなシルエットが復活「ケーウェイ」
イタリア人アーティストのアンナ・フランチェスキーニ(Anna Franceschini)によるLe Vrai 3.0 ジャケットのテクニカル素材を使用した人型風船のインスタレーションが印象的なパリ発のレインウェアブランド「ケーウェイ(K-WAY)」は今シーズン、フェミニンなシルエットが復活。ブルーブラックやミリタリーグリーン、ライトグレー、レッド、ブルーなどの鮮やかなカラーで形作られた。マルチストライプのジップは、コート、トップス、スカート、ズボンに細長いラインを表現し、アウトドアテイストの回帰として復活させたウールはパンツやバミューダショーツに採用された。
Image by: K-WAY
素材の良さ追求「トッズ」
プレゼンテーション形式で発表した「トッズ(TOD'S)」の2024年秋冬「マテリア」は、素材の研究を重ね、イタリアらしいクオリティを追求するクラフツマンシップから生み出されたコレクション。パシュミーボンバーには撥水・防汚加工を施し、アイコニックな「W.G. ブーツ」はアビエイターの世界に着想を得て、シープスキンのライニングを付けたスエードが登場。バッグコレクションは「ディーアイバッグ」をシープスキンやテクスチャードレザーなどのデザインがラインナップに加わった。
Image by: TOD'S
オアジカシミヤという素材があるからこそ生まれる服の形「ゼニア」
アレッサンドロ・サルトリ(Alessandro Sartori)が手掛ける「ゼニア(ZEGNA)」の2024年ウィンターコレクションは、「オアジカシミヤ」をフィーチャー。オアジカシミヤとはゼニアが保有する自然保護区「オアジ・ゼニア」から名付けられた素材のことで、ショー会場中央にはオアジカシミヤを積み上げた大きな山が設置された。オアジカシミヤの汎用性の高さからブルゾンやブレザーなど様々なアイテムに使用され、素材のトランスフォーメーションを通じて自然な形でスタイルを表現したという。
Image by: ZEGNA
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