ウンベルト・レオンとキャロル・リム
Image by: FASHIONSNAP.COM

Fashion インタビュー・対談

【インタビュー】オンワードが撤退したOCはどうなる?ディレクター2人が目指すこれからのブランドのあり方

ウンベルト・レオンとキャロル・リム
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 2002年のブランド立ち上げから17年。ウンベルト・レオン(Humberto Leon)とキャロル・リム(Carol Lim)が手掛ける「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」(以下、OC)が新たなチャプターを迎えている。デザイナーの2人は今年7月、約8年在籍した「ケンゾー(KENZO)」のクリエイティブデイレクターを退任。OCに注力していくというタイミングで、今月7日、上陸時から日本でのビジネスをサポートしてきたオンワードホールディングスが、事業再編の一環としてOC事業からの撤退を発表した。「オープニングセレモニー」の日本展開はこれからどうなるのか?10年の節目と共に、今後の店舗運営やブランドの未来について来日したデザイナーに聞いた。

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—まず、日本上陸から10年が経ちました。振り返って。

ウンベルト:10周年を迎えられて嬉しく、また誇りに思います。日本はOCにとっても大事なマーケットで、表参道はグローバルの旗艦店として重要な店舗です。この10年の間にOCに起きた様々な出来事を振り返り、クロエ(セヴィニー)やキコ(水原希子)などブランドとの関わりが深く、個性の異なるアイコンたちと再度コラボレーションして10周年をみんなでお祝いするために今回イベントを企画しました。他にも、立ち上げ時からサポートしてきた「ブラックアイパッチ(BlackEyePatch)」や、デザイナーになる前のファッションオタクだった僕たちとって思い入れのある「スーパーラヴァーズ(SUPER LOVERS)」とも今回コラボしています。

台湾のアーティストHAN TENGが手掛けた水原希子の「OK」のヴィジュアル

—ローカルのデザイナーやブランドにとっても、セレクトショップとして大きな役割を果たしてきました。

ウンベルト:OCがスタートして17年経ちますが、これまで「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」や「ジャックムス(JACQUEMUS)」「アレキサンダー ワン(alexanderwang)」など、若手デザイナーをファーストコレクションから見守って来ましたし、彼らのその後の活躍はとても喜ばしいことです。OCがローカルの若いデザイナーやブランドとカスタマーをつなぐプラットフォームでありたいと常に願ってきましたし、これからもより良い形で続けていくつもりです。日本のデザイナーも同じです。日本のブランドは特に注目していて、バイヤーも毎シーズンチェックしています。

—今回のオンワードの事業撤退により、店舗営業の継続を含め今後ブランドにどのような影響が出てくるのでしょうか?

キャロル:今回の決定により新しい体制を迎えることになり、様々な変化も起こるでしょう。しかし、これからは私たちが直接ビジネスに携われることになり、不安よりも楽しみな気持ちが強いです。ブランドにとっても個人的にも東京は大切な街です。何が起こるかは誰にもわかりませんが、2020年に向けて多くの新しいプロジェクトも進行中ですし離れることは考えてません。

—具体的にはどんな変化が起こるのでしょう?

ウンベルト:アメリカのストアが良い例です。とてもアクティブでエネルギーに溢れていて、トークセッションやサイン会、試写会や音楽ライブなど常にイベントが開かれています。人々が集まって政治や環境問題、食べ物について話したりするんです。「行きたいレストランの予約が取れない」と誰かがヘルプを求めたら、私たちが力になるんです。ユニークでしょう?コミュニティーベースでよりパーソナルな店舗づくりをこれから日本でもできたらと思っています。

 大きな企業の中での運営となると、やりたいことを実施するまでに時間を要したり、実施する理由を説得して許可を得る必要があったり、思ったようにいかない局面が少なからずあったりします。ですが、今後は私たちの声がもっとダイレクトに反映され、カスタマーとの距離が近づくような店舗運営ができるようになるのです。

—オンワードとはブランド上陸時からのパートナーとして苦楽を共にしてきたと思います。

キャロル:オンワードは日本上陸からこれまでとても良いパートナーで、私たちが日本で活動するための場所や機会を惜しみなく与えてくれました。会長ともよく話をしますし、とても良い関係を築いてきました。10年という節目で新しいチャプターのスタートを切るにはちょうどいいタイミングだと思っていますし、新しい旅への準備はできています。

—新しいチャプターを迎える新生「OC」にどのような期待を寄せればいいでしょうか?

ウンベルト:服作りや購買体験、新作コレクションの発表の仕方など、今までになかったような画期的な方法でファッションの楽しさをブランドで伝えていきたいです。ファッションが常に変化するのにも関わらず、残念ながら産業全体の変化はあまり見られません。「ケンゾー」でもそうであったように、慣例やルールに縛られることなく、私たちがその変化の一部でいたいですし、ファッション業界の未来に対しても常にポジティブな変化をもたらす存在でありたいです。

(聞き手:今井 祐衣)

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