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【オフィス訪問レポ】ハースト婦人画報社編 自社スタジオにマッサージルームも

河合華子

 話題の企業のオフィスを紹介する人気連載企画「オフィス訪問レポ」。約4年ぶりに復活した今回、「エル(ELLE)」や「婦人画報」など運営するハースト婦人画報社およびハースト・デジタル・ジャパン(以下、ハースト)のオフィスを取材しました。広々としたカフェテリアや自社スタジオがあるという、移転して間もない新オフィスの気になる内側は?

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📝読む前に知っておきたい:ハースト婦人画報社およびハースト・デジタル・ジャパンとは?

 ハースト婦人画報社は、世界40ヶ国で情報、サービス、メディア事業を展開するアメリカ・ハースト傘下の日本のメディア企業。ハースト・デジタル・ジャパンは、デジタルメディアやWEB事業の強化・拡大を担うために、2016年に株式会社ハースト婦人画報社の100%子会社として設立。1905年に創刊した「婦人画報」をはじめ、「エル」、「ヴァンサンカン(25ans)」、「ハーパーズ バザー(Harper’s BAZAAR)」、「エスクァイア(Esquire)」などを中心に、ファッション、ライフスタイルなどに関する多数のデジタルメディアの運営と雑誌の発行を手掛けている。Eコマース事業にも注力するほか、近年はクライアント企業のマーケティング活動のサポート事業を行うなど、コンテンツ制作における知見にデジタルとデータを融合した企業活動を行う。また、環境マネジメントシステムに関する国際規格「ISO14001」を取得しサステナビリティに配慮した経営を実践している。

 ハーストの新社屋は、業務拡大に伴う人員増加と事業成長を見据え、2026年4月に南青山から赤坂トラストタワーに移転。サステナビリティに力を入れている企業として、グリーン電力を取り入れている点や、防災設備が整っている点を高く評価し、同ビルを選定したそうです。

 新オフィスを設計するにあたり、社員向けにアンケートやヒアリングを実施し、集めた意見を反映させています。面積は、旧オフィスの約1.6倍へと大きく拡大。300人以上を収容できる広さです。

来客スペース(エントランス):木の温もり感じる空間と細部に宿る美意識

 オフィス全体を通して、「心地のよい空間づくり」をコンセプトに木材やナチュラルな質感の建材があらゆる場所に用いられています。エントランスから木の温もりと自然の香りが感じられ、早速出迎えられているような気持ちに。天井が高いので、開放感も感じられます。

ハーストオフィス風景

 エントランスの家具は、国内外のブランドからこだわって厳選。ソファはスウェーデンの「マスプロダクションズ(Massproductions)」のもの。センターテーブルは、岐阜県高山市にある老舗家具メーカー飛騨産業のブランド「ヒダ(HIDA)」のプロダクトです。

ハーストオフィス風景

 一人掛けのチェアは、デンマークのブランド「グビ(GUBI)」のもの。柔らかな座り心地はもちろん、洗練されたシルエットが素敵です。

ハーストオフィス風景
ハーストオフィス風景

 大画面のモニターには、ハーストの媒体が制作したムービーが流れています。横の飾り棚には最新号の雑誌がずらり。ライブラリースペースは設けていませんが、バックナンバーは壁面の収納スペースに集約されているそうです。イベントを開催する際には、1媒体の雑誌のみを並べることも。

ハーストオフィス風景

 来客スペースには、4つの会議室を設けています。社員向けの会議室も合わせると、全部で13室。そのほか4名用個室ブース9個、電話ブース8個を設置。旧オフィスでは会議室の予約が重なることが多かったため、かなり数を増やしたそうです。ちなみに会議室の名前は、4大コレクションをはじめとする世界のファッションウィークの開催都市の名称を採用。来客スペースの会議室は「KANAZAWA」や「KYOTO」など伝統的な日本古都の地名です。

ハーストオフィス風景
ハーストオフィス風景

 こちらの会議室は、木材が正面にあしらわれており、コンパクトながら安心感のある空間。アートのような照明が空間のアクセントになっています。各部屋の壁には、各雑誌の創刊号の表紙が飾られています。

ハーストオフィス風景

 より広い会議室は、自然光を活かしつつ柔らかい明るさになるように設計。スッキリとしたミニマルな印象です。

ハーストオフィス風景

 エアコンや電源などの設備は隠されたデザインになっており、洗練された空間に。また、持ち運べるボトル型のモバイルバッテリーが会議室や執務室に用意されています。複雑な配線を避ける仕組みは、美しさにこだわるハーストらしいポイントですね。

ハーストオフィス風景
ハーストオフィス風景

テーブルに隠された配線

カフェテリア:イベント会場にもなる開放的な空間

 来客スペースを抜けると、広々としたカフェテリアが。自然光が窓から差し込み、リラックスできそうな居心地の良い空間です。

 奥のステージ部分では、トークショーなどの読者向けイベントや、社内イベントを開催するスペースとしても活用。天井からスクリーンを広げて映像を映すこともできるのだそう。

ハーストオフィス風景

 カフェバーの大きなカウンターは、日本製の石を使用してオーダーメイドで制作したもの。複数枚の石板をつなぎ、境目が目立たないように磨き上げられています。コーヒーマシンは「デロンギ(DeLonghi)」のもので、エスプレッソやアメリカーノからソイラテまで、幅広いメニューを楽しむことができます。

ハーストオフィス風景
ハーストオフィス風景

 ハーストではサステナビリティ施策の一環として、プラスチックコップの使用は原則禁止。なんと、マイタンブラーが社員に配布されているのだそう。カフェスペースでもマイタンブラー持参についてサイネージで周知されるなど、環境配慮への取り組みが徹底されています。

執務スペース:好みや気分で使い分けできるバリエーション豊かなフリーアドレス

 ハーストではコロナ禍を機に在宅でのリモートワークと出社を組み合わせたハイブリッド制度を導入。現在は原則として週2日まで在宅勤務可能というルールを設けていますが、今年の8月は酷暑による健康リスクに配慮し、一時的に在宅勤務可能日数の上限を解除。社員それぞれが、業務に応じて在宅と出社を使い分けているそうです。

 執務スペースはデスクやキャビネットの高さを揃えることで、見通しが良い空間になっています。フリーアドレスなので、社員は好きな場所で業務が可能。窓際には一部昇降式のデスクが設置されており、ここでは好みの高さで仕事をすることができます。一方で、「媒体のメンバーである程度まとまって座りたい」という声も多かったそうで、メインのデスクスペースでは、一定数の席を確保するグループアドレス制度も導入。3ヶ月に1回のローテーション形式で、媒体の島ごとに席替えを実施しています。

ハーストオフィス風景

 窓際のフリースペースは、明るい光が入ってリラックスできる雰囲気。周りに高い建物がなく、窓の外の景色も開放感があっていいですね。ちょっとした相談事や打ち合わせにも便利です。

ハーストオフィス風景

 メインデスクには、人間工学に基づいた設計の「ハーマンミラー(Herman Miller)」のセイルチェアが並んでいます。複数メーカーの椅子を実際に社員に座り比べてもらい、アンケートをとった結果、最も支持されたこの椅子に決定。窓際の一部デスクには、座面が揺れる椅子も配置されており、社員に好評だそうです。

ハーマンミラーのセイルチェア

ハーマンミラーのセイルチェア

揺れる座面のKOKUYO inglife

揺れる座面のKOKUYO inglife

 執務エリアには、広々としたテーブルの中心に大きな木が植えられていたり、あらゆる場所に大小さまざまな観葉植物が置かれていて、屋内にいながら自然を感じることができます。既製品の会議用ボックスも複数設置されており、1人用のボックスは電話やオンラインミーティングの際に便利。4人向けの会議室も、面談などプライベートな話をする時に重宝しそうです。

ハーストオフィス風景
ハーストオフィス風景

 集中して作業をしたい人向けの「サイレントエリア」も完備。昇降式のデスクで、複数台のモニターがセットされています。私語禁止で、1人1人のデスクが仕切られているので、周囲を気にすることなく作業に没頭できそうです。実際に社員からも「使いやすい」と好評。「在宅よりもここに来て集中したい」という出社のモチベーションにもなっているのだとか。

ハーストオフィス風景

その他の設備:撮影スタジオ2部屋に、福利厚生のマッサージ施術室も

スタジオ

 オフィス内には、簡易的な撮影スタジオを完備。日当たりが抜群で、床は左官仕上げが施されており、ハウススタジオのような雰囲気で撮影できそうです。壁の作りにもこだわっているので、フラッシュ撮影も可能なのだそう。

ハーストオフィス風景

 もう1つの撮影スタジオもかなり広く、物撮りに必要な備品が揃っています。天井も高いので幅広い撮影に対応できそうです。

ハーストオフィス風景

会議室

 会議室はさまざまなタイプが用意されています。こちらの部屋には、椅子と簡易デスクが一体型になったものが並んでいて、まるで海外の大学のよう。この部屋のモニターは、ホワイトボードのようにタッチペンで文字や図を書ける機能付きです。

ハーストオフィス風景

 こちらの会議室は長いテーブルを中心に、左右の壁側にソファのオブザーバー席が。席が足りなくても気軽に集まれるので、大人数の編集会議などで活用されているそうです。

ハーストオフィス風景

 社内で一番広い会議室は、隣の部屋とのパーテーションを外すことで、より広い空間として使用可能。約60人を収容することができるので、社内セミナーや研修もここで開催されるそう。モニターやプロジェクターも完備されており、4面すべてを使って映像を映すこともできます。

ハーストオフィス風景

マッサージルーム

 オフィスの奥に進むとマッサージルームが登場。会社の福利厚生と障がい者雇用を兼ねた取り組みとして設置しています。ここでは、社員のマッサージ師による本格的な施術を受けることができます。部屋の入り口には「和(なごみ)」と書かれたオリジナルの看板が。名前は社内で募集して決まったそうです。

ハーストオフィス風景
ハーストオフィス風景

 施術は事前予約制だそうですが、枠が解放されるとすぐに埋まるほどの人気ぶり。社員アンケートでも高評価で、「短時間コースも作って欲しい」などの要望も多いそうです。

 社員の働きやすさやサステナビリティに配慮した、ハーストらしいオフィスでした。快適な環境で、作業がとても捗りそうです!

最終更新日:

>>「オフィスを紹介してほしい!」という企業の皆さま、ぜひこちら(press@fashionsnap.com)までご連絡ください。お待ちしています!

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文・河合華子

Hanako Kawai

FASHIONSNAP 編集記者

大阪府出身。同志社大学卒業後、メーカーの商品企画&PR、編集プロダクションを経てレコオーランドに入社。学生時代、交換留学で滞在したパリでファッションウィークに出会い、ファッションエディターの仕事に関心を持つ。フランスのエスプリが息づくライフスタイルが理想。

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