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【オフィス訪問レポ】ケリングジャパン編 伊東豊雄による名作ビルに潜入!

 話題の企業のオフィスを紹介する人気連載企画「オフィス訪問レポ」。今回は表参道にあるケリングジャパンのオフィスにお邪魔しました。伊東豊雄設計の名建築の気になる内部は?

Image by FASHIONSNAP
Image by: FASHIONSNAP
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📝読む前に知っておきたい:ケリングとは?

 フランス・パリに本社を構え、「グッチ」「サンローラン」「バレンシアガ」「ボッテガ・ヴェネタ」「アレキサンダー・マックイーン」「ブリオーニ」「ブシュロン」といったファッション、レザーグッズ、ジュエリー製品を扱うラグジュアリーメゾンおよびケリング アイウェアを要するグローバルラグジュアリーグループ。現在のケリング会長兼CEOはフランソワ=アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)。

 社名にある「ker」は、ケリングのルーツと深い関わりを持つフランス・ブルターニュ地方のブルトン語で「家」を意味し、またケリングの英語読み「caring(ケアリング)」では「思いやり」を指すなど、ブランドや従業員、顧客、ステークホルダー、そして地球に対する考えを表現。オフィスはパリや日本ほか、ミラノやニューヨーク、上海、香港、ソウル、シンガポールに構えています。

ロケーション:伊東豊雄設計の表参道・ケリングビルは必見

ケリングジャパンのオフィスは、表参道に面する「BOSSストア表参道店」をL字で囲うように位置するビルに2020年9月に移転。ケリングの日本オフィスに適するように内部をリノベーションしているとのこと。

2004年に竣工したこのビルは、建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞した伊東豊雄さんが設計した名建築として知られていて、ケヤキ並木の枝をイメージしたというファサードが印象的なこのビルは表参道のランドマークのひとつとなっています。ちなみに表参道に面する1〜3階部分には「ボッテガ・ヴェネタ 表参道フラッグシップ」が昨年オープンし、通りの並びには「グッチ青山店」、向かい側には「サンローラン」と「ブシュロン」の店舗があるまさにケリング・グループにとっての中心地。

オフィスへの入り口は横道から。

左隣にはミシュラン星を獲得した「銀座おのでら」の回転寿司「廻転鮨 銀座おのでら本店」があり、取材日もランチタイムに長い列ができていました。ものすごく美味しいと有名。

ペンタゴンデザインの入り口から失礼しまーす!

ミニマルなエントランス。ケリング・ジャパンの本社部分は4〜7階の4フロアに展開されていて、受付は5階にあります。

呼び出しはタブレットと受付電話機から。受付電話機はおしゃオフィスならマストハブの「ヤコブ・イェンセン(JACOB JENSEN)」。

2機あるエレベーターのうち、右側の1機は6階のイベント会場に直接つながるように両開き式になっています。

執務スペース&会議室:障子や縁側も。テーマは「日本の家」

4、5階にある執務スペースのうち、今回は5階を見せていただきました。5階には受付のほかに執務スペースや休憩スペースがあり、主にコミュニケーション部や法務部、リアルエステート、総務部のフロアとなっています。

受付付近の待合スペースに置かれたテーブルの上にはブランドの書籍が。壁面のモニターに映る映像は全世界のケリングオフィス共通のもので、毎シーズン更新されていくそう。

ラグはテキスタイルデザイナーの須藤玲子さんが制作したもので、かいこが最初に吐き出す糸を乾燥させた「きびそ」という素材が使われています。きびそは硬くて太いため加工が難しく、捨てられることが多い素材だったのを須藤さん監修のもと、細い⽷に加⼯する技術で織りにも使えるようにしたのだとか。ケリングはサステナビリティに関しては世界的にもリーディングカンパニーでありますが、日本のオフィスでも環境に配慮した取り組みがたくさん見られました。(追ってご紹介します!)

オフィスは全面禁煙。ちなみにケリングのアイコンは、実は叡智や先見性を象徴するフクロウのエンブレム。オフィス内にはこの他にもエントランスや受付といった、あらゆるところに配置されていて、オフィスの統一性に一役買ってます。

白を基調に和の色を組み合わせた執務スペースは、障子を連想させる引き戸や縁側をイメージしたという廊下など、和の要素を感じる空間。

Image by: ケリングジャパン

オフィスの設計は、インテリアデザインを担当した株式会社GARDEのもと、女性建築家のファラ・タライエ氏が手掛けました。ケリングの「家」という企業アイデンティティに、自然や日本の伝統的家屋の要素をかけ合わせた空間は、まさに「日本の家」を彷彿とさせるような気分が落ち着くデザインです。チルいですねー!

会議室は4、5階にそれぞれ2つずつ。伊東豊雄建築の外壁デザインからちらりと見える風景がたまりませぬ。

会議室
会議室

ラウンジ:本棚まで天然素材に溢れたサステナ設計

執務スペースの奥に進むとラウンジに到着。早速なんだかスゴイ本棚があります。

オフィスの設計と同様にタライエ氏が手掛けたこの本棚は組木で作られたもの。サステナビリティへの取り組みとして、オフィスでは本棚をはじめ様々なところで天然素材やリサイクル素材を多用しています。

女性のエンパワーメントにも力を入れているケリングは、本棚には日本の女性工芸作家の作品を展示していました。書籍はグッチやサンローラン、ボッテガ・ヴェネタなどブランド関連や建築、アートのものが揃っていました。

ソファやテーブルはナチュラルな素材を使ったもので統一。イギリスを代表する家具メーカー「アーコール(ERCOL)」に加え、マルニ木工の「HIROSHIMA」など日本のメーカーも採用されています。

表参道を望める席も。参道は「神様の通り道」。ここに座って外を眺めるだけで気持ちがリラックスしそうです。

なお、ケリングジャパンはインテリア設計および建設の部門において、サステナビリティに配慮した企業に贈られる「LEED認証」のゴールドを取得。プラ削減のためにPVCを禁止したり、自然光やオフィス内部のインテリアの配色により電気の使用量を極力削減するなどの取り組みでもサステナブル経営に徹底しているとのこと。香港オフィスでもゴールド認証、イタリア本社では最もランクが高いプラチナを獲得しています。

※LEED認証:非営利団体USGBC(米国グリーンビルディング協会)が開発、運用し、GBCI(グリーン・ビジネス・サーティフィケーション)が認証の審査を行っている、建築や都市の環境性能評価システム。LEED認証を取得するには必須項目の要件を満たす必要があり、得点に応じてプラチナ、ゴールド、シルバー、サーティファイドの4つにランクが振り分けられます。

カンファレンスルーム&イベントホール:ケリングの情報発信の拠点に

6階にはカンファレンスルームとイベントホールがあります。ケリングの情報発信の基地として、さまざまなイベントが行われています。

カンファレンスルームでは、世界各国のケリングオフィスをつないだミーティングが行われることも。

カンファレンスルーム
カンファレンスルーム

イベントホール「ケリングホール」は全72席を用意。ロールスクリーンを完備し、映像の上映もできます。過去には、芸術や文化において活躍をする女性に光を当てるプログラム「ウーマン・イン・モーション」のトークイベントや、ファッションと生物多様性の関係を紹介する展覧会「Fashion & Biodiversity:ケリングと共に考えるファッションと生物多様性」展の会場にも使われました。

ケリングホール
ケリングホール

同じフロアにあるトイレも見せていただきました。

こ、これはヤバいですね......! 過去イチのおしゃトイレです。標識のデザインもとてもグッドです!

テラス:なかなか入れないレアなフロア

最後にテラスがある7階へ。主に重要なミーティングの際に使用されるとのことで、普段はなかなか見ることができない貴重なフロアです。ケリングのアイコンであるフクロウの巣をイメージしたスペースになっています。

名作「ハンギングエッグチェア」もありました。

ミーティングスペースでは軽い打ち合わせも。

執務スペースと同様に、白がベースのインテリアが揃います。

ネストソファという、フクロウの巣に相応しいネーミングのソファもありました。

そしてテラスへ! テラスも白を貴重としたクリーンな雰囲気。

テラスは「日本とフランスの融合」として両国で愛でられているさまざまな植物が植えられています。この時期はあじさいやラベンダーなどを見ることができました。

テラスのシートで一息ついたり、、、

というか、草木が豊富で自然感たっぷりじゃないですか。多忙を極めるエグゼクティブにとってこの環境は堪りませんね。眺望も文句なしです。

ちなみに外から見るとこんな感じです。

6階へ戻ろうと階段を下るときにもテラスの緑が。

よく見てみると小さな小屋を発見。ケリングのエンブレムにあるフクロウの「家」をここでも体現しているのでしょうか。なんとも粋ですね。

細部までにケリングの真髄を感じる、まさにケリングのオフィス!でした。エグゼクティブフロアに住みたいです(笑)。

>>「オフィスを紹介してほしい!」という企業の皆さま、ぜひこちら(press@fashionsnap.com)までご連絡ください。お待ちしています!

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