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スロウでアナログな韓国フレグランス「ペサドゥ」 クリエイティブディレクターが魅力を語る

目まぐるしい韓国美容業界で大切なこととは?

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スロウでアナログな韓国フレグランス「ペサドゥ」 クリエイティブディレクターが魅力を語る

目まぐるしい韓国美容業界で大切なこととは?

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 2022年のブランド立ち上げから3年足らずで、日本進出を叶えた韓国のフレグランスブランド「ペサドゥ(pesade)」。創業者兼クリエイティブディレクターのモク・ヨンギョ(Mok Young-kyo)氏は、グラフィックアーティストや写真家として活動した後、抽象的な言葉やイメージで表現するフレグランスに魅了され、これまでの経験を注ぎ込んでブランドを生み出した。クールなクリエイティブの中に、どこかノスタルジーでスロウ、そしてアナログな空気を漂わせるブランドの魅力はどこから来るのか。モク氏が語る、“内なる強さを引き出す”香りに込めた思いや、目まぐるしく変化する韓国美容業界でブランドの芯をブラさずにいる秘訣、これからのヴィジョンについて。

モク・ヨンギョ:ペサドゥ創業者兼クリエイティブディレクター

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──長年グラフィックアーティストや写真家として活動したモクさんは、なぜフレグランスブランドを立ち上げたのでしょうか。

 ファッションや音楽業界のクライアントのためにフリーランスとして長く働いたのですが、個人的な作品やブランド運営への渇望を抱くようになりました。同時に、“完全な自由”を求め、自然な成り行きで写真の仕事に取り組み始めたんです。一方で、デザイナーとして企業経営や販売の経験がない中で、どのようなブランドを作れるか、長い間考えていました。

 どんなブランドにするか、さまざまなアイテムを検討する中で、フレグランスに惹かれたのです。香りは製品の品質だけでなく、抽象的な言葉やイメージを通じて表現し、お客さまに感覚を伝える方法としても重要であることに魅力を感じました。私はそのような仕事をずっとしてきたので、自信もありました。フレグランスが、その日のルックやスタイルを完成させるアイテムとして、ファッションと共通点を持つことも魅力に思えたんです。

──フレグランス自体には、もともと興味があったのでしょうか。

 香りは常に記憶の中に存在し、特定の時間に連れ戻してくれるものですよね。子ども時代、青春時代、学生時代、旅の思い出など香りは常に“媒体”として私と共にあり、それらの記憶を思い出すために、香り関連の製品を集め始めたのが興味を持ったきっかけだと思います。今では、どこへ行くにも、空間と時間を記憶するための手段として、香り関連の製品やアクセサリーを集めているんです。

モク氏が旅先で撮り溜めた写真の数々①

──特別な思い出のあるフレグランスはありますか?

 季節や天候、その日の感情によってさまざまなフレグランスを使い分けているのですが、もし飽きることなく、時代を超越した香りを1つ選ぶとすれば、「フレデリック マル(FREDERIC MALLE)」の「ムッシュー」を思い浮かべます。今シーズンのお気に入りは「ディーエス&ダーガ(D.S.&Durga)」の「カウボーイグラス」。個人的に、特別な思い出があるものは、「マドエレン(MAD et LEN)」の「テレノア(TERRE NOIRE)」です。

──ブランド名「ペサドゥ」やコンセプトは馬術からインスピレーションを得ていますね。乗馬や馬術には昔から親しんでいたんですか?

 いくつかのレースを体験したり観戦したりしましたが、馬術文化に深く関わったことはありません。ここはシンプルに、完璧な強さと優雅さを兼ね備えた「ペサード(馬術)」の姿勢に魅了され、それをブランドに結びつけようと考えたんです。私が追求するブランドのエッセンスに、最もマッチする言葉とブランド名だと。

「ペサドゥ」という語は、馬が胴体を地面から45度以上の角度で持ち上げ、前足を体とともに引き上げる馬術のテクニックにヒントを得た。古代ギリシャの乗馬術(魔法の馬場馬術)に由来するこの動作は、肉体的な優雅さと精神的な精密さの融合を表す。

──ブランドのヴィジョンは、「香りを通じて人々が内なる強さと可能性を発見し、身近な瞬間を新たな視点で見て、日常を非日常的な体験に変えるのを助ける」と述べています。これはどういうことなのでしょうか。

 香りが持つ機能性から紐解くことができると思います。フレグランスは、その日の心構え、キャラクター、姿勢を作り上げる際に、外見的なスタイリングではなく、形のない香りを通じて、統一された雰囲気を作り出せるもの。ペサドゥもこれを手助けする役割を果たせればと思ったのです。ペサドゥの香りが人々の内面的な自信を取り戻し、新たな可能性を発見し、日常生活の中で特別な体験をする経験に寄り添いたい、という願いを込めています。

──モクさん自身は調香師ではありませんが、クリエイティブディレクターとして香りの開発プロセスにはどのように携わっているのか教えてもらえますか?

 最も重要な側面は、香りがペサドゥが追求している全体的な方向性と一致しているかどうか。これを達成するために、私自身は主にメインアコードの設定と、香りの初期基盤の構築に集中しています。調香プロセス全体を通じて、各チャプターで特集される3つの香りが調和し、つながるように調香師と緊密に協力しています。

Chapter Ⅱ - Strange Odyssey -

「アン アンシーン(An Unseen)」

 現在、香りのコレクションはChapter I からChapter IVまで展開。各チャプターごとに3つのフレグランスを発表し、バランスを保ち、調和を奏でるな香りを組み合わせている。

──新しいチャプターのコンセプトのインスピレーションは?

 最も私的で大切な思い出です。もうひとつのインスピレーション源は、写真の仕事をする中で出合った、さまざまな群衆や風景、そして途中で出会った人々です。それから、子どもの頃に楽しんだ現代アーティストや古い映画、音楽、絵画なども。それらを記録し、収集していくことで、新しい香りのヒントを得ています。

──今現在、モクさんにとって香りやクリエイティブコンセプトにヒントを与えてくれる国や場所はどこですか?

 ペサドゥのエキゾチックで現代的な香りに影響を与え、頻繁に訪れる都市はマラケシュ、ベルリン、シチリア、京都。これらの都市の魅力と、私の記憶はペサドゥの香りを特徴づけるものなんです。

モク氏が旅先で撮り溜めた写真の数々②

──長らく幅広いデザインに携わってきたモクさんが、ペサドゥの“デザイン”で重要視していることは何ですか?

 ペサドゥは、典型的ではなく既存の古びたマニュアルに従わない意外性や、ペサドゥという名前から来る完璧なバランスとパワーに焦点を当てています。それから、“言葉”という素材も積極的に活用して、ミニマルでありながら“時代を超越した”デザインを目指しているのです。

──過去のインタビューでは、「アナログ要素に惹かれている」とおっしゃっていました。ペサドゥにおいて、アナログ的な感覚は反映されているのでしょうか。

 まず、パッケージングに表れているでしょう。便利なデジタル印刷方法から離れ、シルクスクリーンやレタープレス、手作業によるステッカーの貼り付けといった、手作りの技法を取り入れています。キャンペーンやイメージについても、可能な限りフィルムを使用していて、アナログ時代の感情や記憶を呼び起こすよう努めています。

ユニークなフレグランスタブレット

馬のモチーフのフレグランスタグ

──ローンチから3年で急成長しています。成長の転機は何だったと考えですか?

 ローンチから1年後に最初のフラッグシップストアを漢南にオープンしたことが最も重要な転機でした。私たちは資本が少なくマーケティングもあまりできなかったので、オフラインでの展開こそがブランドをお客さまに紹介し、コミュニケーションを取る唯一の方法だと考えていました。店舗設計は、以前の職業的強みを活かし、すべてを自分たちで行いました。ありきたりなインテリアやグッズのようなものを作りたくなかったので、私がインスピレーションを受けたフォトアルバム付きのフレグランススタンドを使用したり、長年の友人であるアーティストのイ・グァンホと協力して店内に大きなテーブルを作ったり、さまざまなことに挑戦しました。それから、マラケシュと日本にインスパイアされた植物も。これらの要素がペサドゥの雰囲気を作る上で重要な役割を果たし、これに興味を持ったお客さまを通じて、メディアや海外にも知られるようになりました。

漢南に出店した初のフラッグシップストア

──海外初の常設展開として日本を選んだ理由は何でしょうか?また、今後の日本展開の計画を教えていただけますか?

 個人的に、私のお気に入りの場所が日本なんです。地理的に若い頃からよく訪れていた国ですが、もちろんすべてを理解できるわけではありません。それでも、日本の感性と文化の影響を受けて育ちました。ブランドを立ち上げて以来、海外で店舗を開くことを最初に考えた場所が東京だったので、その目標を早く達成するために努力したんです。

 特に東京はアジアの都市の中で最もグローバルな都市だと思いますし、ペサドゥ独自のブランディングと製品の詳細について学べる場所だと考えています。東京のポップアップから始め、日本全国に拡大してペサドゥの香りを紹介したいと思っています。店舗だけでなく、展示会やそのほかの形でお客さまと会うために、パートナーとも計画を立てています。

──韓国の美容業界はスピードの速い市場として知られています。そのような変化の激しい環境の中で、ブランドの独自の世界観をどのように維持し、成長させているのでしょうか。

 自分が何者であるかを知り、自分自身に最も集中するよう心がけています。どのようなブランドを作りたいのか、どの方向に進むべきかを常に自問し、自分の個性が際立つように可能な限りすべての仕事のプロセスに参加するよう努めています。急速に変化し、トレンドに敏感な市場では、クリエイターの個性がブランドにどれだけ表現されているかが生き残るための最も重要な要素であり、これらの要素が集まってブランドの独自性と差別化を生み出し、ユニークなストーリーテリングを創造すると思っています。同時に、ブランドの方向性に合った市場とお客さまを見つけ、継続的な関係を構築することも必要だと考えています。

──最後に、今後の製品発売予定と、ブランドのヴィジョンについて教えていただけますか?

 私たちの最大のヴィジョンは、グローバルな“調香ハウス”になること、ペサドゥのブランディングを理解し好きになってくれるお客さまにもっと出会うこと、彼らを満足させるために製品力とブランディングを継続的に発展させること、そして高品質なブランドとして確立することです。

 発売に関しては、9月中旬にフィレンツェで開催されるフレグランスの展示会で、ペサドゥのアイデンティティをテーマに進められている新しいチャプターを紹介する予定です。また、夏前に新しいハンドウォッシュを発売します。

 今年はヨーロッパ市場への本格的な進出のためにイタリアの拠点整備を進めていて、日本市場ではペサドゥの雰囲気に合った空間を通じて、日本のお客さまと継続的に出会えるよう計画しています。

(編集:平原麻菜実)

最終更新日:

■ペサドゥ:公式サイト

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