深夜の渋谷駅前、スクランブル交差点のど真ん中に、一つの紙袋とともにヘリから降り立った一人の女性。目の覚めるような赤のエレガントなハイブリッドウェアを風になびかせ歩く姿は、まるで壮大な映画のワンシーンのよう。「サカイ(sacai)」2021年秋冬コレクションのショートムービーは、そんなドラマチックな演出で始まった。
無人の渋谷に鮮やかなドレス
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阿部千登勢が手掛けるサカイは、先シーズンから一旦パリコレを離れ、独自のスケジュールで新作コレクションを発表している。映像による発表は、2021年春夏メンズコレクション/2021年プレスプリングウィメンズコレクションに続く2回目。今回の2021年秋冬コレクションのショートムービーは、東京の象徴的なスポットである渋谷スクランブル交差点が舞台となった。
映像で描いた無人の渋谷は、ロックダウン下のような静けさ。薄暗い街並みを輝かせるように、ランウェイに見立てた交差点を力強く歩くモデルたちの鮮やかでドレッシーな姿が際立った。
クチュールライクなシルエット
ファーストルックは、ジャケットのディテールをドッキングしたPコートと、動きによって膝下が優雅に広がるタイトスカート。コンパクトな肩幅の身頃にオーバーサイズの袖が付けられたフェミニンな肩のフォルムと、縦に長いナローシルエットは今シーズンの特徴だ。環境の変化の中で生み出されたコレクションは、サカイが得意とする異なる要素のハイブリッドにクチュールのアプローチを取り入れることで、女性的なエレガンスを呼び戻している。
赤、青、黒、白と、大胆な色使いにはポジティブな精神が反映され、ラストルックはラメがきらめくロングドレス。ドレッシーなスタイルとは対照的なタフなブーツが、芯の強さを想像させる。複数の指輪を連ねたデザインのイヤカフなど、多様な要素をサカイ独自のバランスでまとめ上げた。
エリック・ヘイズによる愛のグラフィティ
「ONE KIND WORD」と書かれたプリントは、グラフィティ界のレジェンドとされるアーティスト、エリック・ヘイズ(Eric Haze)とのコラボレーション。描き下ろしのグラフィティは、友情、ポジティブさ、あたたかさ、そして阿部の根源的なテーマのひとつである「愛」に焦点を当てたという。
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