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"世界一ユニークな会社"スマイルズ遠山社長がベンチャーに出資するワケ

「バートイレット」の武宏とスマイルズ遠山正道 Image by Fashionsnap.com
「バートイレット」の武宏とスマイルズ遠山正道
Image by: Fashionsnap.com

 スープ専門店「スープストックトーキョー」などを運営するスマイルズ代表の遠山正道氏が、ベンチャーの事業支援に乗り出している。現在では、約10件の事業に出資。自身も三菱商事初の社内ベンチャーから独立したことで知られる遠山氏が、なぜ今またベンチャーに目を向けているのか。

 スマイルズは、一商社マンだった遠山氏が2000年に立ち上げてから、今年で15年。「スープストックトーキョー」をはじめ、リサイクルショップ「パスザバトン(PASS THE BATON)」、ネクタイ専門店「ジラフ(giraffe)」を運営し最近ではファミリーレストラン「100本のスプーン」を立ち上げるなど「世の中の体温をあげる事業」を複数持つ"世界一ユニークな会社"として知られている。

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 0からスタートしたスマイルズを、約15年間で84億円超の売上高まで成長させた遠山氏が、新たに起業家の支援を始めたのは2011年のこと。イタリアンの名店「トラットリア・ドンチッチョ」で働いていた中村嘉倫氏と阿部努氏に出会ったのがきっかけだ。「実力もネットワークもやる気もあって、ないのはお金だけだった」という2人に出資する形で新会社を立ち上げ、白金高輪に「ロッツォシチリア」を開店した。同店は、現在新たな名店として高い評価を得ている。

 同じ時期、アートディレクターの千原徹也氏が独立するというタイミングで、スマイルズの出資によるデザインオフィス「れもんらいふ」が設立された。また今年に入ってからは、森岡書店の店主である森岡督行氏に出資し、銀座に一冊の本を売る書店「森岡書店銀座店」を出店。さらに4月、ケータリングブランド「TAKIBI BAKERY」を有する株式会社CIRCUSに出資し、翌5月には奥沢にベーカリー「LABO BY TAKIBI BAKERY」をオープンするなど、次々と新事業に参画している。いずれも分野が異なるが、唯一の共通項は「スマイルズにないもの」だという。

morioka_ginza_01.jpg一冊の本を売る書店「森岡書店銀座店」店主の森岡督行

■一人の社員がバーを開くまで

 出資の対象となるのは外部の人間だけではない。遠山氏と同じく、社内ベンチャー第1号となったのは、スマイルズに入社し「スープストックトーキョー」と「パスザバトン」を経て、バーの店主に転身した武宏氏だ。「パスザバトン」では店長を務めていたが、「いつか独立する」という夢を叶えるために店の成績を約1年かけてトップに押し上げ、全社会議で優秀店舗として表彰されたその日に、密かに温めていたバーの企画書を副社長の松尾氏のポケットに突っ込んだという。武氏は「まずは自分がやっている仕事で結果を出さなければと必死でした」と振り返る。

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 経営会議を経てスマイルズの出資と武氏の独立が決まり、晴れてオープンしたのが新宿一丁目「バートイレット(bar Toilet)」だ。店内には「パスザバトン」でも扱っていたアンティーク品や、遠山氏が香港で買い付けたというライアン・マッギンレーの写真作品などが飾られている。看板を出していないにもかかわらず、「来てくれた人が自分の大事な人を連れてきてほしい」という考えに賛同する遠山氏をはじめ各界のクリエイティブな人々が自然と集まり、コミュニティが生まれる場所になっている。

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bar Toilet 店内にあるバスタブとライアン・マッギンレーの作品

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