Image by: Daily Fashion News

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韓国発のデジタルファッションメディア「デイリー ファッション ニュース(Daily Fashion News)」が、今年日本版を本格ローンチした。本国のメインアカウントのインスタグラムフォロワー数は100万人を超え、"デペニュー"の愛称*で韓国のみならずグローバルでも存在感を高めている。創業者のイ・ヘヨン(Lee Hye Young)氏に、メディアの成り立ちや急成長の背景、日本展開、そしてファッションメディアのこれからについて聞いた。
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*韓国語で「Fa」の発音は「Pe」になるためデペニューの名前で親しまれている。
「生きたメディア」を目指して
——デペニューはどのようなファッションメディアですか? 強みは?
ファッションやカルチャーを主軸に、グローバルのランウェイニュースやセレブリティのスタイル、フード、ビューティ、ウェルネスまで幅広く扱うデジタルメディアです。常にパーソナルで即時性のある視点を大切にしています。本当にファッションを理解している友人のような存在でありたいと思って2022年に立ち上げました。
私たちの強みは、スピードと感性の組み合わせです。ただ情報を伝えるのではなく、キュレーションする。デペニューのフォローは、情報だけではなく、私たちのテイストを信頼してくれているのだと思います。
——デペニューを立ち上げたきっかけは?
ファッションの伝えられ方と、人々が実際にファッションを消費する方法との間にギャップを感じていました。既存のメディアは、情報がスローで、格式ばったものが多く、少し近寄りがたさを感じていました。一方で、特に若い世代は、リアルタイムで視覚的に魅力があり、作り込まれすぎて冷たく感じるものではなく、もっと自然でリアルなコンテンツを求めていると感じたんです。
私は"生きているメディア"を作りたかった。パリで開催されているファッションショーを、ソウルにいる人がまるでその場で体験しているかのように感じられるようなメディアです。
——ご自身のキャリアについて教えてください。
私のキャリアのスタートはマーチャンダイザーでした。ニューヨークのラルフ ローレン本社で働いた後、プラダ コリアでミュウミュウを担当しました。その経験を通じて、ラグジュアリーブランドがどのようにアイデンティティを構築し、商品や体験をキュレーションし、オーディエンスと関係を築いていくのかを学んだんです。
デペニューは、ブランド側と消費者側、その両方のファッション業界で学んできたことが交わって生まれたメディアです。
急成長を支えたキュレーションとコミュニティ
——現在はインスタグラムの本アカウントのフォロワー数が100万人を超え(2026年6月時点で105万人)、韓国国外でも注目されています。急成長の理由は何だったのでしょうか?
成長の理由は、一貫性とオーセンティシティ(本物であること)だったと思います。私たちは、すべての人に向けた存在になろうとはしませんでした。スピードがあり、キュレーションされ、感情に響くという明確な視点を持ち、それを毎日続けてきました。
転機になったのは、オーディエンスを単なるフォロワーではなく、コミュニティのメンバーとして捉えるようになったことです。彼らのために作るのではなく、彼らを意識しながら一緒に作る。その姿勢に変わったとき、目に見えて成長が加速しました。人は、自分を理解してくれるものをシェアするのだと思います。
——コンテンツを作る際に大切にしている"デペニューらしさ"とは何ですか?
デペニューのコンテンツは、それを作っている人が本当にその取材対象に関心を持っていると感じられるものでなければいけません。私たちが大切にしている基準は、「ファッションを愛する人が私たちのコンテンツを見たときに、何かを感じるか」です。
——投稿のスピード感も強みです。どのような体制で編集、投稿しているのでしょうか?
私たちのワークフローは、リアルタイムの編集リズムを中心に作られています。常にモニタリングし、フットワーク軽くいつでも動ける状態にしています。
チームは小規模ですが、非常にアラインされています。全員がデペニューの声やトーンを理解しているからこそ、スピードを保ちながらもアイデンティティを失わずに発信できるのです。
——韓国のセレブリティだけでなく、ペトラ・コリンズ(Petra Collins)や映画監督のバズ・ラーマン(Baz Luhrmann)といった世界的クリエイターとのコラボ投稿や、ファッションウィークでの独自のバックステージ取材も印象的です。こうしたコンテンツはどのように実現しているのですか?
正直に言うと、人との関係性、そして多くの偶然です。こうしたコラボレーションは、必ずしも計画して実現できるものではないと思います。自分がしていることを本当に愛し、そこにリアルなエネルギーを注いでいると、周りの人もそれを感じ取ります。そうすると、そういった予期せぬ良いことがその場で自然に起こり始めるのです。
▲「クロエ」26年秋冬コレクションのショーバックステージでは、コレクションのムードボードにも登場したブルック・シールズの姿をキャッチし、現地からでしか届けられないショーのエモーショナルな側面を伝えた。
SNSメディアの未来
——デペニューのビジネスモデルはどのように設計されていますか?
複数の事業ラインで運営しています。ブランドコンテンツのパートナーシップ、イベント、そしてクリエイティブエージェンシーとしての仕事です。私たちは単なるメディア企業ではありません。
——2026年にDaily Fashion News Japanをローンチしました。日本進出の理由と目標を教えてください。
韓国は日本が好きで、日本も韓国に関心を持っています。その相互の関心には理由があると思います。2つの文化の間には共有されているものがありながら、同時にお互いが深く惹かれる違いもあります。私自身もずっと日本に惹かれてきました。多くの韓国人が憧れ、夢見てきた場所であり、私もその一人です。
韓国で築いてきた、スピード感がありカルチャーに深く関わるデジタルメディアは、日本でも受け入れられる準備ができていると感じました。韓国のデジタルメディア環境はとても速く進化してきました。そのエネルギーや高揚感を、日本にも届けたいと思っています。
ただし、韓国版をそのまま日本語に置き換えることが目標ではありません。日本の文化や感性を本当に理解しながら、デペニューのDNAであるスピード、キュレーション、オーセンティシティを持つものを作ることが目標です。
——昨今のファッション業界は、セレブリティによるバズへの依存度が高まっています。この現状をどのように見ていますか?
セレブリティの注目度は、これからもファッションの一部であり続けると思います。それ自体がなくなることはありません。ただ、オーディエンスはより見極める力を持つようになっています。本物のコラボレーションなのか、単なる広告的な起用なのか、その違いを感じ取れるようになっているのです。
セレブリティは、人々を引き付ける入口にはなりますが、それだけで関心を維持することはできません。これから重要になるのは、その先にあるストーリーやカルチャー、コミュニティの価値です。話題性で人を集めることはできても、人々が継続的に関わり続ける理由は別のところにあると思います。
——これからの時代のファッションメディアに必要な役割は何だと考えていますか?
ファッションメディアは、単なるチャンネルではなく、コミュニティにならなければいけません。これからの時代は、所属感を生み出せるメディアが重要になると思います。人々は、何かについて知るだけではなく、自分が何かの一部であると感じたいのです。
デペニューの長期的なヴィジョンもまさにそこにあります。ファッションやカルチャーを愛する人々が実際に出会える場所になること。単なるフィードではなく、コミュニティになること。それこそが、これからのファッションメディアが生き残り、成長するために必要な姿だと思います。
最終更新日:
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