Image by: VALENTINO
ピエール パオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)がクリエイティブ・ディレクターを務める「ヴァレンティノ(VALENTINO)」が、パリで2024-25年秋冬メンズコレクションを発表した。拠点とするイタリア・ミラノから久々に発表の場を変更し、パリ6区のセーヌ川沿いにある「モネ・ド・パリ(Monnaie de Paris、パリ造幣局)」を舞台に、マスキュリニティを表す色とされるブルーの再解釈を行った。
スカイブルーで自由な男性像を描く
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性別による色分けの起源は諸説あるが、18世紀頃のヨーロッパで概念が生まれ、1950年代以降に男性はブルー、女性はレッドないしはピンクが定着したとされている。今季の「ヴァレンティノ」は、このジェンダーバイアスに疑問を投げかけた。
コレクションのタイトルは、フランス語で青空を意味する"Le Ciel 20.24"。「ブルーを解放して再考し、変化した男性的な意識を表現した。自由な思想を象徴するスカイブルーは、視野を広げて男性とは何か問いかける実験的な手段だ」と、スカイブルーにフォーカスして自由な男性像を描いた。
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ラストルック
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だが、"ヴァレンティノ・ブルー"とでも言うべきスカイブルーを多用することはなく、取り入れられたのは全50ルック中でわずか9ルックのみ。その多くもバッグやインナーというアクセント的な忍ばせ方だからこそ、ラストルックのステンカラーコートが印象に残る。
色味、素材、パターンでステレオタイプを軽やかにアップデート
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コレクション全体を俯瞰して見ると、オールブラックのファーストルックをはじめ、落ち着いたトーンかつマスキュリニティなベーシックアイテムで構成されている。だが、随所でグリーンやパープルといった彩色をレイヤードで魅せ、チェスターコートやダッフルコートには"アルトリリエーヴォ(Altorilievo)"と呼ばれる浮き彫りの装飾を施すことで、軽やかにエレガントなムードを演出。
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同時に、ストリートの定番アイテムであるフーディーも多様な素材とパターンでスタイリングに組み込むことで、クラシカルなマスキュリニティのアップデートを図った。
「衣服それ自体は男性のタイムレスなワードローブから引き出され、リアリティに基づいたものだ。 なぜなら、男性らしさという言葉が表す意味やその本質における抜本的な変化は、すでに私たちの現実の 一部となっているのだから」(ピエールパオロ・ピッチョーリ)
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