左)玉井健太郎 右)山縣良和
左)玉井健太郎 右)山縣良和
Image by: FASHIONSNAP

Fashion インタビュー・対談

【対談】リトゥンアフターワーズを作った2人が振り返る10年とこれから

ファッションを更新するために必要なこと

−リトゥンアフターワーズが10周年というタイミングで、アシードンクラウドはハバダッシュリー(HABERDASHERY)から独立

玉井:時期は本当にたまたまです(笑)。これまではデザイナーとしての活動だけでしたが、今年から社長としてブランドを運営しています。

山縣:本当の意味でディレクションするようになってどういうものが出てくるんだろうと期待してる。

玉井:プレッシャーかけないでよ(笑)。でも会社全体をしっかりディレクションしていくことがデザインする上でも大事だということは、良和を見て思ったのはあるかな。

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10周年を祝して玉井健太郎がプレゼントした花束

−前回の展示会で顧客への接し方を変えていきたいと言っていました

玉井:今までは卸先さんとお客さんとの関係性に任せていた部分があったんですが、もっと踏み入っていきたいなと考えています。服に愛着を持ってもらうために、僕がそこの距離感を縮めないといけないのではないかと。だからと言ってクチュールみたいな関係性をイメージしているわけではなく、シンプルに服の背後にある僕の存在をもっと理解してもらいたいなと思っています。もちろん人間性を表に出すことは一長一短ですが、今はもっとお客さんとのコミュニケーションに自分も属していきたい。僕は服をプロダクトとして考えているスタンスの人間なので、そういうところを今後はしっかり考えていきたいんです。

as20171209.jpgASEEDONCLOUD 2017-18年秋冬コレクション

山縣:リトゥンアフターワーズももっと着てくださる方のことを考えていかなきゃって思ってる。

玉井:もう一回ちゃんと服に向き合うことが大事なんじゃない?

山縣:うん、だから完全にそこしかやらないっていうのを一度やってみようかなと。

玉井:それで立ち上げたのが「リトゥンバイ(written by)」ではなく?

山縣:もっと人間と向き合うべきなんだと思うんだよね。向き合うことに逃げてしまっている部分があるかなって。

玉井:どうなるかイメージがあまり湧かないけど、目指す先は所謂「一般的な美」とは違うんだろうね。それが逃げているか逃げていないか周りからどう見られるかはわからないけど、最終的にそういう良和が描く方向にいけたらいいよね。

山縣:行きたいね。理想はそこだよね。

玉井:ずっと変化球を投げてきたから、ストレートを投げれるのかどうなのか。

山縣:それこそが僕が挑戦しないといけないところだと思う。「これ"も"ファッションだ」というところから「これ"が"ファッションだ」というところに更新していきたい。

−これからのファッションには何が求められると思いますか?

玉井:何が求められるかはわからないですが、希望としてはファッションの面白さや多様性の部分がもう一度復活してくれたらいいと思います。それぞれの作り手の生存を考えると、致し方ない部分も出てくるんですが、ブランドは多様にできないというか、多様に振る舞えるほど力を持てない。そういうしがらみがない若い世代の人たちが大勢出てきて、壊してくれたらなって期待してます。

山縣:そうだね。この間ここのがっこうの生徒に「好きなことやるってことは儲からないってことじゃないですか?」と言われて。僕達の世代は好きなことをやっても儲かっている人をたくさん見てきたけど、今の若い人たちはその前提が既に違う。本当にファッションが好きで、それがやりたいから儲からなくてもいいって言うんだよね。それこそ銀行で働いていたのに辞めてファッションの世界に飛び込んだ人とか。

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玉井:そのエネルギーが塊になることで、もっとファッションって面白くなってくると思うんだけどね。

山縣:今回の展覧会のテーマに「Decoration never dies, anyway」というのがあって。装飾というか、ファッションは結局のところ死なずに生き続けていく、そういうメッセージが込められているんだよね。少し前にノームコアが流行って末端までいってしまった感があったけど、今はまた空気が違う。変化して流転して、面白いよねファッションって。

(聞き手:芳之内史也)

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