小笠原拓郎
小笠原拓郎
Image by: FASHIONSNAP.COM

Fashion 買ったモノ

【2019年ベストバイ】繊研新聞 小笠原拓郎が今年買って良かったモノ

 今年のお買い物を振り返る「2019年ベストバイ」。1人目は、本企画常連の繊研新聞社の編集委員小笠原拓郎さん。20年以上にわたり国内外のコレクションを取材し続けている小笠原さんが選ぶ2019年に買って良かったモノ6点。

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Ujoh ビスポーク ツーパンツスーツ

FASHIONSNAP.COM(以下、F):こちらは「ウジョー(Ujoh)」のビスポークスーツですね。昨年は靴とシャツを作ってビスポークの気分と言っていましたが、今年もピスボーク気分は継続ですか?

小笠原拓郎(以下、小笠原):いや、これはビスポークでというよりただ単に黒色のギャバジンのスーツが欲しかったからオーダーしたもので。若い頃はギャバジンをよく着ていたんですけど最近買っていなかったので、今年は黒のギャバジンの良いスーツを着たいなと思い購入しました。

F:なるほど。そこからなぜウジョーに?

小笠原:黒のギャバジンが得意なデザイナー誰だっけと考えていたら西崎くん(ウジョー デザイナー 西崎暢)が思い浮かんだんです。それで展示会に行ってジャケットを見たんですが、求めているものよりも少しデザインされすぎていて。もっとシンプルなものが欲しいと話していたら「せっかくなので作りましょうか」と声をかけてくれて、お願いすることにしました。

F:襟が少し太めでゴージラインはかなり低めですね。

小笠原:これくらいが今っぽいよねといった感じで話ながらデザインを決めました。襟を立てても着られるようにラペルの下に隠しボタンをつけたり。9月のウィメンズシーズンの出張に持って行きたかったので、7月末くらいに話をして8月に計測してと、急ピッチで作ってくれました。

F:無事間に合ってよかったです。パンツは2本ですが、違いは太さですか?

小笠原:そうですね。最初は細めのものをロールアップして履こうと思っていたんです。でも西崎くんが太いものもいいと思うと言うので2本オーダーしました。

F:どちらをよく履いていますか?

小笠原:太い方を履いています、結局(笑)。

F:助言を素直に聞き入れてよかったですね(笑)。

小笠原:太いほうがちょっと男っぽく見えるというか、彼曰く「悪く」見えるんですよね。北野武さんの映画のような空気感というか。西崎くんはもともと「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」で服作りをしていたからそういう感覚に優れているんでしょう。太めのものを履いた方が気分にマッチするんですよ。

F:ウジョーは買ったもの企画初登場ですね。魅力は何だと思いますか?

小笠原:テーラリングやスポーツウェアなど彼は得意な分野が色々あると思いますが、カッティングで"新しい美しい"ものを作ろうとしているところに惹かれます。黒のギャバジンをこういう風に使うんだって。そういえば、彼と相談して決めたこの形、次のコレクションで出ると思う。「出していいですか?」って聞かれたので(笑)。素材や色は変わっているかもしれないですが。

 

COMME des GARCONS コート

小笠原:昨年のこの企画の最後に「しばらく買わないと決めていたギャルソンの封印を解いた」と言って、オーダーしていたのがこのコートです。

F:2019年春夏コレクションのものですね。

小笠原:2019年春夏コレクションは黒いアイテムが多く、デザインも凄く良くて。今年買ったものを振り返るとこのコートに合わせるアイテムを探していたのか黒色ばっかりでした。

F:今年の買い物のベースになったアイテムなんですね。腰辺りに切れ目が入ったデザインが特徴的ですね。

小笠原:すごく上質に作り上げたアイテムにあえてハサミを入れる。コム デ ギャルソンがずっとやってきたデザインの奥にある精神的な"新しい美しさ"を探すという行為を象徴するアイテムだと思うんです。

F:2019年春夏コレクションでは、他にもハサミを入れたような切れ込みのあるアイテムがありましたが。

小笠原:肩口に切れ込みが入っているものなど色々悩みましたよ。コートとしての機能性と使い勝手の良さからこれにしました。

F:これはウィメンズコレクションのアイテムですが、今年「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)」は購入しましたか?

小笠原:買ってないんですよ。今年は全てウィメンズのものを買いました。男女の区別がなくなってきている時代ですし、コム デ ギャルソンの服は前合わせがメンズと同じなので、サイズが合えば特に気になるところはないですね。

F:ウィメンズですがサイズもジャストですね。

小笠原:そうですね。Lサイズでジャストです。実は上半分と下半分で身幅の広さが違っていて、下半分のほうが身幅が広いんですよ。麥田先輩(ファッションジャーナリスト 麥田俊一)にも「すっごい似合うな」って言われましたし、買ってよかったです。

 

COMME des GARCONS ジャケット

F:こちらはコートの次のシーズンとなる2019年秋冬コレクションのもの。

小笠原:「パーツ」というのが一つのキーワードになっていて、解体した服のパーツを合わせることで一つの"新しい美しさ"を作ろうというコレクションでした。これはテーラードジャケットの胸元周りがカットされているんです。

F:生地の風合いも独特ですね。

小笠原:一見ベルベットのように見えるんですけど、表面は全て細かいコード刺繍で作られているんです。ところどころで裏地が見える箇所もあって。

F:全面コード刺繍......。相当手間がかかっているでしょうね。

小笠原:量産できなかったらしいですよ。オーダーしていたので私のはなんとか作ってくれたんだと思うんですけど、製品にならなかったって店員さんが言っていました。これとサンプルの2着だけかと。

F:世界に2着。貴重なアイテムですね。これはコード刺繍に惹かれて?

小笠原:そうですね。他にもうちょっと着やすそうなアイテムがあったんですけど、展示会で見たときに「何だこれは」と。30年近く記者生活を送っていますが、見たことのないアイテムですぐに欲しいなと思いオーダーしました。

F:着まわしが難しそうな印象です。

小笠原:そんなことないですよ。今日みたいにニットの上に着るだけで変わったスタイリングになりますし。こんな感じで。

F:着ると胸元のカッティングが目立ってわかりやすいですね。

小笠原:着ると広がってわかりやすいですよね。こんなに前が空いているのに意外と暖かいんですよ(笑)。

 

COMME des GARCONS ベスト

F:これはすごいですね。

小笠原:満員電車には乗れないんですよ(笑)。

F:たしかに満員電車に乗ると危険かもしれないですね。椅子に座ったりすると背中の金具が当たって痛そうです。

小笠原:痛いとかはなく普通に座れるんですけど、たまに引っかかって動けなくなることはあります(笑)。正直、日常では着にくいです......。

F:これはジャケットと同じ2019年秋冬コレクションのものですか?

小笠原:はい、「パーツ」のシーズンです。他にも2種類くらいあったんですが、丈の長さが違ったり、付いているチャームが違ったりするんです。

F:これを選んだ理由は?

小笠原:チャームが一番ごつごつしていて、そこが気に入りました。

F:チャームがある分、重さもありますね。

小笠原:結構重いです。これは秋口くらいにさっきのウジョーのジャケットの上によく着ていました。これを着るだけで、コーディネートに新鮮さが出るんですよ。ワンサイズしかなくて、ちょっと小さめだからコートの上に着るのは難しそうですが。

F:コム デ ギャルソンは他にも何か買いましたか?

小笠原:メッシュのTシャツを買いました。それも黒です。

F:本当に黒ばかりですね。

 

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