東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 日本代表選手団公式服装
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 日本代表選手団公式服装
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AOKIが手掛ける日の丸カラーの東京2020競技大会公式服装、開会式で選手が着用するまでの舞台裏

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 東京オリンピック開会式の入場行進で、主催国として最後に登場した日本代表選手団。選手たちが着用した日の丸カラーの白と赤のコントラストが目を引くセットアップは、スーツ専門店のAOKIが手掛けたものだ。コロナ禍で様々な制限がある中、オリンピック・パラリンピックの代表選手約1600人分の公式服装を、開幕までにパーソナルオーダーで納品するという一大プロジェクト。「常にアスリートファーストの気持ちを忘れずに作製に取り組んだ」と話すAOKI 商品戦略企画室 執行役員 本田茂喜氏に、公式服装完成までの舞台裏を聞いた。

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 公式服装は、開会式に着用する「開会式用」と結団式をはじめとする公式行事出席時に着用する「式典用」の計2種類で、オリンピック・パラリンピックで同一デザインを初めて採用。公募要領にある「ニッポンを纏う」をコンセプトに、東京2020大会のテーマでもある「東京2020大会の価値の発信」「歴史と伝統の継承」「国民との一体感」を表現し、オリンピック・パラリンピックともに「共生」という共通のテーマで作製した。公式服装は現在、AOKI横浜港北総本店と銀座本店の2ヶ所で12月26日まで展示されている。

 公式服装は、1964年の東京オリンピックで日本代表選手団が着用したセットアップと紅白を逆転させたデザインとなっている。本田氏はデザインについて公募要領のテーマに基づきながら「主催国として世界の皆さまをお迎えするにあたって、礼節を重んじる日本らしくある一定のドレスコードは必要だと考えました。また、テーマである『歴史と伝統の継承』『国民との一体感』を生み出すためには、やはり日の丸を取り入れて何かできないかと、デザインを検討していきました」と振り返る。また、真夏でも快適に着られる素材開発にも着手。「ニッポンを纏う」といったコンセプトに則り、セットアップは全て日本製の素材を使用し、すべての工程を国内工場でまかなうことにこだわった。

 「一般のお客様の場合、1着のスーツを採寸からお届けするまで1ヶ月程度かかる。約1600人の3200着分のオーダー服を、限られたスケジュールの中で国内工場でどのようにまわしていくかが最大の課題だった。着用する日は決まっているので何とか間に合わせるために、チーム体制を一から構築し直した」(本田氏)。

 完全日本製のセットアップを完成させるにはメーカーの協力が必要不可欠。長年取引のあるメーカー各社へ、製造フローの大幅な見直しの理解を得るべく説得に奔走したという。

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 公式服装のデザインにあたり、まず行ったのはオリンピック・パラリンピック競技への理解を深めること。一般的な顧客とアスリートでは体格が大きく異なるため、パフォーマンスを見てアスリートの体の動きや筋肉の付き方などを研究しながら試行錯誤を繰り返し、パラリンピック出場選手の公式服装では実際に選手や同社の社員からヒアリングを行いながら開発が進められた。猛暑での開催に備え、暑さ対策のために通気性や吸汗速乾性、快適性を追求。脱いで手に持ってもシワになりにくい素材を採用した。

 採寸は練習の妨げにならないよう最小限の時間に抑え、通常は30分程度のカウンセリングを行うところ、1人あたり5分程度で採寸を完了させた。スピーディーかつ正確な採寸が求められるほか、「当日はタイトめに着用したい」「開幕時はもう少し筋肉がついていると思う」といった選手一人一人の細かなニーズを短時間で聞き出すスキルも求められることから熟練のフィッターを起用。同社で働くフィッター約3000人の中から特に技術力の優れた約150人が抜擢された。

 また、コロナ禍では生産工程においても影響が出た。本来であれば工場を訪れ直接細かな調整等のやりとりを行うところ、画面越しでリモートでの作業を余儀なくされた。そのほか、選考会のスケジュールの延期・中止により出場選手が直前まで確定しないことで、開会式直前の数日前に衣装が完成するケースもあったという。

AOKI 商品戦略企画室 執行役員 本田茂喜氏
AOKI 商品戦略企画室 執行役員 本田茂喜氏

 開会式当日、同社のジャケットを着用した選手らが登場するシーンを視聴していたという本田氏。「感動して泣いてしまうかと思っていましたが、選手一人一人の着こなしや衣装の仕上がりを冷静にチェックしながら見れました。現在は8月24日のパラリンピック開会式に向けて、残り2割程度の選手の公式服装を作製している段階。まだまだ安堵はできませんが、メーカーの方々が『4年に1度の祭典を盛り上げるために一緒に頑張っていこう』といった気持ちで支えて頂いたからこそ、プロジェクトを実現できたと思っています」と話す。東京2020オリンピック開会式後は、長年付き合いのある顧客から労いの言葉をかけられたり、展示されている実物を間近で見ようと来店する客が増えるなど、店頭での反響も上々だという。

東京2020オリンピックエンブレム ストレッチウォッシャブルスーツ Image by AOKI
東京2020オリンピックエンブレム ストレッチウォッシャブルスーツ Image by AOKI

 このほか、AOKIでは東京2020公式ライセンス商品を店舗および公式ECサイトで販売。特に、自宅で洗える「東京2020オリンピックエンブレム ストレッチウォッシャブルスーツ」はオリンピック開幕前と比較し、7月末時点で販売着数が約1.2倍に伸長しているという。

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