FETICO 2023年春夏コレクション
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
オンライン視聴で得られないものの一つは、ジャーナリストの知り合いとの雑談だ。私のように、編集部に通勤しなくなった引きこもり族にとって、ネットを通しての見聞よりも刺激的なのはいうまでもない。ファッションウィーク初日の昨日、会場で遭遇したメンズファッションのベテラン記者から、20代半ばの若手デザイナーの立ち上げたブランドがなかなか注目に値することを教えられる。が、聞かされたブランド名の大半は、ほとんど実物を見たことのないところばかり。ファッションウィーク期間中から終わった直後には、展示会も開かれるので、今回は、そうした「若手」について勉強する機会にしたい。
さて、今シーズン、初めて鑑賞したのは、フェティコ(FETICO)という舟山瑛美デザインのブランド。ブランド名から連想されるように、フェティッシュが、一つのキーワードになっている。長年ファッションを観て来ると、否応なく自分自身の好みが出てくるわけで、フェティッシュというのは、かなり嫌いなものなのだけど、今回は不思議なことに全く嫌悪感が出てこなかった。作品は、肌の露出度の高いセクシーなものなのに、どうしてなのか?
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ショーの作り、モデルの選び方やメークアップ、抑制のきいたウォーキング、サックスを使った独特の音楽が気に入ったからなのかもしれない。手の込んだレースやニットなど服の素材の硬質さが、肌の露出を抑制しているのかもしれない。
というわけで、なかなかいいコレクションを見た気分になったら、FETICOは、今シーズン創設されたJFWアワードを受賞したというニュースが飛び込んできて、会場の外では、急ごしらえの授賞式となった。
ショーだけでブランドの価値や新しさを判定するのは難しいけど、授賞式で、舟山瑛美さんが語ったように、始めて6シーズンのブランドなのに、少しずつファンが増えているというのは、納得できる。
FETICO 2023年春夏コレクション
Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
展示会は、来週開かれる。服に触れながら、女性が作る女性のためのフェティッシュな服の人気の秘密を探ってこようと思う。
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