皆さん、こんにちは〜!
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USです。
店頭にいる頃を思い出すと、端境期になると消費者から商品に対しての申し出が増えていた気がします。(かれこれ十数年前の話なので、今は違うかもしれませんが(笑))丁度、洋服の着用シーズン(季節)の終了が近く、それなりにシーズンで着用され、不具合が出てくるタイミングなのかもしれない、と店頭にいた頃は思っていました。
そういう時期ということもあってなのか、近頃立て続けに「消費者から返品された服の不具合について原因を調べて欲しい」という相談がありました。
その中の一つに取引先のOEMさんからこんな話がありました。
『消費者から生地が破れた、というクレームがあった。
消費者は「どんな粗悪な生地を使用しているんだ!」とかなり強めの口調だったらしい。
長年生産をしているがそんなに悪そうな生地には見えない。
けど問題が発生しているので念のため一度調べて欲しい。(悪い生地を使っている事を証明したい!)』
OEMに携わっている方はあるあるな話だと思います(笑)
生地の強度試験の項目は「引張(ひっぱり)強度」「引裂(ひきさき)強度」「破裂強度」などで調べることができます。
今回は破れた生地は織物であることと、破たんした箇所の様子から「引裂強度」を調べることが適切であると判断し「引裂強度」の試験を実施しました。
ついでながら、「引裂強度」とは生地が傷ついた箇所がどのくらい破れにくいかを調べる試験です。
傷ついた箇所というのは、着用中に物理的に引っ掛けてできた傷もそうですが、縫製の際にできる針の穴等もそれに当たります。
この項目は案外軽視されがちですが、これが弱いと力が加わった箇所から生地が破たんしてしまう可能性があります。
さて、数日後出た結果を見ると非常に「引裂強度」が弱く、なんと一般基準の半分くらいの数字しかありませんでした。
この結果には担当者も驚かれ、『生地も見かけによらないなー。』とお話されてました。
「人は見かけによらぬもの」という言葉がありますが、「生地も見かけによらぬもの」という事があります。
今回の場合は決して分厚い生地ではなかったですが、目付けが軽い感じはなく一見すると弱い生地に見えなかったと思います。(ただし、当方が触った感じでは問題があったと聞いていたという事もありましたが「引裂強度」が弱そうな予感はしました。)
こういう見た目と実際の数値にギャップがある物がとんでもない問題を発生させる可能性があります。
見た目は繊細そうに見える物は消費者も丁寧に扱うようにすると思いますが、例えばデニムの様にそれなりに丈夫そうな物だと消費者も加減なく使用(着用)する可能性が高くなると思います。
弱い物を加減なく扱うと破れてしまう可能性が高くなる、ということは容易く想像できると思います。
このような事がない様に生地を選ぶ際は消費者がどのような取り扱いをするか想像することも大事なポイントです。
最後に、今回のような「引裂強度」が弱い生地は手でも簡単に裂けてしまいます。
簡単に確認する方法として生地の端にハサミを入れ、そこから手で生地を裂く際に簡単にビリっと裂けるような物は『引裂強度』が弱い可能性があります。
ただし、手で引裂く場合と、機械で計測する場合の誤差はあります。手で裂けなくても機械で計測すると弱い場合(逆もあり)もあるのであくまで「一つの目安」として考えて頂ければと思います。
心配がある場合は検査機関等に持ち込んで見てもらうのが確実かと思います。消費者への安心に繋がりますし、対外的に品質管理に気を配っているというアピールにも繋がり、取引先への信頼向上にも繋がるかもしれません。
以上USでした。
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