yutoriの片石貴展代表
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ZOZOの傘下企業で「ナインティナインティ(9090)」などを展開するyutoriが東京証券取引所に承認され、12月27日にグロース市場に新規上場した。初値は公開価格の2520円を12.3%上回る2829円で、高値は2949円。終値は2599円だった。28日以降、2023年中に上場を予定している企業はなく、yotoriが年内最後の上場企業となった。
yutoriは、代表の片石貴展氏が2018年4月に設立。国内最大級の古着コミュニティ「古着女子」で広く認知され、10代前半~20代前半の若年層をターゲットにした事業展開を強みとしている。現在は「ナインティナインティ」のほか、「センチメーター(CENTIMETER)」「パム(PAMM)」「ヤンガーソング(Younger Song)」などのブランドを運営しており、2020年7月にZOZOグループの傘下に入った。2023年3月期の業績は売上高が24億7000万円で、営業損益は4700万円の赤字。2024年3月期の予想では売上高が前年比44.4%増の35億6500万円で、営業損益は3億3700万円の黒字を見込んでいる。
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これまでyutoriの親会社として発行株式のうち51.0%を所有していたZOZOは、yutoriの新規上場に伴い、同社の株式の一部を売却した。所有割合は23.96%に減少し、大株主順位は片石氏(27.16%)に次ぐ2位に降格。これにより、yutoriはZOZOの傘下から離れた独立体制となり、今後ZOZOはいち主要株主としてyutoriに関わっていくことになる。代表の片石氏はZOZOに対し「2020年に傘下に入ったことで多くの人にyutoriを知ってもらえたし、買収後も独立性を持った経営をさせていただいた。そのおかげで今回の上場があるので本当に感謝している」とコメント。上場に際しZOZOの澤田宏太郎社長を含む取締役陣からは「上場おめでとう。これがスタートラインだと思って、企業として更に大きく成長してください」という祝福と激励のメッセージを受け取ったという。片石氏は現在30歳。国内アパレル企業の代表の中では、最も若い年齢での上場となった。
上場後は、「ヒットブランドの創出」と「ブランドの買収」の2軸で事業の拡大を続けていく方針。「ヒットブランドの創出」では、既存ブランドのターゲット層を固定しつつ、30代以下のY世代をターゲットにした新ブランドを作ることで顧客層の拡大を図る。「ブランドの買収」では、「荒削りでもファンの熱狂度が高いブランド」を積極的に取り込み、企業全体を活性化させていきたい考えだ。また、具体的な言及は避けるとしながらも今後はファッション以外の「Z世代が買い物を楽しめるカテゴリー」の領域にも手を広げていくほか、アジアを中心とした海外進出への意欲も示した。5年後までに展開ブランド数70を目指し、10年後には国内アパレル企業の中で時価総額トップ5入りすることを目標に掲げる。
yutoriの片石貴展代表
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記者会見に登壇した代表の片石氏は、念願の上場を果たした現在の心境として「やったぜ」と喜びを表現。「自分は本当にファッションが好きで、働いているメンバーのことも好き。好きなことを好きな人とやって、しかも上場という形で資本主義に挑戦できていることは本当に幸せだと思うので、今後も更に事業を成長させていきたい」と意気込みを語った。
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