Image by: ジャパンサステナブルファッションアライアンス

Image by: ジャパンサステナブルファッションアライアンス
サステナブルなファッション産業への移行推進を目的とする一般社団法人ジャパンサステナブルファッションアライアンス(JSFA)は7月に、不要になった衣服の回収・修理・買取場所を一括で検索できる「回収拠点検索ページ」を公開した。7月23日に開かれたJSFAの第6回年次総会では、第6期の共同代表を務めるECOMMIT、JEPLAN、スタイレム瀧定大阪の3社と、ワーキンググループリーダーを務める帝人フロンティアの担当者が登壇。同ページの詳細を説明したほか、JSFAの発足から5年間の歩みや直近1年間の活動報告も行った。
ADVERTISING

(左から)帝人フロンティア 鈴木優美子氏、スタイレム瀧定大阪 森田芳弘氏、ECOMMIT 坂野晶氏、JEPLAN 高尾正樹氏
Image by: FASHIONSNAP
業種の垣根を越えた75社が結集、「JSFA」とは?
JSFAは、サステナブルなファッション産業への移行を推進することを目的に2021年に発足した企業連携プラットフォーム。個別企業だけでは解決が難しい課題に対し、川上から川下まで多様な業種や規模の企業が共同で解決策を導き出していくことを目指している。具体的な活動としては、サステナブルファッションに関する知見の共有や、国内外の重要動向の先行把握、業界内の共通課題を改善するために必要な政策提言などを実施。2050年度に向けた目標として、原材料から最終処分までの全課程における単純焼却・埋め立て処分をなくす「ファッションロスゼロ」と、CO2排出量実質ゼロを目指す「カーボンニュートラル」の2つを掲げ、その達成に向けた活動を行っている。2025年8月には一般社団法人化を果たした。
発足当初の参加企業は11社*だったが、現在は75社(正会員18社、賛助会員57社)に拡大。原料・素材メーカーからアパレル・小売、商社、副資材、検査・認証機関、縫製工場、ロジスティクス、リユース・リペア・リサイクル、生産設備・機械メーカーなど、多様な業種と事業規模の企業が加盟している。またパブリックパートナーとして、環境省や経済産業省、消費者庁などの省庁に加え、京都市や埼玉県といった自治体とも組んでいる。
* 発足時の参加企業:アシックス、アダストリア(現 アンドエスティHD)、伊藤忠商事、クラボウ、ゴールドウイン、JEPLAN、帝人フロンティア、東レ、豊島、ユナイテッドアローズ、良品計画
設立から5年、議論から「行動」のフェーズへ
JSFAは毎月定例会や勉強会を開催し、業種や事業規模を超えて、サプライチェーン全体でサステナビリティに関する課題解決に向けた議論を実施。カーボンニュートラルやファッションロスゼロをはじめ、人権に対するトピックや国内外の先進事例の共有など、幅広いテーマについての議論を進めている。そのほか、年に1〜2回行う政策提言に向けた協議や提言書の作成、パブリックコメントの提出、定期的に担当省庁との意見交換等を行う政策提言委員会も設置。また現在は、カーボンニュートラルやファッションロスゼロなどに向けたワーキンググループを設置し、具体的なアクションを進めている。
質疑応答でこの6年間の変化について問われたJEPLANの高尾氏は、「サステナブルな取り組みというのは経済効率性との戦いでもある」とファッション業界のリアルな課題に言及。「利益を取ることと、コストとしてファッションのサステナビリティに支払うということがどうしても相反してしまうことに対して、『それでもいいからやらないといけない』という会社が残って増えてきている。本気でやらないといけない人たちが、純粋に残ってきているんだなと思っている」と語り、加盟企業が強い覚悟を持って行動フェーズへ移行していることを示唆した。
捨てる以外の選択肢を、衣服の「回収拠点検索ページ」が誕生
JSFAは、「ファッションロスゼロ」実現を目指した生活者向けの新たな取り組みとして、着なくなった衣服の持ち込み先を簡単に探すことができる「回収拠点検索ページ」を公式サイト上に公開した。同ページでは、「リペア」「回収」「買取」のサービス拠点を都道府県や市区町村、ブランド別で検索することが可能。JSFAの会員企業が独自に行っている回収事業の情報を一元化した、全国47都道府県・2585拠点を掲載している。

Image by: ジャパンサステナブルファッションアライアンス
プロジェクトリーダーを務める帝人フロンティアの鈴木氏は、同ページ公開の背景について「衣類の資源循環の問題は年々着目され、特に年間50万トンに上る廃棄衣類の削減に向けた取り組みは活発化している。そういった中で、JSFA加盟企業はそれぞれが課題意識を持って使用済み衣服の回収事業やリペア事業、買取事業などを行ってきたが、生活者目線では『どこに何を持って行ったらいいかよくわからない』という課題があった」と説明。より生活者が資源循環の輪に参加しやすい環境を整備すべく、回収拠点情報が一覧化された同ページの作成に至ったという。
情報の正確性担保の観点や会員企業にとってのメリットの観点から、今後も同ページにはJSFAの会員企業の拠点のみを掲載。JSFA内部では回収量の目標数値を定め、毎年進捗確認を実施予定だという。
【JSFA 第5期(2025年8月〜2026年7月)の活動報告】
<カーボンニュートラルに向けて>
従来の「算定」から「削減」へと焦点を移行。各種ガイドラインの整備や、再生可能エネルギーへの切り替えに関する事例共有などを行った。これに伴い、会員企業におけるScope3(自社の事業活動に関連する取引先工場など、他社の温室効果ガス排出量)の簡易算定状況は、当初の22社から52社へと増加し、算定完了率は約7割(69.3%)に到達した。一方で、サプライチェーンの中で算定が難しいとされる静脈企業(リユース・リサイクル事業者など)に向け、新たに「静脈企業のGHG排出量算定方法検討ワーキンググループ」を立ち上げ、JSFAとして推奨する算定基準の提示に向けた活動をスタートさせた。
<ファッションロスゼロに向けて>
サプライチェーンの各段階でどのような取り組みが必要かを定義した「理想の資源循環像」を取りまとめ、外部へ公開した。また、政策提言委員会を中心に、環境省の「循環型ファッションの推進に向けたアクションプラン」や、グリーン購入法に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」の改訂案に対する意見書の提出など、国への政策提言を積極的に実施。これについてECOMMITの坂野氏は、「我々は提出するだけでなく、事前・事後でしっかりと意見交換をさせていただき、出して終わりではなく実装されることを目指して議論を重ねている」と述べ、行政と連携しながら社会実装に向けた動きを加速させている姿勢を強調した。
最終更新日:
■ジャパンサステナブルファッションアライアンス:公式サイト
ADVERTISING
RELATED ARTICLE
関連記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング

ヌナが初の機内持ち込み対応ベビーカー「ヴィア キャビン」を発売 5色展開
















