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人間は全てをリセットして“まっさら”になれるのか? ダイスケ タナベ27年春夏

村田太一

 「ダイスケ タナベ(daisuke tanabe)」が展示会を開催し、2027年春夏コレクションを発表した。ブランドとして6シーズン目となる今季のテーマは「blank slate」。

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 同コレクションは、「生まれたばかりの人は、生まれながらの知識が何もなく『白紙』である」とするジョン・ロック(John Locke)が提唱した考え方「タブラ・ラサ(白紙説)」と、それを問い直すスティーブン・ピンカー(Steven Pinker)の思想から着想。人間が生まれ持つ性質と、環境や経験によって後から加わるものの関係性に着目し、「人間を1つの型に当てはめず、先天的な性質と後天的な要素の両方を見ることが重要である」という学びをプロダクトへと落とし込んだ。

 アイテムは「共通する素材や構造を持つものを対照的な二色で展開し、同じものが違って見え、違うものがどこか同じに見える状態をつくる」「素材そのものを二層構造にし、人が生まれ持つものと、環境によって後から加わるものとの関係を、内側と表面の重なりに置き換える」といった2つの方向性で製作。前者を代表するアイテムは、イタリア・トスカーナ産のベージュカラーのゴートスエードを表面のみ黒と白に染め分けたレザージャケット(36万3000円)だ。後者は、撥水加工を施したオリジナルのコットンシルクダブルフェイス生地を用いたコートやジャケット、パンツなど(10万8900〜16万1700円)をラインナップする。

 そのほか、紋紗織のオリジナルシルクコットン生地を使用したロングシャツ(8万1400円)やベンタイルコットンを取り入れたリバーシブルベスト(25万9600円)、日本製の絹紬糸を撚り合わせた杢糸のニットポロ(5万8300円)などを展開。小物では、イタリア製ラムスエードを贅沢に使った新型ショルダーバッグ(27万5000円)が登場した。

 デザイナーの田邉大祐は「最初は、混沌とした現実や、繰り返される暴力に嫌気がさして、一度白く塗りつぶしてリセットすることができないかと考えていました。しかし、人にはそれぞれ心の形がある。持って生まれた傾向があり、育った環境があり、その上に感情や記憶が経験として積み重なっていく。まっさらな状態に戻ることはできない。毎日のように流れる戦争のニュースの中でこのことを改めて考えました。私にとって服を作ることは、自分の内側に生まれた違和感や感情を、素材と衣服に置き換えながら、今という時代と向き合うことです」とコメントしている。

daisuke tanabe 27年春夏

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daisuke tanabe 27年春夏コレクション

2027 SPRING SUMMERルックブック

最終更新日:

文・村田太一

Taichi Murata

FASHIONSNAP 編集記者

群馬県出身。男子校時代の恩師の影響で大学では教員免許を取得するも、ファッション業界への憧れを捨てきれず上京。2021年にレコオーランドに入社。主にビジネスとメンズファッションの領域で記事執筆を担当する。幼少期、地元の少年野球チームで柄にもなくキャプテンを任せられた経歴を持ち、今もプロ野球やWBCを現地観戦するほどの野球ファン。実家が伊香保温泉の近くという縁から、温泉巡りが趣味。

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